日記10 〜誕生日とセボンスター〜
こないだ誕生日を迎え、また一つ年齢を重ねてしまった。
小学生の頃には、この歳になったら結婚をして子供を育てて…と漠然と思い描いていたが、実際は結婚も子育ても程遠い日常を送っている。
精神的に幼いのを自負しているので、子育てなんてできる自信がない。世のお母様・お父様方には尊敬の念しかない。子供は好きなので、尚更思う。
そもそもオタ活が充実しすぎて恋愛に興味がなくなっているので、結婚もしばらくできないだろう。先日も登録したマッチングアプリを3日で退会した。メッセージのやり取りは誰とも発生しなかった。
そんな残念な私だが、誕生日当日に「自分にプレゼントを買ってやろう」と思い立った。
普段使いできそうなアクセサリーの購入や財布の買い替え、自分を労わるための少し良いハンドクリームの購入などいろいろ検討した。
花束を買ってみるのもいいかもしれないな。お高いチョコレートとか買ってみようか?など散々考えたのだが、どれも買わなかった。
結局私は近所のスーパーで、気になっていたけれど買ったことのないデザートやお菓子、そしてお菓子売り場で一番心がときめいたセボンスターを一個購入した。
セボンスターなんて買ったの、幼稚園以来だと思う。あの頃と同じピンク色の箱を開ける瞬間は、昔と変わらず心が躍った。
中にはラメで輝いているエメラルドグリーンの鍵モチーフのネックレスが入っていた。チェーンの長さは大人には少し短かったが、付けるだけなら特に問題はなかった。(外すのは少し苦戦したが)
鍵モチーフのネックレスというのは、いくつになっても心ときめくものだ。ふと、むかし祖母がショッピングモール内の駄菓子屋で買ってくれた、ハートの鍵モチーフのネックレスの存在を思い出した。
その日は千と千尋の神隠しを観に行った帰りだった。直近に観た映画やドラマ、読んだ本にすぐ感化されていた私は「このネックレスを付けたら異世界に行ってしまうんだ!」と脳内で妄想を繰り広げていた。
実際に異世界へ迷い込むレベルのピンチが訪れたら、ビビって一歩も動けなくなるような子供だった。けれど、脳内ではいつでも簡単にヒロインになれた。ヒーローにだってなれた。とにかく夢見がちだった。
あの頃に比べたら随分現実が見えるようになってしまったが、まだもう少し、のんびりゆっくり夢を見て生きてもいいかもしれない。
あの頃の気持ちを思い出させてくれてありがとう、セボンスター。今度もう一個だけ買ってみるね。
【追記】
こんなnoteを書いていたら、友人が誕生日プレゼントに魔法少女が使っていそうな可愛いリップをくれた。とても嬉しい。