他人事じゃない兵庫県知事選のPR会社について

西澤です。
最近体調不良が続いたのと、少しバタバタ&ビジネス面で思い悩む面があって投稿が遅くなりました。

そして、何に悩んでいたのかというと、今回の兵庫県知事選のPR会社の件についてです。

弊社は大阪ですが、自宅は兵庫なので、今回の選挙は兵庫県民として参加しました。
以前の記事でもお伝えしておりますが、私は斎藤さんに投票しました。

そして、今も連日ニュースで賑わっているこのPR会社の件。

弊社は、webマーケティングが主な業種ですが、チラシや名刺制作も行なっているので、広告代理業としてはいわゆる「同業」になります。
(行政の仕事は今まで実績がありませんが)

なので、同業者として今回色々考えることがありました。

まず、PR会社の社長さんの投稿については、現在色々な声が飛び交っておりますが、私個人としては正直真っ向から批判もできないし、むしろ「あーうち(弊社)も一歩間違ったらこういう感じになるな…」と思いました。

この「間違ったら」というのは、PR会社の社長さんが、今回の一連の選挙でSNSを含めたプロモーションがまるで当社主導であり、私たちの頑張りによってムーブメントを起こしたのだという表現をしたことです。

確かに、今回思えば圧倒的劣性であった斎藤さんがここまでの盛り返しを見せたのは、SNSをはじめとする勝手連的な応援や、テレビでは報道されないファクトが出てきたことにより、日が経つにつれ斎藤さんを応援したい方のムーブメントが大きくなってきたことはあると思います。またそれに寄与したPR会社のおかげな点も少なからずあると思います。

プロ目線で見ても、選挙ポスターのデザインやキャッチコピーなどセンスが良いので、実力はあると思いますし、そういったことが買われて今回斉藤さんのお仕事がもらえたのだと思います。
そこについては、単なるコネではなく、PR会社の頑張りと技術が付随していると思います。

なので、私は同業者として社長である彼女を単に批判したくない。
テレビでは賄賂や買収など諸々言われていますが、多分要件を満たさないのでそれはないでしょう。

ただ今回、仕事ぶりとしては100点だったかもしれないが、クライアントベースの仕事が大半であるPR会社として「クライアントをリスペクトする」というポイントが欠けていたのだと思います。

プロジェクトが成功すれば、ついつい「自分たちのプロモーションのおかげで成功したんだ!」と思いがちですし、実績としてあげたくなるものですが、そのプロジェクトが成功したのは、あくまで当社が提案した仕組みを活用して、現場の方々が心身を削って頑張ったからに他なりません。

今回は特に、選挙なので県民一人一人の意思とファクトチェック、メディアリテラシーによっての結果だと思いますし、PR会社が世論を操作した的な表現の仕方はかなり乱暴なので、そういう意味でも県民も怒っていると思います。

ただ、マーケティング会社をやっていれば、気持ちはめっちゃわかります。
行政だけでなく、民間の仕事でも、今まで閑古鳥が鳴いていた事業を自分たちが改革して売り上げが上がったり、離職率が下がったりすれば「僕らの力はスゲー!」ってなる気持ちは少なからずあります。

しかし、PR会社やマーケティング会社はあくまでクライアントがいてこそ成り立つ業界です。
仕事への賞賛は、クライアントから直接受けたり、クライアントが許容する範囲内ですることがマストであって、自分たちで無断で仕事の成果を「私たちのおかげで」的な表現ですることはあってはならないと思います。

そういう意味で今回は個人的には非常に勉強になりました。
クライアントの仕事を預かる身として、もっと責任感を持ってやっていくべきだと思いましたし、結局クライアントベースな立ち位置でやっていくと、『実績を紹介したいけどできない』というジレンマからは解放されないので、思いっきり実績や活動報告を行いたいのであれば、民間の世界で、自分たちの事業としてサービスを立ち上げるしかないなと思いました。

もう一つは、斎藤さんは今回の件で知事を辞めて欲しいとは思いません。
そもそも今までやってきた政策を評価しているので。
しかし、PR会社の件は流石に脇が甘すぎませんか?と思います。
こうなることは、たとえPR会社の社長さんの投稿がなくても容易に想像がつくはず、というかそれぐらいのガバナンスチェックは知事になるぐらいの人であれば、あって然るべきだと思います。

そして連日、「知らんかった」「ボランティア」でやってもらったなど、まるでほぼ関与していない的な言い回しですが、それは評価できないです。

『PR会社さんには、今回の選挙で全力を尽くしてもらって本当に感謝しているけど、公職選挙法には抵触しない範囲でした。』

ぐらいは言って欲しかったと思います。
簡単に人を切ってしまうお役所的な人間性が見えてしまうので、それは残念かと。

最後に、PR会社の社長さんは今結構辛いと思います。
有る事無い事言われて悔しいでしょう。
社員さんも抱えているので今後に不安も抱えていると思いますが、きっと実力はあると思うので頑張ってほしいと個人的に応援しています。

ポジティブに捉えれば知名度的には爆上がりしましたし、結果的にプロジェクトを成功に導いているので、今後仕事はむしろ殺到するんではないでしょうか?
もうすでに仕事依頼が来ているかもしれませんね。
捨てる神に拾う神あり。

また社員さんのため、世の中のために頑張って欲しいです!
僕も頑張ります!
終わり

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