＃19 季節外れの恋？ モンモとハク
🐵同い年の２人✨
まずは今回の主役からご紹介します。
１人目はメスの『モンモ』
彼女は今年(６月17日)12歳になります。
モンモは生まれつき両手足が短いので、他のサルと比較すると移動に時間がかかりますが、毎日群れのみんなと一緒に行動し、もちろん秋の山籠もり(遠征)にも参加します。
管理室の出入口前に居ることが多いので、こっそりおやつを貰うこともありますが、ご飯の時間は屋根まで上がって他のサル達と一緒に食べています。
２人目はオスの『ハク』
彼も今年(８月)12歳になります。
公表されていないので群れでの順位は分かりませんが、個人的には中堅的なポジションなのかな？と思っています。
🐵仲良しな２人✨
2024年５月１日
２人がハグをしているのを見かけたのですが、撮影を始める前に離れてしまいました。
ギュッとハグをしていましたが、常にべったりくっついている様子はなかったので、この時の２人には『熱愛中』の雰囲気は感じませんでした。
ちなみに、この日(5/1)モンキーセンターでは、今年最初の赤ちゃんをネーネが出産。
長かったサル達の恋の季節は終わり、いよいよ本格的な出産シーズンに入りました。
チビカクと息子(5/4生まれ)
2024年５月12日
モンモとハクは、楽園のベンチで仲良く毛づくろいをしていました。
40分後
様子を見に行くと、今度はモンモがハクの毛づくろい。
この日も特に親密な様子は見られなかったので、仲良しコンビで知られている『ポコと太郎』のような『恋愛対象ではないが、日常的に仲の良い関係』だと思っていました。
寝転んでいるポコ と カメラ目線の太郎
🐵『全淡路ザル好きが泣いた！』
淡路島モンキーセンターの様子は、24時間YouTubeでライブ配信されています。
2024年５月29日
YouTubeライブ配信中『全淡路ザル好きが泣いた！』と表現しても良いくらいの感動的なシーンが目撃されました。
12時過ぎ
画面に映るカッコン付近には数人のサルが居て、そこにはモンモとハクも居ました。
ハクがモンモの近くに転がった大豆を拾おうとしたその時、何か異変を感じたサル達が一斉に山の方へ逃げ始めました。
すると、騒ぎに驚いたのかモンモはすぐ傍に居たハクにギュッと抱き着いたのです。
抱き着かれたハクはそのまま仁王立ち状態で周囲を確認すると、彼女を抱いたままカッコン横の石垣を上がろうとジャンプしたのです！
残念ながら、モンモを抱いたまま石垣を上がることはできませんでしたが、ハクがモンモを連れて逃げようとしたことに、私を含めライブ配信を見ていた多くの淡路ザル好きの皆さんも感動。
その後、チャット欄には多くのコメントが投稿されていました。
体力のあるオスが子ザルやメスを助けるような姿を見るだけでもジーンとしますが、今回は相手がモンモだったこともあり『協力しあう・助け合う』といった『淡路ザルの寛容性』をより強く感じられたので、多くの人が感動したのではないかと思います。
2024年６月１日
夕方、餌場がザワザワした時に、再びハクがモンモをバックハグして守る姿がYouTubeライブ配信に映っていました。
２度も感動的なシーンを見てしまうと、やはりこの２人の関係が気になります。
翌日、２人の様子を観察することにしました。
🐵とっても仲良しな２人💖
2024年６月２日
15時30分頃
YouTubeカメラには映らない、餌場の上の方で(山の中)ハクがモンモの毛づくろいをしていました。
※見学できる場所からズームで撮影しているので、画像が荒く見え辛いです
モンモは寝転んでいます
15時38分
毛づくろいを終えて、まったりしている２人。
くつろぐ２人の距離感を見ると、恋の季節のような良い雰囲気に見えます。
まったり状態が続きそうなので、撮影を止めて様子を見ることに。
15時43分
慣れた感じでモンモがハクの方を向いたと思ったら・・・
これは・・・恋ですな✨
15時52分
しばらくハグをしていましたが、もうすぐ夕方のご飯(エサやり)の時間だからでしょうか。
ハクが見学スペースまで降りてきました。
モンモは動かず(矢印)
ハクはモンモを待っていたようですが、モンモはハクを見るだけで動きません。
ハクを見るモンモ(矢印)
どうやらモンモはハクに戻ってきて欲しいようです。
