『ゴースト・オブ・ツシマ』キャスト合同生サイン会抄訳
日本時間で2021年10月24日早朝、『Ghost of Tsushima』境井仁役ダイスケ・ツジ、典雄役アール・キム、竜三役レオナード・ウー、そして境井正役リー・ショーテンによる生サイン会配信がにぎにぎしく(というかわちゃわちゃしく)オンライン開催された。以下はその模様の抄訳であるが、レオナードとリーはそれぞれインスタライブも実施していたため、複数の会話が交錯している部分に関しては、各項目のメインに据えた話題に絞って訳出している場合があることをお断りしておく。写真はレオナードが会心のダジャレを繰り出した瞬間のキャスト一同。実際の動画のアーカイブはこちら。また、レオナードのインスタライブのアーカイブはこちら。
◆オープニング
配信開始と同時に画面に映ったのは、ダイスケ・ツジ、アール・キム、そしてほぼ見切れてるリー・ショーテンの3人。
ダイスケ・ツジ、以下D: あ、音楽入ってなかった? みんなこんにちはー!
リー・ショーテン、以下S: いまレオナードが僕のインスタライブに参加してきた。こっちにいなきゃならないはずでしょうが(笑)
アール・キム、以下E: (笑)レオナードは大事なミッション中だからねぇ。
D: 重要ミッションでまだいないんだよね、音楽入ってなかった? なんでだろ、入れといたはずなのに。
E: こっちでは聴こえてるのにブキミだなー。
D: (背後で手を振るリーを指して) そう、こっちにリーがいまーす。(空席を指して) ひとり行方不明者がいるけど実は僕のせい。僕のせいで遅刻してます。
E: (笑)特別ミッションでね。
D: でもまあ、ようこそ! いい感じにセッティングしてみたよ。これがサイン用カメラね。(手元のアップを写す別アングルのカメラに手を映りこませつつ)
E: はいみんな手出してー。
S: (別カメラに3人の手を映り込ませて)三銃士だー。
◆ところでリーが見切れてます
D: (手元のApple watchを覗きこみ)あ、待って。僕らの友達からだ。
E: おっ。我らが竜三ー。
D: タピオカティー持ってきてくれたよー! サプライズのタピオカティーを! (リーが見切れっぱなしであることに気付いて)あ、そうだね、リーが(笑)
E:(顔を突き出してカメラに手を振るリー) あ、いたいた(笑)。
D: テーブルの大きさが足りないんだよねー。ただこうやったりはできるかな(カメラ調整中)
E: あ、そうね、やっとこ。ちょっと引きでね。
S: ネタバレすると僕(境井正)死んでるんで、姿なき声みたいになってても、ある意味道理ではある(笑)
E: (笑) ネタバレだ!!
D: 確かに登場して即……(笑)
S: 文字通り出だしのイベントシーンでね(笑)
E: うん、即だった。数分以内だった(笑)
◆レオナード・ウー(とタピオカティー)到着
D: (ツジ氏とアールの2人のサイン用フォトを手元に用意しつつ)これ初めてサインするやつだ。
E: あ、そうだねえ。(典雄之譚最終クエストの典雄のセリフごとプリントされているのを見て) 「奴の居所はそう遠くありません」
D: セリフつきなんだ、「奴の居所はそう遠くありません」。何の話かっていうと、レオナードとタピオカティーのことだよね。
(と言ったところで、ドアからテイクアウトのタピオカティー片手に現れる、マスク姿のレオナード)
E: 「竜三はそう遠くない」!!(笑)
S: (自分のインスタライブ画面に向かって)レオナード・ウーだよ。
D: イエーイ。
なんでも今日、ツジ氏が機材のセッティング中、モデレーターよりモバイル決済サービス経由でタピオカティー代を振り込まれてしまい、「なんだよ! タピオカ買わなきゃじゃん! ってなってゲストにパシってもらいました(笑)」という経緯があったらしい。
レオナード・ウー、以下W: (インスタライブの視聴者に向かって) どうも。みんなのタピオカティー取りに行かなきゃなんなくて遅れました(笑)
E: レオナード最高!
W: はいこれ、リーの分。
S: あ、ありがと。
W: みんな来てくれてありがとう。(カメラで他の3人の様子を映しつつ)
D: (日本語で)えーと最初の──(カメラに気付いて英語に切り替えて)あ、挨拶しなきゃ。ハーイ!
E: ハーイ! なんかあっちもこっちも見る感じに(笑)
S: カメラたくさんで何がなんだか(笑)
とか、レオナードが着てきたスウェットパンツが、自分と同じ境井家紋入りの公式グッズだったことに気づいたアールが「おそろいじゃん!!」と盛り上がったりとか、さっそくわちゃわちゃしだしたあたりで重要な確認事項が。
D: でみんなのは何味? これ大事なとこよー。
E: あ、そうだ。僕のは(タピオカティーをかかげ、お歌仕立てで)タロイモ〜ミルクティ〜♪
W: リーのは買ってきたけど、自分の分は遠慮しちゃったな。ファーストフード食べた後だったんで。
S: ファーストフード? 何食べてきたの?
W: 娘をバーガーキングに連れてった。
E: イエーイ(笑)
D: 買わなかったの? モデレーターに怒られちゃうな、「レオナードの分がない!!」って。
E: タピオカティーはまたの機会にだねー。
D: 僕のはティラミス(砂糖は半量らしい)
ちなみにお味の感想は以下。
D: タピオカすごい美味しい。アールの評価はどう?
