ヘベレケ日記: カティサークというお酒③
皆さまごきげん酔う。
今宵はどんな1杯をお楽しみでしょうか。
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またお会いしましたね
カティサークを掘り下げてはや3回目になりました。
過去記事はこちら:
ここで続報をお伝えします
大変ありがたいことに、記事を読んだ方からさらに情報を頂いたりしています。
前回ご好評をいただいた、「cutty sark=短いシミーズ」が転じてウイスキーの名称になった、という点には、”男性目線”が潜んでいる、という分析をご紹介:
そうだそういえば、英語で船のことは「she」で表します。
…そんなこと言われたら、辞書引くしかないじゃないですか。
いやー、面白い。なるほどです。
ここまで来るともう、Cutty Sarkってとんでもない名前だなって思えてきます。我々は普段、照明を落とした渋いオーセンティックなバーで、気取って「アバズレ女」「アバズレ女」って連呼してるってこです(笑)。この投稿でも、一体何回アバズレ発言をしているのか。。。(ちなみにタム・オ・シャンターの中の魔女の名前は「ナニー」とされていますが)
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船首は鬼瓦
もう一つ、ナルホドな情報もいただきました。
…という興味深いコメントをいただいたので、「船首像」について少し調べてみたのですが、どうやら船首像には、宗教的な安全祈願の意味と、航行の見張り役の「目」の役割をしてくれるような意味合いがあって付けられる風習があったようです。船の守り神みたいな意味合いで設置されるのですね。
それにしても、「船首像」でググるとそれだけで上位にカティサークのことが出てきます。それだけカティサークが“船”として象徴的な存在と受け取れます。当時、どの船が一番早く荷物を運べるか、大変なレースだったようなので、このカティサークを取り巻く人々の期待や興奮は相当なものだったのだろうと想像できます。
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たった2語。
ほんの2つの単語を冠する1本のボトルから、ここまでの情報が出てくる。すごいウイスキーです、カティサーク。深く掘っていくということは、こうしてさらに情報が集まるキッカケにもなるものだな〜と思ったりしています。感謝🙏
前置きが長くなりましたが、カティネタはまだあります。それほどになかなか面白いお酒です。皆さまのイメージもちょっとは変わってきたでしょうか?今回は、名称の謎からさらにその裏側に迫ってみたいと思います。
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ラベルの秘密
最も普及しているオリジナルは、おなじみグリーンのガラスボトルに山吹色のラベルですが、店頭に並ぶとひときわ目立ち、とても見つけやすいデザインです。前回②では、ラベルの「CUTTY SARK」の文字は、名付け親である画家さんの手書きが元になっているとお伝えしました。
※そうだっけ…という方はこちら→ ヘベレケ日記: カティサークというお酒②
個人的に、ボトルデザインには必ずそこに至るストーリーがあると思っています。なので、以前ウイスキー文化研究所でボスに奉仕(笑)していた時、海外から生産者が来日してインタビューなどでお会いする機会があった際には、「なぜこのボトルデザインになったのか、そこに込めた想いは何か」を必ず聞くようにしていました。
※まれに「なんとなく」「特にない笑」というアッサリした回答もありました笑
ボトルの形状やキャップ、ラベルに書いてある文字や絵など、まじまじと見てみると結構おもしろいものです。では、カティサークはなぜこの山吹色になったのか?
実はこれ、印刷会社が間違えてしまった色がそのまま採用されたそうです(がーん)。本当はもっと淡い色を想定していたようで、でもやってみたらとても鮮やかで気に入ったってことになったんだと。
ちょっともっともらしい話を期待していた方、すみません。そんなオチです。何が幸いするかわからないものですね。今度ボトルラベル見たら、あ〜間違っちゃったんだなーって思ってあげてください(笑)。
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秘められた暗号
…と言うと大仰ですが、ラベルにはその酒を表すプライド的なフレーズが隠れています。カティサークの場合、快速帆船として海のロマンの象徴とされたことで、「冒険心(The Spirit of Adventure)」がキーフレーズになっています。
フロントラベルには、
と書かれています。いいですね〜〜〜人と違うことをしたい!(笑)
“冒険心”は背面やキャップにも。
方位磁針をかたどったマークが凛として刻まれています。
徹底的に「船」としてのデザインを貫いています。船に乗る方にはぜひこのカティサークを置いていただきたい!
※ステマじゃないよ
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「Scotch」か「Scots」か
カティサークのボトルには、現在は「Scotch Whisky」と書かれていますが、かつては「Scots Whisky」と書かれてしました。
これらの文字こそが、カティサーク名付け親の画家、ジェームズ・マクベイ氏の手書きだったわけですが、彼が「ゲール語ではScotsの方が正しい」と言ったため、2000年代初頭まで「Scots Whisky」と表記されていました。今、そろそろお酒が飲めるような年齢になってきたかなーという方が生まれた頃まで、Scots表記だったということですね〜。ついさっきじゃん。
もし、「Scots Whisky」と書かれたボトルを見つけたら…
ぜひ(適正価格で)買って!そして今1,000円ぐらいで出ているものと飲み比べてみて下さい。どちらが美味しいか、どちらがお好みかは、あなた次第…!正解はありません!!
※ステマじゃないよ
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おっともうこんな時間。
実は全3回で終えるつもりだったのですが、もう少し書きたいことがあるので、もう1回続けることにします。ぐびぐび。
次回は、派生エディション「Cutty Sark Prohibition(プロヒビション)」について、ご紹介してみようと思います。
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snoop-kのヘベレケ日記、今回はこの辺で。
また次のグラスでお会いしましょう。酔い1日を!