【短編小説】Manhattan

薄暗くなった仕事帰り
気になってたバーに立ち寄る
今日はマンハッタンで
今までの後悔を心に刻む

『こんなはずじゃなかったな、』
もっと華々しく歩むはずだったのに。

批判を受けたくてこの道を選んだんじゃない。
私だって精一杯だった。って言い訳したい。
今思えばもっと違う方法もあったとわかる。

今わかってもその時は考えつかなかったんだよな。
もっといい大学行けるように勉強しとけば。
もっとしっかり就職活動やっておけば。

『もう今考えたってしょうがないんだけど。』

所属しながら違う環境にチャレンジできる制度がどの会社でも誰にでも普及すればいいのに。
・・・みんな自分の名前で戦えばいいのに。

(沁みるなあ)
マンハッタンのせいなのか胸の痛みなのか
痛いほど体に沁みてくる

でもファーストキャリアにあの仕事を選んだのは正解だった。
あの時、精一杯仕事してよかった。

いつか、家庭の平和を選んだ私に幸あれ

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志音里
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