E: タピオカそのものがすごくいい感じ。ふやけすぎてたりグズグズになってたりするのは僕、嫌いなんだけどね。あとタロイモは、十中八九粉末のを使ってると思うけど、粉っぽくない(笑)
◆日本語でサイン事項確認中のツジ氏の背後にて
S: (レオナードに)彼、実際に日本語喋れるんだなー。僕の日本語なんかひどいもんだよ。
W: 僕も日本語は全然。
E: 僕、なんちゃって日本語ならいける。最低限生きてける程度、水もらうとかトイレ行くとかのベーシックなやつならいけるけど、それ以外はあとシェイクスピア劇のセリフをいくつか言えるくらい。めちゃめちゃベーシックな日本語か、めちゃめちゃ認知度低い日本語かのどっちかなんだよね(笑)
◆アールがサインに添えた一言
サインに添える文面はキャラクターの決め台詞的なものや個人的なモットーなどが選ばれる傾向にあり、ツジ氏の場合は「誉は浜で死にました」、リーの場合は「大風の中の雷光のごとく」、レオナードの場合は「門を開けろ」が多め。そんな中、
E: (スッ…とワイプカメラにサイン済の写真を差し出して) 好きな言葉を書いて下さいってことだったので、一言「ポテト!」って書きました。僕ポテト大好きだから。
W: (笑) 僕も「ラーメン」って書いたしわかる。(※訳註: レオナードは言葉としても食べ物としてもラーメンが好きらしい)
とか、
E: (典雄単独のアップ写真に書いたサインを披露。肩の打ち飼い袋に何やらキャプションが) はい。典雄の好物は何か聞かれたので、秘密をひとつ明かしときました。「袋の中にはおにぎりが入ってます」。何日分ものおにぎりがストックしてあるよ!
D: おいしいポテトはないの?
E: 袋の何個かにはポテトも入ってるけど、全部にではない感じ。
とか、食べ物ネタを推すセンスが光るアールだった。
◆リーのシャツについて
S: (インスタライブ上のコメントに応じている様子) そんな、親切すぎでしょ。僕のこと言ってる? 別にイケてないですって。ベッドから起きたまんまだし、髪もずいぶん切りに行ってないし。でも今日のシャツを選んでくれたパートナーには感謝かな。
E: ああ、すごくいいシャツだよねって言おうとしてたとこなんだよ!
S: うん、カトリーナのおかげ(笑)
◆「みんなの国に行きたいんです!」
W: 半月前にローレン(・トム、政子役)とパトリック(・ギャラガー、コトゥン役)とランチを一緒したんだけどさ。
E: そうなんだ。ふたり、どんな様子だったー?
W: 元気。パトリックは『Big Sky』第2シーズンの撮影でニューメキシコに来てて、ローレンはノースカロライナで……シム(・リウ、言わずと知れた『シャン・チー』主演)がやるロマコメ? だったかの仕事中みたい。
E: あー、はいはいはい。ペッパーも出てるやつだ。
W: そうなの?
E: ペッパーと僕、高校の同級生なんだよ。
W: へー、いいね。
S: (自分のインスタライブ画面に) いろんな音がしてる(笑)
W: バタバタしてるもんなぁ。でも今いる皆にも向かって言うと、三人で話してたことっていうのが──ふたりはフランソワ(・チャウ、石川役)とも話しててさ。まだまだ油断ならない状況ではあっても、クルーも一緒にツアーに出たいよねって言ってて。オンラインでこういうイベントやるだけじゃなく、実際のツアーに。
E: みなさんの国に僕たちを呼んでください!(笑)
S: (笑)
E: みなさんの国へ行きたいんです! 団体ツアーで!
なおレオナードが言及していたローレン出演の「シム・リウのロマコメ?」は、後日『One True Loves』という作品である旨が報道で確認できた。
◆ダジャレ3部作
購入者からのリクエストに由来するダジャレネタがうまいこと3部作になっていたので、以下にまとめておく。
・竜三編
最初に「サインに何かダジャレを添えて下さい」というリクエストを寄せられたレオナードはその意味するところがピンとこず、首を傾げている。
W: この人、ダジャレを入れて欲しいんだって。それってどういうこと?
S: 実際にお父さんなんだし、オヤジの本能のおもむくままやればいいんじゃ?
W: あー、なんかコテコテのやつか。たとえば、そうだな……。
E: あ、この人僕にもダジャレのリクエストくれてるわ(笑)
W: そもそもどういう風に考えればいいわけ?
E: うーん。
W: バーガーがらみのダジャレ?
D: バーガーのダジャレか。
E: 僕が考えてたのは竜三の名前を使ったやつ。たとえば……「竜三じゃないぞう(No Ryuzon't)」(笑)
(※訳註: 元ネタは言葉の語尾に「n't」をつけて正反対の意味を表す、2018年頃流行ったミーム。『ブルックリン ナイン-ナイン』等でもネタにされていた)
それで要領がつかめたらしいレオナードいわく、
W: (いいこと思いついた顔で)それとか、あるいは「ここより竜三ーン(You're now in Ryuzone)」とか。
E: おおーー!!(笑) じゃあ「危険! まもなく竜三ーン(Entering the danger Ryuzone)」は?
