#24 ハナレ猿がやってきた!ちびっ子達は大興奮⁈ 愛すべきハナレ猿
群れのサル達は遠足に
2024年10月
群れのサル達が『毎年恒例🌰秋の遠足』に出かけている為、淡路島モンキーセンターは、ほぼ毎日臨時休園の状態です。
群れのサル達が立ち寄る日もありますが、2~3時間ほどエサ場に居れば良い方で、スタッフさん達に顔を見せてエサを少しもらうと、あっという間に山に帰ってしまうこともあるそうです。
前回の投稿(#23)で書きましたが、群れのサル達が不在のエサ場には、時々『ハナレ猿』と呼ばれるオス猿がやってきます。
ほとんどのハナレ猿はモンキーセンター出身のオスだと思いますが、独りで来ることもあれば、数人一緒にやってくることもあります。
ちょっとだけハナレ猿をご紹介
ハナレ猿には、前回登場した『シミ』のように名前の付いているサルもいますが、大半は名前が無いようです。
頻繁にエサ場にやってくるようになると名前が付くようです。
とてもカッコいい名前を付けてもらったのは『ジョー』
11代目リーダー『ジョニー』の晩年、彼と一緒にいることが多かったので
『ジョー』と名付けられたと聞きました。
ハナレ猿は群れのサル達よりも警戒心が強いのですが、もちろんリラックスしている時もあります。
そういえば『ハナレ猿は群れのメスにモテる』と聞いたことがあります。
恋の季節(発情期)になると、深夜のエサ場でハナレ猿とメスがカッコンデートをしている姿がYouTubeライブ配信に映ることがあります。
見慣れないハナレ猿の方が、ワイルドで魅力的に感じるのでしょうか。
こちらは前回(#23)に登場した『シミ』
ちなみに、このあとメスが山の中に向かうと、シミはゆっくりと後を追っていました。
今年ももうすぐ恋の季節が始まるので、ハナレとメスの恋愛事情も気になります。
次は『フタエ』
瞼が二重なので『フタエ』と名付けられたそうです。
余談ですが、群れ・ハナレ関係なく、YouTubeのライブ配信を見ている熱心なファンの中には、カッコン時の姿勢や紐の引き方を画面越しに見て、サル達の識別をされる方も存在するようです。
ということで、フタエの『カッコン』を観察してみました。
①まずは左手で軽く紐を引き
②素速く右手に持ち変える
③右手を離すと同時に、左手に持ち変え
④落ちてくる大豆を右手でキャッチしようと 頑張ってみる!
これはあくまでも、この時の基本パターンなので、観察中にも右手から引くこともありました。
紐の引き方には個性があって、紐を両手で引いたり、右手で引くと同時に左手がぴょこんと上がる癖があったり、落ちてくる大豆を口を開けて直接食べようとするサルもいます。
カッコンをしているサルを観察して、個性を見つけるのも楽しいと思います。
話を戻します。
ハナレ猿の中には「モンキーセンター出身」と分かっているサルもいます。
彼の名前は『マツ』
『マツ』は、私がモンキーセンターへ通うようになったキッカケでもある
『ドングリさん』の息子です (詳細は#2をご一読ください)
モンキーセンターでは、いずれ群れを離れることになるオスには名前を付けないことがほとんどですが『マツ』はタレ目が特徴だったドングリさんの息子なので名前が付いているそうです。
成長しても顔の特徴から識別しやすいうえ、群れから離れたあとも、群れが不在の時にエサ場に立ち寄ることが多いようです。
マツとコダマ
今から5か月ほど前の出来事です。
2024年5月27日 閉園時間が迫る17時前
サル文字広場の方から、子ザル達が騒いでいる甲高い声が聞こえてきました。
急いで撮影の為にスマホを用意すると、広場から『コダマ』がやってきました。
『コダマ』は今年1歳になった男の子です。
階段の上をチラチラ見ながら、ぴょんぴょんと飛び跳ねるように急いで私の前を通り抜けていきます。
それでは、気になる階段の上を見てみましょう。
ちょっと拡大してみます。
階段の上にどっしり座って山の方を見てるのは『マツ』でした。
ここに座る直前に木に登って、木をゆさゆさと揺らし「ワイは強いんやでー」とアピールをしていました。
それを間近で見ていた、コダマ含むちびっ子達が「なんや?なんや?」と騒いでいたのです。
慌てて逃げたコダマは、管理室の入口からマツを見ています。
屋根上のマツを、少し距離のある安全な場所からコダマが気にして見続けていたのが印象的なシーンでした。
ハナレ猿はちびっ子達の憧れ⁈
2024年6月18日 17時前。
