苦味と共に感じる大人への階段
私は味のしない炭酸が苦手だった。
だって、苦くてただ喉をカッと熱くさせるだけだから。
目尻にシワがよる。
だから、甘いシュワっとする炭酸は好きだった。
私はサワー系のお酒ばかりを頼んでいた。
ある時焼き鳥が人気の居酒屋に足を運んだ時、
コップに入った焼酎と、瓶に分かれた炭酸を渡された。
こういうものもあるんだなと胸が躍った。
焼き鳥にはやっぱり、炭酸が合う。
なぜだか知らないがビンの方を口に合わせてみると、
焼き鳥の油をすっと包み込んでくれた。
そのほろ苦さがとても気持ちよかった。
その後、わたしは炭酸水に興味を持った。
レモン味や、グレープフルーツ味の炭酸水。
その中でもあのほろ苦さを感じたくて、
無味の炭酸水を探し始めた。
毎回飲みに行けないから、
お家で作るご飯にはさっぱりした喉越しが欲しくなる。
あぁ、やっぱりこれだと。
家でもその炭酸に心踊らされた。
お酒を一時やめようと思えた時期は、
苦めの炭酸水で心踊らされた。
私の一日の疲れを癒してくれた。
酔ったような錯覚を作ってくれるこの炭酸水に、
私は救われてたなぁ。
今日もお世話になります。炭酸水先生。