(一同笑)
結局、「あと2年もしたら娘がバッカじゃないのって目で見てくるんだろーなぁ」とオヤジの感慨を吐露しつつ、「この際オヤジっぽければぽいほど良い」という判断で「You've entered the Danger Ryuzone!(危険区域・竜三ーン入り)」という一文を添えたレオナードだった。
・典雄編
同リクエストに対して別のダジャレを用意していたアールだったが、ちょうどリーのインスタライブ経由で視聴者から寄せられた作品が。
S: ちょっとー、こう言ってる人がいるよ。「アールに伝えて下さい。『お前の知ったこっちゃ典雄(It's Norio business)』
一同: おおおーーー!!!
英語の「None of your buisiness(余計なお世話) 」というフレーズは前半部分が音便化して「Nunya business」と表記されることもあるのだが、それにかけて「Norio business」と洒落たものと思われる。
D: 「単身でハーチュを成敗するなぞもってのほかだぞ!」って言われて、はい何て返す?
E:……「知ったこっちゃ典雄です(I think that's Norio business)」……?(笑)
(軽く笑い死ぬ一同)
D: ふた通りのレベルでうまいこといってる!(笑)
・境井仁編
D:(残り少なくなってきたタピオカティーのタピオカをもぐもぐしつつ) 仁のいい感じのダジャレってなんだろ?
E: アルコールネタならなんでもじゃない?
W: だなー。
D: なるほど。そうかあ。
E: あとは「in」が入ってる言葉。
D:(応じようとした拍子、口元からタピオカがひとつぶこぼれる)
E&S: (笑)
E: はい、「タピオカが仁&アウトした」!(That boba was Jin & out) イエーイ!……はいすんません。ごめんなさい。
◆リーの『ツシマ』撮影体験談
S: (インスタライブ上のチャットと雑談中)残念ながら、僕は出演シーンの撮影がパンデミック中にあたってたので、フルのモーションキャプチャー撮影をやる機会はなかったんですよね。ボールのついたスーツ一式着るってこともなくて。ただスタジオに行ってフェイシャルスキャンはやってもらいました。中にはフェイシャルキャプチャーをやったシーンもあって、僕もヘッドマウントカメラを装着しましたよ。でもフルでのモーキャプはなし。感染防止プロトコルに従わなくちゃいけなかったので、ダイスケや他のみんなとも共演はできなかったんです。そこはすごく残念でしたね。
S: 『Death Stranding』の話が出たのは面白いな。フェイシャルスキャンをやりに行った時なんだけど、スタジオの人が「『Death Stranding』でのマッツ・ミケルセンのスキャンもうちでやったんですよ」って話してて、マッツと同じ席に座ってるなんて信じられなかったよ。
W: あ、スキャンしにサンディエゴまで行ったの? そう、みんな行ったんだよ。むこうに設備があるから。
S: すごいよね、だってマッツみたいな人でも顔にドット描かれてそこに座ってたのかーって思うとさ(笑)
◆リーのお気に入りの『ツシマ』キャラ
S: ダイスケへのディスりとかじゃないんだけど、僕のお気に入りキャラって竜三だったんだよなぁ。
W: よっしゃー! ダイスざまあ! ざまー!
E: それよくわかるー。
D: えっ何、何?
W: リーの好きなキャラは竜三なんだって。
D: あ、そうなんだ。そりゃそうだよ、うん。
E: お父さん、ぜったい受け入れてくれないんだ(笑)
D: うん。納得だけどね。
その上、レオナードのインスタライブからも追い討ちが。
W: 「父親が自分より友達の方を気に入ってるときのあの気持ち」って言われてるぞ、ダイス。
(一同笑い)
◆歌い上げるふたり
E: あ。「Way of the Ghost」歌ってってリクエストがきた。おおー。ちょっと大変かもよ(笑)。
D: できるってー。(ハミングで練習しはじめたアールへ) マイク使いなよ。
E: (携帯を覗き込みつつ)うん。ちょっと今探してみてる。
D: あ、YouTubeにいっこ動画があるよ。
E: 歌詞も書かれてるやつが?
ツジ氏は機材周りを何やらチェック中、レオナードとリーはそれぞれインスタライブの来場者とやりとりする一方、検索を続けていたアール。目当ての動画を見つけ、カラオケマイクのエコーオンでおもむろに歌い出す。すかさず自分もマイクを握り、サインを続けながら唱和するツジ氏。
D&E: 夜の〜♪ とば〜りが〜♪ 降り〜〜ぃ♪
S: (自分のインスタライブへ向けて) ふたりが歌ってまーす。(しばし2人の姿を中継)
D&E: そぉの時ぃ〜♪ が〜来〜た〜♪
W: (同じく、インスタ上の質問に応じている様子で) オオカミ描こうとしてる横で歌われてストレスたまらないかって? 最高だよ。
D&E: もののふ〜は〜♪ ふ〜りか〜えらない〜〜♪
間奏部分まできて、
D: 配信、この部分だけブロックされるんだろうなー。
と呟きながらも、サビまでファルセット(ツジ氏)とテノール(アール)で歌いあげていた。
◆サイン会・今後の展望
S: (インスタライブの視聴者にむけて)じゃあ皆さん、今日は来てくれてありがとう、ゲームをプレイしてくれたことにも感謝します。ダイスのTwitchに移ってもらってもいいね。でも僕のインスタライブはこのあたりで締めくくろうと思います。ありがとうございました! 週末の残りを楽しく、気をつけて過ごして下さいね。またサイン会やるかもだし。
D: そうだよー。
W: もちろん。楽しいもん。
S: じゃあまたダイスの方のTwitch配信で。
D: 僕さ、今度のクリスマスに欲しいのはレンズなんだよね。ワイドに映るやつ。
E: おー。広角レンズね?
