ヘベレケ日記: カティサークというお酒 - 後日談
皆さまごきげん酔う。
今宵はどんな1杯をお楽しみでしょうか。
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お久しぶりでございます
少し時間が空きましたが、カティサークごりごり連載の続きを思い付いた(?)ので、重要な情報として「プラス1・後日談」をしたためめようと思います。
過去記事はこちらから
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衝撃のニュース #1
快速帆船(クリッパー)として活躍したCutty Sark号は、その役目を終えた後、英国グリニッジ天文台に本物が展示されているということは、連載第2回に記載しました。
ところがそのままハイめでたし、とはいかなかった。
それは2007年5月。驚愕のニュースが舞い込みます。
火事……!
貴重な貴重なカティサーク号は、甲板を焼失。金額にして約1000万ポンド(約18億円)の損害を出したという大きな火事に見舞われました。この燃え上がる写真を見ただけでも愕然としてしまいますが、原因は放置された掃除機という公式発表があり、放火の疑いはないとされました。燃え上がる様子は、当時テレビで生中継されたそうです。
不幸中の幸いだったのは、そもそも大規模な修復工事プロジェクトが進行中だったため、帆などが全て取り外されていたこと。燃えやすい取り付け品は撤去されて他の場所で保管されていたため、被害は最悪ではありませんでした。鉄製の骨組みはなんとか生き残り、再使用可能と判断されました。
火事というのは、本当に全てなくなってしまいますから、工事中で取り外されていたものが多かったと言うのは本当にラッキーでした。そもそも掃除機が放置されたことも、修復工事中であったゆえということになるでしょう。
再び立ち上がるカティサーク号
Royal Museums Greenwich(グリニッジ王立美術館)の発表では、それまで誇りとされてきた「進水当時の船体のまま」という保存状態が、火災後も90%がオリジナルであるということで、人々を(ある程度)安心させました。(これだけ燃えても90%残っているっていうのが不思議ですが笑)
この火事のために公開を中止し、ひたすら修復工事が行われましたが、当初の目論見よりも1年半遅れ、およそ6年の時を経て2012年4月に一般公開が再開されました。
保存プロジェクトでは、これ以上腐敗が進まないように特殊な塗装システムが施され、木製の船体の板を固め、船体を均一に支えるために支柱と岸壁を交換、その他の多くの部品も交換されました。さらに、船体を保護するためにガラスの屋根を設置し、船体下部を風雨から保護する処理がされました。
以前は船内に事務所や作業場があったり、1950年代にデッキと階段が追加されていましたが、これらはすべて撤去され、イベントスペースを新たに設置。また、車椅子で乗船・見学できるようにもなりました。船内にはカフェ、スタジオシアターがあり、ワークショップやファミリーイベントのプログラムも。「これらはすべて、訪れる人が何度も足を運ぶ理由となり、古い船に新しい命を吹き込むことになる」(グリニッジ王立美術館公式ホームページより)とのこと。
はああ、よかった…!
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衝撃のニュース #2
しかし我らがカティサーク号は、これだけでは終わらない。
再開して2年後の2014年、再び火事に見舞われます。
もう、何やってんの…!!
この2度目の火事は、2007年と違い小火(ぼや)だったようで、前回の大焼失をきっかけに緊急事態対応計画を策定した地元消防隊の迅速な対応により、1時間以内に素早く(?)消火されたとのこと。船体は一部が損傷しましたが、この時は公開中止までとはならずに済みました。
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勘弁してよナニーちゃん
いやもう、歯痒いったらありゃしない。。
実に危なっかしいアバズレちゃんです。いくらタムさんを取り逃して悔しいと言ったって、燃えすぎ。。。でも本当に、多くのものが残っている状態で良かった…。歴史的なアイコンを火事などで失うのは本当にやりきれないですから。そして、前回の火事も教訓になっているようで、何よりです。よかったよかった…。
これからも、ぜひとも元気なアバズレ女でいていただきたい。
一般公開で多くの人にその栄光をつたえられる恩恵と、放火などの危険性とのジレンマかもしれませんが、短いシミーズを着た魔女ナニーはしぶといヤツだと信じたい。いつか私も見に行きたいんですから、そこにいてくれなければ困ります!!
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今回は、「帆船カティサーク号・その後」のお話でした。
まさか最近のカティサーク、”スモーキー”な味になってないよね。?
snoop-kのヘベレケ日記、今回はこの辺で。
また次のグラスでお会いしましょう。酔い1日を!