この日も群れの中心メンバー達(上位猿)は、すでに山へ帰っていきました。
エサ場に残っているのは、順位が低いと思われるサルや、1~3歳くらいの男の子達『やんちゃボーイズ』が数人だったと思います。
管理室の方を向いていた私の背中側から、急に子ども達の「キュゥキュゥ」と、甲高い声が聞こえてきました。
母親に甘えている声でもないし、すごい危険を感じているようでもない。
しかし、あまり聞いたことのない独特な声と、ちびっ子達がザワザワしている雰囲気です。
振り返ってみると・・・
立ち上がって隣の屋根上を見上げているのは今年1歳の男の子。
手前に座って同じ方向を見ているのは、先程のコダマです。
他にも裏の芝生広場方面から、こちらに来ようとしている子もいます。
立ち上がって見ていた男の子は「キュゥキュゥ」声を出し、屋根上をチラチラ見ながら管理室方面に急いで逃げています。
芝生広場から戻ってきた子も、柵の下をくぐり、チラッと屋根上を見上げると、そのままダッシュで山の方へ逃げていきました。
コダマは、逃げる男の子の勢いに押されるように管理室方向に後退り。
サル達は見慣れない物を見ると「なんや?なんや?」と騒ぎ出すことがあると聞いたことがあります。
淡路ザルのYouTubeチャンネルにも『謎のミミズク』という動画があります。
ちびっ子達のザワザワの雰囲気は、このミミズク登場の時に似ていました。
この日、コダマ達が見上げていたのは
屋根上でライオンキングのように座り、山に帰っていく群れのサル達を見ていたのは、今回も『マツ』でした。
マツは静かに座って周囲を見回していたのですが、そのマツをジッと見つめていたのは『コダマ』です。
他のちびっ子達は、もう少し遠くまで逃げているのに、コダマは先ほど見上げていた場所から3mほど離れたところからマツを見ています。
騒ぐちびっ子達を心配したのか、まだエサ場にいた群れのオス(順位は低い)が動き出すとマツはエサやり小屋の屋根上に跳び移りました。
マツは管理室の上へ移動します。
なぜか、コダマも釣られるように同じ方向に駆け出します。
「ドドンドンッ」
マツが勢いよく屋根上を移動する音と、屋根上に居た子ザルの「ギャー」と鳴く声がエサ場に響きます。
マツと同じ方向に駆け出してしまったコダマも、他のちびっ子達の元に急ぎます。
このまま、コダマ達は山に帰っていきました。
マツも「エサ場に来るのが少し早かった」と判断したのか、姿が見えなくなりました。
閉園時間になったので、直後に私もエサ場を離れましたが、さっきの光景を思い出すと、他のちびっ子達と比べるとコダマはマツをじっくりと見ていたように感じました。
「あれ?もしかして親戚のおじさんだからかな??」
『マツ』はドングリさんの息子です。
『コダマ』はドングリさんの孫の息子
つまり『ドングリさんの曾孫』です。
遠縁ではあるけれど、家系で考えると親戚関係の2人。
マツはコダマが生まれた時には群れから離れているので、親戚であるという自覚は無いと思いますが、これまでのコダマの行動を見ていると「もしかして?」とつい期待してしまいます。
今回は『マツ』でしたが、ちびっ子達は他のハナレ猿が登場した時にも同じようにザワザワ騒いでいました。
少し怖がりながらも、キラキラした目でハナレ猿を追う姿は、憧れの『ヒーロー』が登場したかのようです。
男の子達は、いずれ群れから離れていきます。(出ていかないオスもいますが)
独りでカッコよく登場するオス猿を見ると、本能的に「わっ!カッコいい!」と憧れの気持ちを抱くのかな?と思うと
ザワザワと騒ぐ男の子達が、より一層かわいく見えてきました。
本音を言えば、センターで生れた男の子達には、ずっと群れに居て欲しいですが、ハナレ猿になったとしても、きっと姿は見せてくれるはず。(願望です)
どんな大人に成長して現れるのかな?という楽しみもあります。
そして今、ハナレ猿として暮らしているオス達が群れに戻る可能性もあるので、ハナレ猿達の今後も気になるところです。
※毎年のことですが、9月から11月中旬はサル達が山奥へ移動してしまうので、ほぼ休園状態になります。
11月中旬以降に来園を検討されている方も、淡路島モンキーセンターのホームページで状況を確認したり、モンキーセンターへ電話で確認されることをお勧めします。
淡路島モンキーセンター
電話 0799-29-0112
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