D: うん、こういうのやる時もっとやりやすくなるようにさ。
W: あ、そうだ。うちにしばらく使ってないデジタル一眼があって、けっこういいやつなんだよ。何ならあげたりとかしてもいいけど。
D: おお。もう使ってないの?
何でもレオナードは娘さんがいじるといけなそうな私物は全部しまってあるそうで、今度探してみると請け合っていた。ツジ氏も「じゃあ貸してもらおうかなー」と乗り気だったので、次回イベントではよりワイドな画面になっているかもしれない。
◆仁と竜三の幸せを願うファンに
こちらツジ氏とレオナードのサインを希望したファンからのリクエスト。写真は仁が竜三にとどめを刺すシーンなのだが、頭に猫耳&手にランダルを装着した姿でツジ氏が文面を読み上げていわく、
D: 「ランダルかイゴールがふたりのことをハッピーにしてくれると良いのですが」って──あ、はいはい、仁と竜三をってこと? って言っても……この後竜三死ぬよ?
E: (笑)
W: (同じ依頼者にサイン中)だよね。はいこれ、僕とダイスからのサインです。ありがとうー。(ツジ氏に)これそっちに渡しとく?
D: あ、うん。たぶん。
W: インストラクションの内容ってどうなんだろ、ダイス宛のメッセージなような。
D: そうかな。(サインを見ながら) いや、サインにランダルかイゴールを描いて欲しいとかじゃないと思う。
◆内輪ネタに慣れてきたレオナード
W: (同じ写真を指定したリクエストの文面を読んで) ははは! 「サイン用の写真がとても悲しいシーンなので、ランダルからレオナードにお鼻つんつんしてくれると嬉しいです」だって。
E: (笑)
W: ほほえましいなー。
前回の合同サイン会の時は配信の独特のノリにちょっとついていきかねていたレオナードだったが、今回は対応がこなれてきていた。
W:(別のトピックで雑談中)……僕はビデオゲームに詳しいわけじゃないけど──
D:(少し時差をおいて同リクエストに気づき、ランダル装着) あ、ランダルがね。
W: ──『ツシマ』は非常によく受け入れられてると思うよ。過小評価されすぎだと考えてる人も多いみたい。でも……
E: んー、過小評価されてるってわけでもないよねえ? おっ。つつく気みたいよ。(デスクのむこうからレオナードの鼻へ迫るランダルに気づく)
W: やあ、ダン! (同じくランダルに気づき)……あ、つつくんだ。
D: (とくに避けないレオナードの鼻先をつつくランダル) つーん!
W: つん(笑)
E: (笑)これ好きすぎるー。
D: (ついでにカメラに向かってランダルお鼻つんつん)
◆代打絵師: ダイスケ・ツジ
W: ちっちゃなアライグマと狐の絵を描いてもらいたいって。なぜそんな仕打ちを? いやがんばってみるけど、ちょっと時間かかるかもよ。
とか、
W: え。ドラゴンの絵を描いて欲しいの? 君嫌い。ドラゴンか……なんで、なんでだ。簡単なドラゴンなんてものはないんだよ、存在しないんだよ……!
とか、絵心があるだけに、かえってイラストのリクエストにはプレッシャーを(冗談半分に)感じていた様子のレオナード。竜三と仁の最期のシーンの写真に菅笠を描いて欲しいと言われ、どう描いたものか悩み始める。
W: 王冠じゃだめかな? 王冠なら菅笠よりずっと簡単だし。
D: 菅笠ならただ三角描いてさ、それからこうたくさん線引けば──
S: なんでレオナードにばっかり大変な注文来てるの?(笑)
E: だよね(笑)。でもたぶんだけど、僕らがレオナードの絵のうまさを宣伝しちゃったせいもあるような気がする(笑)
D: 依頼者が「難しい内容にしてしまってすみません」ってさ。
W: いや、全然オッケー。菅笠ね! ひどい絵になったらすんません。
D: なんなら僕描いたげようか?
W: ああ!! ぜひお願いしたい!
D: 頭の中で考える限りではたぶん、たいして難しくもないと思うんだよねぇ。(描き込み始めて) あっ変にしちゃうかな。まあいいや、写真たくさんあるし。
E: 余分に配ってもらえて良かったよね(笑)
W:(ツジ氏の手元を覗き込みながら) ……笠ちっちゃいぞ、ダイス。
D: うっさいな!(笑)
E: なんかヤムカ(※訳註: ユダヤ教徒が着用する、頭頂部のみを覆う帽子)みたいになってない?(笑)
D: ないって、ヤムカはもっと小さいやつじゃん(笑)
W: いい笠だけど、一番上がちょっとさ──
D: これで大丈夫だって!
E: 子供時代の竜三が最後に仁に会ったとき被ってた菅笠って感じよ(笑)
D: だってセリフを入れる余白もないとだめでしょー。
W: それはまあそう、台詞入れないとだ。(インスタライブ用のカメラにサインを披露して)はい、じゃあこれダイスの笠ね。お礼はいらないよ〜。
E: やったね〜。
ちなみにイラストの注文が集中したせいか、レオナードは自分以外の誰かに絵のリクエストが来ると嬉しそうに「何? 何描かされてんの?」と訊ねたりもしていた(お疲れ様でした)。
◆質問「自分のキャラクターが現代に生きていたらどんな仕事をしていたと思いますか」
E: (笑)
D: 今の時代なら暗殺者とか?(笑)
E: 国際的に活躍する暗殺者?