合図を送るようにチラッとハクに視線を向けると、左方向に動き始めました。
彼女が動き始めると、すぐにハクがモンモの元に向かいます。
すぐに動き出したハク
ゆっくり歩いて彼女の元へ。
ハクが戻ってくると確信したモンモは、先ほどの場所から少し移動しただけで彼を待っていました。
15時53分
到着すると、またモンモの毛づくろいを始めたハク。
３分程で毛づくろいは終わり、２人共まったりしながらポリポリ体を掻いていると思っていたら
あれ？
そんな急に？？
15時57分
交尾のような行動が見られました。
モンモは動かず(白矢印)
15時59分
夕方のご飯(エサやり)が近づき、周りのサル達のフードコールが大きくなってきました。
ハク
みんなのフードコールが聞こえます。
ハク
お腹が空いているのか、モンモと管理室の方向を交互に見てソワソワしているようなハク。
一方のモンモはその場から動かないものの、ハクのことは気になるようで時々チラッと彼を見ています。
もちろんハク💖
モンモは時々「クゥー」と恋鳴きのような声を出しています。
どうやらまだご飯の気分ではないようで、またハクに戻ってきて欲しいようです。
優しいハク(赤矢印)
16時１分
モンモの元に戻り、また毛づくろいを始めたハク。
何かに驚いたのか、急にモンモがハクの方に体を向けました。
「ママ見てー、あのおサルさん抱っこしてるー！」(リアルな発言です)
お子様連れのファミリーにも、しっかり目撃されていました。
16時３分
再び、交尾のような行動が。
この直後、ハクが移動してくると「ザザーッ」とセンター長さんがご飯(エサ)を撒く音が聞こえてきました。
ご飯(エサ)を撒く音に反応して、山の奥から急いで戻ってくる子ザルもいますが、モンモはまだ動く気持ちにならないようです。
動かないモンモ(赤矢印)
ハクは１分ほど彼女を待っていましたが、空腹に耐えかねたのか、先に餌場に向かおうとしました。
ハクが動き出した瞬間「グゥギャッ」とモンモの叫ぶような声が聞こえました。
ザワザワした中でも彼女の声は分かるようです。
降りる為に伸ばしたハクの両手の動きが止まり、そのまま振り向きモンモを見ます。
この時、温厚に見えていたハクの動作の中に、一瞬だけ怒りを感じました。
しかし、ハクはすぐその場に座り、モンモが動くのを待ち始めました。
16時４分
モンモがハクの方に向かって歩き始めました。
ハクは彼女が降りてくるのを見守っています。
モンモが到着すると、ハクが先にご飯を食べに行きました。
後を追うように、モンモもご飯を食べに行きます。
階段付きの小屋の上に向かいました
🐵ただの恋愛関係ではなさそう
16時44分
ご飯を食べ終えた２人はYouTubeライブ配信にしっかり映る場所にいました。
おすそ分けを待つモンモ(左)
おこぼれを狙うシカ(右)
ハクがカッコンをしている間、付き添うように傍に居たモンモ。
落ちた大豆をおすそ分けしてもらっていたら、鹿が近づいてきてびっくり！
YouTubeライブ配信が
盛り上がったシーンです
「モンモ、落ち着いて。傍にいるからね」(推測です)
ハクはモンモを数秒だけ抱きしめると、すぐにカッコンを再開しました。
鹿の頭を 右手で軽くペシッ
ハクが落とした大豆はモンモが食べていたのですが、鹿は彼女にもスリスリ攻撃を続けます。
モンモが「キュッ」と小さく鳴きました。
鳴きながらピョンッとハクの元にジャンプ。
素敵なシーンなのでコマ送りで・・・
気にせず食べる鹿！
「モンモ、怖かったね。でも大丈夫だよ！」(推測です)
また、数秒だけ抱きしめます。
鹿のスリスリも再開
恋愛モードの時のハグは長めなのに、鹿から守る時のハグは数秒だけ。
まるで親が我が子を守る時のようなハグに見えます。
ほとんどのオスは４～５歳で群れを出るようですが、ハクは12年間ずっとこの群れで過ごしています。
２人は同い年なので、もしかしたら幼なじみで、子どもの時からハクがモンモを守ってきたのかもしれませんね。
ちなみに、２日後の
2024年６月４日の２人はこんな感じでした。
今回は淡路ザル達の恋愛模様だけではなく、彼らの特徴でもある『寛容性の高さ』を感じられる観察にもなりました。
淡路島モンキーセンターの情報は、ホームページでご確認ください
淡路島モンキーセンター Instagram
sora.11sora Instagram