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【短編小説】 ガジュマル/フィカス

ふらっと、いつもの帰り道の植物の店に小さな木が売っている。

そういえば・・

『今日も終わったね〜!!これから飲みにでも行こうか』
『いいですね!どこ行きます?渋谷??』
『誰か誘います?アプリで暇な人いるっぽい!』

『へえ、この人プログラマーだって!かっこよさげじゃん?』
『時間決めて、とりあえずこの人にしますか!?』
『そうしよ!二次会は誘われても一旦なしでw 
あ、今から来れるってw』
『じゃあ、会場はあの角のお店にしてもらおう』

学生の時、アルバイト先の先輩と友達と一緒に飲みに行ったなあ。
今ではもう、そうやって遊ぶこともなくなったけど。

みんな地元に帰ったり結婚して子供がいたり。

地元から離れた東京は、まぶしくて。
いろんな人との出会いがあって、別れがあって。

卒業で地元に戻るひともいれば、留まる人もいて。

2年目の冬、すっかり暗くなった帰り道、
閉店前の植物店の灯りがあたたかく
小さなガジュマルの葉に沖縄出身の先輩との思い出が照らされていた。

いつか、また会えたらいいな。

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志音里
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