D: CIA?
W: (真顔で)「In-N-Outバーガー」の経営者。
(全員笑)
S: そんな(笑)
E: ワクチン接種の確認を拒否るわけか(笑)
(※訳註: 配信日の数日前、人気チェーン 「In-N-Outバーガー」が、サンフランシスコで屋内での食事の際義務付けられているワクチンカードの提示確認を正式に拒否し、市内の店舗が閉鎖となる騒ぎがあった)
W: そう、ワクチン接種確認を拒否る。やばいぞぉ(笑)
D: うわあー(笑)
E: えー、時事ネタの話題になりましたよ皆さま(笑)
W: そっちに話振ったのはアールだろー。
S: 正はたぶん軍隊にいるんじゃないかな。
W: ああ、かも。僕は銀行強盗あたりか。
E: (リーに) それか、民間軍事会社とかね! ブラックウォーター社ぐらいのレベルの。
D: 仁は動物学者になると思う。
E: プロのフルート奏者は?
D: あー。典雄はアーティストなんじゃない?
E: 典雄は現代でもお坊さんだと思うよ。まだある仕事でよかった(笑)
D: それか仁は獣医とかかなあ。
E: あー! 仁ならすごくいい獣医さんになりそう。
D: (チャットの反応を見ながら) 「仁はディズニープリンセスでしょ」、そうね。あー、アニマルシェルターで働く仁か。納得。
◆仁と竜三の初対面シーン再現リクエスト
変わり種としてはツジ氏とレオナードに「可能なら、レオナードさんがダイスケさんの肩に手を置いて、お互いに笑いあう最初のシーンの再現をお願いします」というゲーム内イベントシーンのリアル再現リクエストも。ツジ氏の隣の席に移ったレオナードは半笑いだ。
D: じゃあ手置いて、って待って。
W: えーと、それじゃ……(笑)
D: (リクエスト内容を確認中)「レオナードさんがダイスケさんの肩に手を置いて笑い合う」か。
W: じゃあはい、ダイスです。(スマホのカメラでツジ氏を映しつつ、肩に手を置いて) で、笑い合うの?(笑)
D: はっはっはっはー。
W: はっはっはー、猫耳つけてるよこの人。
D: ゲームの頭に初対面した時、こういうのやってたっけ? って(リクエストに)書いてあるんだけど。
W: あ。こっちの肩組み(竜三の介錯シーンの写真を指して)じゃなくってか!! あー。はいはい、そっちね。
D: そう、こっちの瞬間じゃなく。
W: うんうん、最初のやつね。で、なんか「(竜三の声で)会えて嬉しいぞ、仁」みたいなこと言うんだっけ? なんかそんなようなこと。
D: (笑)そんなようなことね。僕ら何でも忘れちゃうんで。そうだ、グレッグ(・チャン、ヽ蔵役)には話したんだけど、 ボイスオーバーのオーディションで困ってることがあってさ。笑い声。自分の笑い声を聴くともう、世にもウソくさい笑い声に聞こえんの。
W: 難しいよなぁ。僕も笑い声苦手。本心から笑わないとサイコパスみたいに聞こえるんだよ。
E: (飲み物とおつまみを運んできつつ)偽物くさく聞こえるし、偽物くさい、うつろな感じもするんだよね〜。
◆それにつけても惜しまれるのは
今回のサイン会ではリー ・ショーテンの参加が少し遅れて決まったせいか、彼が絡む複数人でのサインのオプションは追加されずじまいに終わった。それを残念がっていたのはファンだけではないようで、
E: 誰かにコミッションして『ライオン・キング』風の写真を作ってもらわないとかもなぁ。全員でサインする用のやつを。たぶんまだ話してなかったと思うけど、こないだブレーンストーミングしててさ、「いやー、文字通り僕ら4人全員が顔を合わせることがないとか残念すぎる」ってなって。まあ正の設定がアレっていうのもあるけど(笑)。
W: でもなんかグリッチがあるらしいじゃん。誰とも会ったりできるやつが。
E: んー、噂には聞くけどね。話してよかったんだっけかな。ともかく、配信中にチャットとお喋りしてたんだよ。「ダイス、僕、レオナードが焚き火を囲んでて、で『ライオン・キング』のポスター風に空とか星をバックにこう、リーの顔が僕らを照らしてるみたいなグラフィックが思い浮かぶんだよねー」って(笑)。
S: (笑)
E: 「光の及ぶところすべて」──
S: ──「我ら境井が討ち果たさん」(笑)
E: (笑)
(※訳註: ディズニーアニメ『ライオン・キング』における主人公シンバの父・ムファサの台詞。本来は「光の及ぶところすべてが我らの王国だ」と続く)
◆自キャラの絵リクエストに震撼する面々
サイン会配信も折り返し地点を過ぎ、ツジ氏、アール、レオナードのトリオでのサインに取り掛かるところまでさしかかった。
W: 僕に絵を描かせる系のやつは、もう全部却下しといてくれよなー。
E: 絵を描くのはもうやめか(笑)。レオナードには──
D:(手元のサインから目を離さぬままさらっと)才能ないんだよ。
E: (爆笑)
などと軽口を叩きあっていた矢先、オーダーの一覧を確認していたアールの顔色が変わる。
E: ……待って、待って待ってやばい、ダイス(笑)。
D: 何?
