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東空荘の自戦記 その1

はじめに

本稿は雀魂界隈で知る人ぞ知る超マイナー競技、
東空ルールに関する戦術(?)記事です。ルールなどは以下を確認してね。

東空ルールで生き残るために一番大事なことは
ウマ・オカと配原ボーナスの重みをしっかりとしっておくこと!

このルールはとにかく持ち点25,000を維持し終局すれば、沈むことがない。

コラム1 ~浮きしろという考え方~

東空荘を生き残る上でとても大切な考え方が「浮きしろ」だ。
浮きしろとはオーラス出費しても25,000を割らないための余剰点数のこと。
※詳しくはむこうぶちを全巻チェックだ🔍どこかで一回だけ出てくるゾ!

これを東3終了時点でどの程度確保できているかによって、
オーラスの立ち回りの難易度がぐっと変わるのだ。

・Sラン ~33,000(8,000の浮きしろ)

満貫を振ってもクビが残る状態。とても強く戦える。
他家のクビ切りを狙ったり。

・Aラン ~28,900(3,900の浮きしろ)

割とよく現れる3,900を振っても耐えるので、そこそこ対副露には前に出れる。リーチに対してはあまり行くな。

・Bラン ~28,000(3,000の浮きしろ)

一人ノーテンや跳満ツモを耐えるのが嬉しい。
状況によっては序盤からオリが志向できるのが、このクラスのいい所

・Cラン ~27,000(2,000の浮きしろ)

満貫ツモを耐える。他の人の動向・点数次第では途中でオリが志向できる。


当然ながら東4局はクビの維持を目指して最善の努力をするよね。
そのために大事になるのが、そう!人生設計。
東3局は25,000ボーダーラインでなく、少しでも上のランクを目指すのだ。

ココが意識できていれば、自然と東3の現実的な立ち回りが見えてくる。
更に言えば、ココが意識できていれば、東1や東2で大きく加点することの重要さが感じれるはずだよ!

以上、コラム1~浮きしろ~でした。目指せ!Sラン出身生!

自戦記(何切る形式)

ココからは、僕が勝って突っ込みどころの少ない自戦より、何切る形式で自分語りしていくよ。どんな考えで打っているか?を知りたい人は読んでね。

採用した牌譜

雀魂牌譜: https://game.mahjongsoul.com/?paipu=jlkllq-0vw25zu6-4zec-6baf-ghci-idsuthsyvvoo_a800851172_2

第1図 東1の6sチーの是非

東1。かなりいい配牌をもらって4巡目。
上家の打6sに対してどうする?

~候補~
①スルー
②6sチー打56p
③6sチー打5s(47p聴牌)

~ソラの考え~

僕は①②を比較(※1)して、スルーの①を選択したよ。

①ルートで6種47p365s南受け入れの立直・西・赤の5200を目指した。
②の混一色へ直行は6種聴牌23456s南聴牌なんだけど、満足いく聴牌は
345sツモの3種だけだし、副露材も脆弱。明確に①に劣ると判断したんだ。

※1.比較検討は他家手番の間に済ませよう
こういうことは実際に上家から6sが出てから考えるのではダメで、
配牌を見た時点とか打東をして手番が回る間で想定しておいた方がいい!

ちなみに③は僕はダメだと思っている。(個人の感想です)
整って打点感もあるエリート配牌。これは2,000で終わらせず、浮きしろ確保のため高打点で仕上げたい。というのが僕の考え方なんだ。

第2図 東1の対先制立直の押し引き

下家から先制リーチを受け後手を踏んでしまった。
一発でつかんだのは両無筋&宣言牌周辺の6m。これをどうすべきか?

~候補~
①打6mプッシュ
②打6p あわよくばホンイツを狙う
③打南で回し打ち
④打西で完全撤退

~ソラの考え~

①打6mプッシュ。
所詮は1軒立直。
ココでオリては勝てるものも勝てない。
6mを押したうえ、4sまたは5sを勝負して追いかける覚悟で臨んだよ!

②打6pは典型的筋悪。これだけはやめたほうがいい。
こう進めちゃうと、和了のためには5p6mと強烈すぎる無筋を2種も押したうえで、さらに聴牌時に余剰する45sのいずれかを押す羽目になる。

③打南はちょっと中途半端。
④打西で完全撤退は弱腰が過ぎる。

第3図 東1の対2軒立直の押し引き

下家に続いて上家も立直してきて二軒立直の状況になった。
一発目に引いたのが6m。さてどうする?

~候補~
①打6mプッシュ
②打南で回し打ち
③打西で完全撤退

~ソラの考え~

①③は甲乙つけがたいと感じた。そのうえで③西でオリを選択。
6mそのものは1軒には通っているので、第2図と同じくらいの覚悟で押せるけど、問題はその後。ツモって来た牌を2軒に対してシャンテンプッシュし続けないといけないし、聴牌時に45sのいずれかを勝負しないといけない。

ドラ7pの所在も分からないし、わずかに①押しより③引きが勝ると感じた。

なお②の打南は優柔不断(※2)でやめたほうがいい。と個人的に思う。

シャンテン戻してる間に多分脇決着するので無駄なリスクを払っただけ。
仮に間に合ったとしても結局押す羽目になる6mまたは4s。

※2軒立直に回し打ちは無駄なリスクになりがち
1軒立直は長引くことが多々あるので回し打ちは良いと思うけど、
2軒立直は早期決着が多いので、押or引を決断したほうがいいことが多い。

第4図 東2の序盤何切る

純粋な平面何切るに近い問題。さあ何を切る?

