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痛車用の絵の描き下ろしをお願いするときに必要なこと
こんにちは!
絵描き系痛車乗りのヒろシです!
今回はタイトルの通り、痛車用のイラストを絵師様に依頼する時に大事なポイントを解説していきたいと思います。
僕の本領発揮なテーマですね!
イメージしたものをイメージ通りに仕上げてもらうためには、必要なものを的確に言語化し伝えることが不可欠。
今回はその“必要なもの”の紹介と、ちょっとしたことで劇的にイメージに近づけれるコツを紹介していこうと思います。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです!
それではいきましょう!
痛車ならではの必要なこと
「絵師さんに描き下ろしを依頼するぞ!」
となった時、依頼するキャラクターやキャラクターのポーズ、雰囲気なんかを伝えることは誰でもしますし依頼時の初歩です。
痛車用の絵を依頼する際は、さらにそこにワンポイントを加えるとより良くなると思います。
まず、忘れてはならないこととして入稿データの形式、サイズなどです。
サイズは大きければ大きいほど、解像度が高ければ高いほどよいと思われがちですが、必要以上に高解像度で大きいデータは逆に“取り回しの悪い”データになってしまいます。
技術的な話をすると、どれだけ高解像度に描いたところでプリンターで印刷する都合上、プリンターが印刷できる性能以上は表現不可、無駄だからです。
痛車用のデータで使用する場合、僕の場合ですがだいたい以下の規格で描いています。
・解像度 350dpi
・キャンパスサイズ 5000〜9000px四方ベース(構図によって変動)
・書き出し形式 png、psd
です。
これを基準にすれば大体のクーペ、セダンサイズには必要十分でしょう。
デザインの際も極端な拡大・縮小しなければ十分に耐えれます。
描き下ろしを依頼する際、特にこだわりがなければ先ほどの規格をそのまま伝えていただければ便利かと思います。
もう一つ重要なことは、クルマに貼るわけですから“避けなければならない場所がある”ということです。
多くの絵描きは普段イラストを描く際は、長方形のキャンバスを作り絵を描いています。
しかし痛車の場合、ドアやパネルの隙間、ボディのプレスラインなどを避けたデザインにする必要があり、必ずしもキャンバスが長方形だとは限りません。
つまり普段通りの構図で絵を描いてしまうとデザインの妨げになったり、実際痛車になる際には見切れて使われないところが多く発生してしまう可能性があります。
これはデザイナー的にも絵師的にも喜ばしいことではありませんよね。
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ドアハンドルや各パネルの境目をよけつつ、
ボディがなるべく平面な範囲にキャラクターを配置
絵師さんにはあらかじめクルマの写真を資料で送っておくと良いでしょう。
さらに“顔がどの辺りに来るか”を伝えておくと良いと思います。
この辺りは事前にデザイナーさんとも打ち合わせしておくとより良いでしょう。
車種や貼る場所によっては、イラストを配置できる範囲がとても狭いものもあります。
デザイナーさんと予め相談しておくことで、よりデザインとバランスの取れた絵や、絵師さんにとって無駄のない絵を依頼できると思います。
また、できればラフの段階で一度デザイナーさんにも確認してもうと良いでしょう。
基本的にこれは何にでも当てはまりますが、痛車を作る上でもコミュニケーションはとても大事です。
理想の痛車を作る上であなたは、絵師さんやデザイナーさんに注文をするだけでなく絵師さんとデザイナーさんとを繋ぐ役割に全力を捧げる必要があります。
理想の絵を描いてもらうために
さて次は、自分の思い描いた絵を描いてもらうには絵師さんにどういったことを伝える必要があるかというお話です。
もちろん先ほども述べた通り、何のキャラクターを描いて欲しいのか?衣装は?ポーズは?といった初歩的な要望は自然と伝えていることでしょう。
痛車として必要なことは先ほど述べたので、絵自体をより自分の理想に近い形に描いてもらう方法を紹介していきます。
重要なポイントは4つです。
①資料を揃える
②その絵師さんの好きな過去絵を伝える
③抽象的な表現は案外重要
④納期は余裕を持って
です。
一つずつ解説していきます。
①資料を揃える
これはそのままの意味です。
絵師さんも自分で資料を探しますが、自分がイメージしているものと別のものを見ている可能性もあります。予め用意しておくと勘違いを防げますし、なにより親切です。シンプルに助かります。
②その絵師さんの好きな過去絵を伝える
恐らくあなたがその絵師さんに依頼しようと思ったきっかけは、その絵師さんの過去絵を見て良いと思ったから、好きだと思ったからだと思います。
特に刺さった絵を2、3枚ほどピックアップしておくと良いでしょう。
絵師さんも機械ではないですから、同じキャラクターでも描いた時期やその時の絵の雰囲気、描くキャラクターによって微妙に描き方が違います。
恐らく“神絵師”と呼ばれる方ほどこの傾向は強いと思います。
見ている人からすると同じに見えても、決して同じではないでしょう。
どの過去絵が好きかを伝えておくと、よりクリティカルに“描いて欲しい絵”がどんな絵なのか伝わると思います。
③抽象的な表現は案外重要
「かっこいい感じ」「可愛い感じ」「ミステリアスな雰囲気」、、、
こういった表現は、実は絵師さんにとってかなり重要なヒントになります。
一見曖昧な表現に見えるので、真面目な依頼者ほどこういった表現を伝えることを避ける傾向にあります。
ですが、絵師さんにとっては極めて重要です。
細かい指定も重要ですが、この手の抽象的な表現は絵師さんにとって自由にできる範囲が増えることでもあり、細かい指定が多くなりがちな痛車のイラストにおいてはかなりモチベーションアップにも繋がります。
1から10までガチガチに指定された絵を描くのはつまらないですから。
④納期は余裕を持って
これは文字通りですが、ある意味一番重要なポイントでもあります。
納期に余裕があれば、より良いアイデアを練れたり、ラフを数枚描く時間もできますし、ディテールアップにじっくり取り組めます。
正直、「絵のクオリティ=納期の長さ」と言っても過言ではないと思います。
もし修正が発生した場合でも、対処する余裕があります。
ただ納期があまりに長いのも逆効果です。
絵師さんのスケジュールを押さえておきたいあまりに、1年後、半年後の納期を伝えるのは絵師さんのスケジュール管理に負担を与えます。
ここでもコミュニケーションを適度に取って依頼者、絵師ともに無理のないスケジュールで進めれるよう調整しましょう。
さいごに
痛車用のイラストを依頼する際にまず心に止めておいて欲しいことは、絵師さんにとって「痛車用のイラストは特殊な依頼」であるということです。
普段通り絵を描く以上に労力がいります。
印刷物のサイズが大きいので細かいところが目立ちますし、特殊な印刷技法を使う場合パーツ分けなど描く以外の作業も発生します。
そういったことを理解しておくことが依頼者にとっては特に重要です。
知っておくのと知らないのでは依頼の仕方やコミュニケーションの取り方も変わってきます。
最後に覚えておいて欲しいことは、”極端に遠慮しない”ということ。
あなたはお金を払って依頼しているわけですから、要望はきちんと余すことなく伝えましょう。
もちろん全部実現するのは難しいかもしれませんし、無理難題を吹っ掛けるのはトラブルの原因になります。
ですがこれは大事なことですので、心の片隅に是非置いておいてください。
今回もご精読ありがとうございました。
また次回お会いしましょう!