E: このトリオの、しょっぱなのリクエストが(笑)。「みなさんのキャラクターのポートレイトを描いていただきたいです」ってやつなんだけど(笑)
D&E: (大爆笑)
S: えー!!(笑)
W: (ひとり憮然としつつ)誰かさんはお絵描きしたいみたいじゃないか。
D: そのリクエスト覚えてる!(笑) くそーやばいな。
E: 自分たちのポートレイト描かなきゃなのか(笑)。いやー、これはちょっと──
W: ここは菅笠があって良かったって喜ぶとこだよなぁ(笑)
S: (笑)
E: (リスト再確認中)うわあ、オーケー。しかもキャラクターを描いてもらいたがってる人、ひとりじゃきかないんだ。
D: なんで? なんでなの?
E: なんでだろね(笑)、絵ド下手なのに(笑)
D: ポートレイトにならないよね。ポートレイトの定義ってなに?
E: たんにキャラの絵でいいと思うけど。ちょっと……これもらうね。(ツジ氏の写真の束からボール紙を抜き取りつつ)この紙使って典雄の絵練習しないと……現時点で僕、自分の絵なんてどうやって描けばいいんだか見当もついてないから(笑)
アールが参考画像の検索に集中しはじめると、とたんに場が静かになるのがおかしい。歯応えのある絵のリクエストを前にリーの手土産のビールをあけつつ、アールの手元を覗きこんだレオナードが驚きの声をあげる(レオナードのアーカイブ動画ではタイムスタンプ01:27:20あたり)。
W: (アールが描いた座禅中の典雄の絵を見つつ)うっわ、僕こんな凝ったやつ描かないぞ。すごいじゃん。このサイズの絵、どうやって収める気なの?
E: 小さくしないとだよね(笑)。まあひとまずスケッチしてみてるだけだから。そっちは竜三どうするの、なに描く? 菅笠だけとか?
W: 笠だけ!? 笠と顔とかだよ。
E: 笠だけでシンボリックに行くのかなって。
S: ケイトリンのアートを再現しようとしてみるとか? こう竜三の影をさ。
(※訳註: ケイトリンはレオナードがサイン用プリントに採用した、ゲーム内スクショのコラージュ作品の作者。ツジ氏が「僕もそういうやつほし〜い」、アールも「典雄のはありますか?」とコメントしていたので、次回にはレオナード以外の面々も彼女の作品を使っているもしれない。ご本人のTwitterアカウントはこちら)
W: いやいや、だって二重露出だよ。
E: 二重露出ってどうやって絵にするの(笑)
W: むり。
E: むりだね(笑)
ちなみにツジ氏は当初「棒人間じゃだめかなあ」とこぼしていたものの、結局冥人の面頬(スケッチのモデルに使っていた現物は北米版コレクターズエディション特典。一度割ってしまい、伝手をたどって金継ぎ風加工をしてもらったもの)を自画像がわりにして対処していた。
◆突発『DUNE』談義
アルコールも入ってまったりムードになったあたりで出てきたのがこの話題(現在公開中のドゥニ・ヴィルヌーヴ版ではなく、1984年のデヴィッド・リンチ版映画『デューン 砂の惑星』ネタバレ注意)。
W: この中で『DUNE』観た人? みんなもう1万回くらい観てんでしょ。
E: 観たよ〜。
S: うん、2度観た。
D: なんだってー。2度も?
W: 気に入った?
S: 良かったよ。
W: 僕も見るの楽しみにしてる。原作本が大好きで。
E: 原作本と最初の映画版についてはどう思う?
S: 気に入ってる本のひとつだよ。
W: 名作だもんなー。
S: 最初の映画版は『デューン』ではないけど、僕は好きだな。わかるでしょ?
E: うんうん。あとさ、カイル・マクラクランとスティングのバトルシーンが(笑)ほんとありえないんだよね。70年代風のグラフィックもだけど、大部分が「あ、『レリック』だ」みたいな(笑)
W: 僕の場合最初のは断片的にしか観たことなかったんだけど、大人になってから試しに観てみたんだよ。そしたら最初のあの、箱に囲まれて稽古するシーンで──
E: あ、シールドのやつね!(笑)
W: あそこで「あっないわ」って、観てらんなくなって消しちゃった(笑)。たださ、最初の映画版には子供の頃トラウマを植え付けられたんだよ。家族ぐるみで付き合いのあった大人世代の友達がうちに来て、『DUNE』観てたことがあったのね。そしたら、ちょうどハルコンネン男爵が(奴隷キャラの)心臓弁を引き抜くパートの最中に、僕がたまたま入ってっちゃって。当時僕はまだ本当に小さい子供だったんだけど、ハルコンネンってなんか色々、グロテスクな特徴のあるキャラでしょ。殺される側の様子とかももうさー。
E: だよね、色々──うっわあー。
W: そういうのを目にしたもんだから、脳裏に焼き付いちゃって。
S: そりゃまた強烈な。
W: で、まだほんの子供だったし、どこまでリアルだったかどうかも判断がつかないまんま、ただこう(と、唖然とした表情を再現)なってて。
E: 見てはいけないものを見てしまったような気がする……! みたいな感じね(笑)
W: そう、怖かったよ。
S: まあでも、新しい方は良かったよ。
W: うん、作品の大ファンだからいいんだけどさ。ホドロフスキーの『DUNE』のドキュメンタリーは観た?
