スタピの学校
月のステーションに人気のスタピ養成アカデミーがある。ここでは、トリトコスモスを脱出するための教育が行われている。どうしてもメゾコスモスに帰還したいスタピたちから人気で合格するのは150人中8人程度。だが、入学希望者は後を絶たない。
ここの入学試験はちょっとユニークで、生命の樹でいうと左右にブレず真っ直ぐに柱を降ろしていなければならない。
スンドメはどうしても今年は入試に合格したかったが、スンドメにはどうしても高いハードルがあった。
スンドメは地球を守るために生まれてきていて、決して自分からは責めない守りの古武術の達人だった。
だが、スンドメは真面目で努力家だったのと、イメージ力が半端なかった。それが仇となり、稽古で培った襲ってくる敵のイメージがゆがみを産んでしまったのだ。
どういうことかというと、意識は二極化する前のひとつ上のところ、落差がないところから発するのが好ましい。
ふつうの人だとわりと簡単に合格できるのだが、このふつうというのがツンにはいかんせん難しい。は
いい日になるなぁと思っているといい日になる。悪いことがスコトーマになって見えなくなるからだ。
なにもないというのは環境との自己同一化がなく、印象に振り回されないということなのだ。
スンドメはいい加減この癖に懲りたらしく、今年の受験対策は完璧にやろうとしていた。
同じく受験する妹も宗教的な難業苦行が身についていて、どうにか下座の行や奉仕ぐせを消して人生を謳歌したいと願っていた。
まず、兄妹で二極化を解消しようとするのだが、ふたりは重度の道具主義になっていて、訳もなくなんにもなくぼーっとするのが苦手だったのだ。
すると、宇宙のご主人さまがやってきて、ふたりにがんばって野原でぼーっと犬の散歩したり、海でぼーっと釣りをしたりして感じる心を助言した。
今では、がんばらなくてもぼーっとできる。
ふたりは上位コスモスの影響を受けとるための中心の性センターを真っ直ぐ調整することに成功したのだ。
スンドメは、笑福亭スン という名の地球のヒーローに改造されたのだ。