ISO26000を理解する: 社会的責任の基本原則とその課題
さあ、火曜日だ。
火曜日は、持続可能な社会について考えている。
現在のテーマは「ISO26000」の理解を深めていくことだ。
ISO26000は、国際標準化機構ISOによって開発された、持続可能な発展を実現するための社会的責任に関する包括的な手引書であるのだが…
社会的責任の原則
ここからは、箇条4「社会的責任の原則」の章に入っていこうと思う。
まず、社会的責任の基本原則は以下の7つだ。
原則そのものよりも重要なこと
「原則」というと、ボクらは何かルールのようなものを想像してしまう。しかし、社会的責任という観点で考えるとき、そこに守るべきルールや法令(例えば法令や国際行動規範、人権の尊重など)は確かに存在するが、それよりもボクらはどのように行動すべきかを問うべきだと気付くだろう。
特にこの7つの「原則」の中の最初の4つ(説明責任・透明性・倫理的な行動・ステークホルダーの利害の尊重)については、その原則を実現するためのアクションアイテムを自ら作り出さなければならず、且つそのアクションアイテムを組織として実践しなければ意味を為さないからだ。
原則は陳腐化する
さらにボクたちは、これらの原則が「問題が起きたときの対応策」ではなく「問題が起きないための予防策」であること、そして一度作り出した「ルールや行動のための規範は時間の経過と共に陳腐化する」ことを理解しなければならない。
重要なのは「与えられたルールを理解すること」「自分たちでルールを作ること」ではなく、自ら考え出したアクションアイテムを組織として実践すること、そしてアクションアイテムをメンテナンスしていくメカニズムを構築することだ。この「Do(実行)」と「Action(改善)」が実践できなければ、ISO26000は絵に描いた餅となってしまうだろう。
課題の洗い出し
これはどんな場合でもそうだが、アクションアイテムを策定するためには「課題の洗い出し」が必要だ。課題がわかってなければ、それに対するアクションを考え出すことはできないし、それが陳腐化しているかどうかもわかるはずがない。
ISO26000の手引書の中には、ISO(国際標準化機構)が何か月もかけて考え出した、考え得る限りの(汎用的な)課題が挙げられている。しかし、そこに書かれていることが、誰にでもすべて実践できるわけではないし、場合によってはそこに書かれていないことの方が重要であることも多い。
ボクたちは、手引書に書かれている「中核主題」や「課題」を参考にしながら、自分たちのビジネスカテゴリーやステークホルダーに合ったアクションアイテムを考え出すべきなのだ。
次回以降、7つの基本原則とその課題をひとつずつ書き出していこうと思う。
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