~候補~
①打4m
②打4s
③打9s

~ソラの考え~

①の打4mを選択。
手牌の中で一番形の良い45mを信じ、フォローしない打4mが味良い。

②の打4sだけはやめたほうがいい。
ココで打4sとしてしまうと、索子の79sを使うことが確定してしまう。
この5ブロックではイマイチ戦えない。

③の打9sは②よりましだけど明確に①に劣る。
①を選んで8s引きは平和系イーシャンテンだが、
③を選んで24m引きはまだリャンシャンテン。というのが優劣の理由。

※手牌の中で強い(形のいい)部分にはフォローはいらない。
他のターツの歓声に手間取っている間に勝手に埋まっていくし、
そもそも、その箇所が待ちになってもいいのだから。

第5図 東3の序盤何切る

ぼんやりとした手。3,900浮いてる状態の東3親番。重要な何切る。

~候補~
①打5m
②打9m
③打3p
④打9s

~ソラの考え~<前提>
この親番は無事局が流れれば浮きしろAラン生なので、自分が和了するか横移動決着が望ましい。とはいえ、あまり防御重視に進めるのもどうか。
この局はドラ6mとはいえ、小場となる可能性が割とある。
基本的に配給原点に近い人(上家と対面)が2人いるというのがその理由。
1~2副露くらいして前に出るくらい、許されるだろう。ゴーゴー!

※.こういうことは第1ツモの時点である程度考えておこう。

~ソラの考え~

この手はトイツが3つあるため「メンゼン3ヘッド最弱理論」を適用する。
④の打9sが一番自然。
3トイツの中ではタンヤオ進行が見込め、かつ、すでに場に一枚枯れ。

①の打5mは将来赤5mが飛び出るリスクがあり嫌。
②の打9mの8m4枚ロスは現時点痛すぎる。
③の打3pは一番ダメ。
愚形が多いこの手でターツを確定させる方向に打牌選択するのは、いい結果を生まなさそう。

「メンゼン3ヘッド最弱理論」
メンゼン手の場合、トイツが3つある状態は弱い。
1トイツ→2トイツ(AとBがトイツ)の場合、有効牌はA2とB2の計4牌増える。
しかし2トイツ→3トイツにしても有効牌はC2の2牌しか増えない。

メンゼンの場合、トイツは2つまで!と覚えよう。
なお、副露手の場合は3方向からポンができるのでその限りではない。

第6図 東3の中盤戦打牌

好形変化となる5pを引き入れて、さあどうする?

~候補~
①打5m
②打8p

~ソラの考え~

①打5mを選択。68pが両面に変化した今こそ一刻も早く手放すべき。
手拍子の②打8pは緩着で、このルールでは特に致命傷になりかねない。
※このルールではと書いたけど、段位やフリー麻雀でも打5mが良いと思う。

ドラ表5mはあくまでカン68pの振り替わり用の攻撃的余剰牌。
もう10巡目、58sの薄さにやや不安を感じるかもしれないが、ここから手組を替えていく構想は能天気に過ぎる。

※攻撃的余剰牌
1段目は積極的に持とう。
2段目前半は著しい打点上昇効果や好形変化が望めるなら持とう。
2段目後半以降は持つな。決断しよう。
…意図不明瞭な甘えた余剰牌は後半あなたを殺すデス牌になる。


5mを無事処理し、和了成功!

第7図 東4の聴牌

聴牌したけど、さあどうしよう?

~候補~
①打赤5s立直
②打赤5sダマ
③打5pオリ

~ソラの考え~<前提>
みんながこの局で何をしたいのか、想いを馳せてみよう。
・下家→とにかく連荘したい。
・対面→トップ(僕)を捲りたい。そのため満貫か3900直を作ってる。
・下家→下家(3着)を捲りたい。3900直か7700か1000-2000ツモりたい。

ちゃんと周りを見ていれば、このくらいのことは対局中にわかる。

~ソラの考え~

③のオリを選択。ココで①②打赤5sは暴挙。
・理由1.もしも上家のタンヤオトイトイに赤で刺さればトップ陥落する。
※上家は2副露して赤5pまで切っている。とすれば3着浮上条件を整えてる。そこに赤で放銃すれば7700は間違いなくある。
そして手格好的にタンヤオトイトイ。5sによるトイトイは十分ありうる。

・理由2.下家の親に甘い打牌をして連荘させるべきではない。
下家は10巡目~11巡目に一気に打2s8sとして索子を中央に絞り込んでる。
カン5sで刺さることもあるし、刺さらなくてもこの5sを活用される恐れがある。自重して対面が満貫を上がらないことを祈るのみ。

あとがき

正直、ある程度のレベルに到達している雀士にとってはあたりまえ、基本的で退屈な内容だったかもしれない。まあどうせこれ雀聖以上読まないしょ。

麻雀というゲームは確率上の揺らぎによって観測しにくくなっているもの、当たり前の判断の積み重ねが、打数を重ねれば確実に反映される。

東空荘は団体の私設リーグと違って、
1シーズンに100戦近く積み重ねていくことになる。
ココは、一時の運・突風だけでは勝ちきれない。

上位になるためには、
勝つために必要なことに一所懸命考えを巡らし、それを積み重ねるんだ。

名人に名手なし。という格言がある。
奇抜で天才的な発想はないが、優れた方針により淡々と地味に手作りする。そんな打ち手になりたいと僕は思うよ。

おしまい!好評かつやる気になったら、またやるかも。


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