日記 #君は強いから
私の親友は私が今まで出会った人の中で一番優しくて、一番性格がいい。
親友力も高い。私が「ん?」となることを言わないし、他人を傷つけることもしない。困っている人がいたら誰よりも先に動いて、全員に平等に優しい。そんな、主人公みたいな人。
そんな彼女が死にたくなるのは、自分の存在意義がなくなったとき。自然の中で、崖から海に飛び降りて死にたい、遺体が見つかっても見つからなくてもいい。遺書なんか残さないから、いつの間にかいなくなってたら死んだと思ってほしい、と。
彼女らしいなあ。
常に誰かのために生きているあなただから、他人のことを考えすぎてしんどくなる日もあるよね。私が生きている限りあなたの生存意義がなくなることなんてないのだけれど、それさえも気がつけないほどに疲れきってしまう日もあると思う。
どれだけ仲良くなった人でも、初めましてと同じくらい気を使えて大事にできるあなただから、あなたがその決断をしたときに私を傷つけることも悲しませることも全部わかってて、何も言わずにこの世を去るのでしょう。そんな私を見たくないから。
ねえ、嫌だよ。せめて最後にお別れさせてよ。ちゃんと、私に会っても揺るがないくらいの覚悟をもって最期を迎えてよ。
自然の崖なんて近所にないんだから、きっと新幹線か何かに乗って行くのでしょう。ならその道中私も連れてって。たくさん思い出話しようよ。この世のいいこと数えて、悪いことは考えないようにして、ちゃんと終わりにしよう。私引き止めないから。
持論だし、この手の話に一般論なんてないから、きっと人によって考え方は違うのだろうけど。
本当に死にたいとき、「死なないで」と言われたら、余計に逃げ出したくなってしまうのを知っているから言いたくない。本当にその時が来たら私は引き止められないから、背中を押してしまう気がするから、迷っているなら他の人に相談してね。
でも今はまだ、そのときじゃないでしょう。
10分後には笑えなくなっているかもしれない。その決断をあなたは勝手に下しているかもしれない。それでも今この瞬間は、自殺の想像をして笑っているうちはまだ冗談でいてくれるのでしょう。
今なら言えるわ。
「勝手に死なないで。私の大事な人なんだから、勝手にいなくならないで。」
あなたは強い人だから、きっと大丈夫。周りに人がいるうちはきっとあなたは生きていける。たまに疲れてしまうこともあると思う。そのときは私を頼ってね。
日々猛スピードで成長しているあなただから、日に日に強くなっていくけれど。無理に頑張る必要も、強くなる必要もないんだよ。弱いままでもいいんだよ。
強いあなたのために私にできることといえば、あなたの弱さと脆さを引き出すことくらいだからね。