E: うん。
S: 観た観た。
W: あれはあれでまた、すごい作品だよね。最高にいい方の意味で正気の沙汰とは思えない。
(※訳註: リンチに先駆け、『エル・トポ』『ホーリー・マウンテン』等で知られるアレハンドロ・ホドロフスキーも『DUNE』映画化を企画していたことがあるのだが、様々な事情で頓挫した。その経緯をドキュメンタリー作品としてまとめたのが、フランク・パヴィッチ監督の『ホドロフスキーのDUNE』。2021年10月現在Amazon Primeで視聴可)
◆どれが誰のビール?
トリオのサイン(まだ1枚目)の作業をしてるうちに、いつの間にかツジ氏、アール、レオナードの缶ビールがこぞって近い位置に置かれてしまうハプニングが。
W: しまった。どれが自分のビールだったっけか。
E: (ひょいと一本を取り上げて)あ、僕のはこれ。
W: (ひとつをツジ氏側に寄せて)たぶんこっちがダイスのだと思う。
D: オッケー。いや待って、僕ほぼ飲み干してたような気もするんだけど。
E: (笑)
W: 僕のはかなり重かったぞ。
D:(両方持ち比べた後に) こっちでいいや。こっちのが僕に近い方に置かれてたし。
W: こうなるともうわかんないな。まあいいか。バイ菌持ちとかじゃないし。
D: そっか。(お互いビールに口をつけて) ……ってパンデミック中に言ってもな(笑)。「バイ菌持ちじゃないし」(笑)
W: (笑)
◆励ましの言葉リクエスト
「励ましの言葉を添えてください。何かのいたずら書きでも可」というリクエストに対しては、
W: ゲームの中で僕が言う励ましの言葉なんてないけどなあ。そういうのは全部仁でしょ。僕のキャラに感じのいい台詞ってない気がする。
D: 「安らげることを願うぞ」ね。
S: 正「なぜここにおるのだ」(笑)
D: (笑)「なぜここにおるのだー」か。
E: 『冥人奇譚』の方になんかないかな。いいフレーズが。
D: 「しかし我らはやる!」
(※訳註: 牢人の蘇生時の台詞「We shall not seek vengeance....but we will!」より。「報復なぞ求めるものではないが、仇は討つぞ」という意味になるので英語圏のファンからは「じゃあ前半部分はなんで言うんだよ」とツッコミが入ったりしている)
E: 「我らはやる!!」ね(笑)。いい励ましの言葉かー。
S: (行善ナレーションより)「冥人は前へ進む」
W: (スマホカメラをアールへ向けつつ)アールが書いてるのは──
E: ちょっとした励ましの言葉ね。「君ならできる!(You got this!)」(笑)
W: パトリック(・ギャラガー、コトゥン役)がこういうサイン会やる時はさ、「お前ハーンならできる(You Khan do it)」ってやれちゃうな(笑)
E: (息を呑んで)うわ! うっま! 実現したら最高だろうなー。本人によるハーンダジャレ(笑)。
S: やりやすいよね、典雄と違って(笑)
E: (笑)
なおハーンダジャレをキメた後、レオナードがおもむろに書き込んだ励ましの言葉は「バーガーはよいタンパク源」であった。
◆質問「『ツシマ』次回作はあると思いますか?」
レオナードがインスタライブの参加者からの質問に答えていわく、
W: 正直、何も聞いてないけどね。僕死んでるし。
E: (笑)
W: これっきりで終わるには大ヒットしすぎてるから、やっぱり、ダイスは70歳になるくらいまで仁役をやってくんじゃないかな。
D: おおー。だといいよねぇ。
E: 仁も70歳になれますように(笑)
W: (アールに)だなぁ。成功したゲームだから、続きはきっと作ってくれると思うよ。
◆『ツシマ』プレイヤーの竜三への反応
W:(インスタライブのチャットを見つつ) ああ、竜三は嫌いになれないよね。このゲームのすばらしいとこだけど、悪役ですら──
D: (横でぼそりと)嫌ってもいいけどね。
W: ダイスうっさい!
E: (笑)
D: 「嫌うべき」とは言ってないじゃん、「嫌ってもいい」って言っただけでー。
E: っていうか誰が何をやったっていいんだからね?(笑)
W: このゲームのキャラクターたちは複雑なんだよね。ヒーロー側も複雑なら悪役側も複雑でさ。
E: だねぇ。
D: 仁を嫌ってたっていいんだしさ。
W: 仁やなやつ!!
D: 仁やなやつ。
(中略)
W: 不思議だけど、竜三を嫌いになれる人はいないって思ってくれる人は貴重だよ。Twitter上ではすごいヘイト集めてたりもするんで。
E: そー! 竜三嫌ってる人ほんと多いんだよねって言おうとしてた。なんか「腰抜け」みたいにも言われてたような。
W: だねー、ヘタレのNワードとか言われて。
S: えっそうなの?
W: うん、「Ghost of Tsushima」と「竜三」で検索してみると相当数の人が──
E: 竜三ディスってる(笑)
S: それは気づいてなかったなあ。
W: ほんと面白いんだよ。どんだけ自分が嫌われてるか、ネットサーフィンで調べてみるの楽しかった。
参照: 『ツシマ』1周年を記念してレオナードが厳選した、お気に入りの竜三ディスりツイート集はこちら(本文訳「親愛なるTwitter世界の皆さん、『Ghost of Tsushima』リリースから1年が経過しました。皆さんの竜三へのご愛顧に感謝します」、スクショ一本目から「やっとヘタレ野郎の竜三倒せたわ。地獄で会おうぜ雄っぱい!!」とか言われている)
◆レオナードのシュワルツェネッガー物真似講座
この話はサインに添える言葉として『Legends』の刺客キャラの台詞が指定されていたのがきっかけ。
D: Into the shadows!
(※訳註: 「影の中へ」という意味だが、日本語版では確か「さらばだ」と訳されていたような)
E: (よりゲーム内刺客の声に寄せた言い方で) Into the shadows!
W: アーノルド・シュワルツェネッガーぽい。
E: ゲームの中の刺客が消える時、こういう言い方するんだよ。
W: そっかそっか。
S: (真似して)Into the shadows!
W: なんかドイツ語っぽくも聞こえてさ。
(※訳註: アーノルドはドイツ語を公用語とするオーストリア出身)
E: わかる(笑)。たぶんエフェクトのかけ方のせいでそんな風に聞こえてるんだろうけどね。
W: アーノルドっぽくやるコツ、「アガアガアガ!」ってつけときゃいいだけだもんなぁ。
E&S: (爆笑)
W: 言葉の始めか終わりにくっつけてこう、「アガアガInto the shadows!!」ってやればもうアーノルド。
◆『Director's Cut』ならではの引用しやすい台詞とは
トリオでのサインにゲーム内の好きな台詞を、というリクエストが。レオナードは「門を開けろ!」、アールは典雄の薙刀に刻まれている言葉「進めば浄土、退けば地獄(Advance and reach Nirvana. Retreat and find hell)」と書き込んでいたが、ツジ氏はというと、
D: 『Director's Cut』からの台詞をなんか入れたかったんだよね。でも僕が覚えてるのって──
E: 何がいいだろ。
D: 心に残ってる台詞って……あ、「お前の死が衆生のためになるように」だっけ?
E&S: 「貴様は死ぬのが衆生のためだ」。
D: それがいいや、書いとこ。
E: でもサインに書くにはどうなんだろ(笑)。「はい、こちらあなたへの贈り物です。『貴様は死ぬのが衆生のためだ』」
D: (笑)
E: 「どうぞ、プレゼントでっす」(笑)
D: 「プレゼントでーす」(笑)。んー、それじゃあ……(結局書き込んだ言葉は「お前はいい馬だ、信」)
◆ダース実食しつつの『ツシマ』前日譚推し
ゲーム内で堅二が蒙古兵に酒を運びながら「ダース!!」(モンゴル語で「酒」の意)と連呼していたことに因んで、アールが「僕らが顔を付き合わせておいてコレを食べないのは不適切な気がする!」と持参したおやつが、日本のチョコレート「ダース」。ツジ氏が手を伸ばした時には最初の一箱はもう空になっていた。
D: ダースもっとある? ダース!(まだ空になっていない箱を発見)
E: あ、分けてなかったね。
W: 僕にもいっこちょうだい。
E&S: おいしいよー。
D: ダース。ダースダース!(配信用カメラに披露)
W: (インスタライブの視聴者にむけて)初めて食べまーす。ダース。……うんうまい。
D: うんうん。チョコレートだけど、っていうよりキャンディーみたい。なんか。
W: チェリーみたいな味もする。
D: うん。
W:(インスタライブのチャットに) やっぱ前日譚だよ。
D: 前日譚ー!!
W: ダイス実現してくれよ、絶大な権力あるんだし。
D: なんの力もないよ!(笑)
E: みんな権力あったとしてもわずかだもんなー(笑)
D: 僕に権力はありませーん。
◆再びせまるランダルの魔手
3人に「好きな動物の絵を描いて下さい」というリクエストが入り、アールが(悩んだ末に)カルト的なFlashアニメシリーズ『Homestar Runner』の人気キャラ・竜のトログドールを描いてる最中、ツジ氏にあやしい動きが。
D: (カメラにむかって無言でランダルビンタとお鼻つんつん実演中)
W: 好きな動物。なんだろなぁ……(悩み中)
E: 下手も下手な竜になっちゃった(笑)。ひどいトログドールだよー。ペンの太さのせいにしといてやろ(笑)
W: (インスタライブのチャットへ) 今まで描いたことがあるお気に入りの動物? あー去年ね、
D: (引き続き実演中)
E: (ランダルに気づいて指を差し) ハーイ、ランダルー。
W: 去年、コミックのカバー用に恐竜を描いたけど(アールに)、君らも見たよな? カバー用に恐竜を2匹描いたやつは楽しかったよ。
D: (じわじわとレオナードに近づくランダル)
W: (ペンを取り上げて)何描こ。自分なりのヘビか、ドラゴ……?(ランダル接近に気づくと同時にビンタをくらうが、殴られた反動の首の動きをとっさにつけるレオナード)
S:(何事かな? みたいな表情で見守るリー)
D: (笑)
E: (スマホから視線をあげて) レオナードにお鼻つんしたの?
D: ビンタしてやったー。そっちでは聞こえてないけど効果音つき(笑)
E: ビンタか(笑)
W: そうだったんだ(笑)
S: (笑)
W: (インスタライブ用のスマホカメラを掲げて) ちょっとダイス、見せてあげて。こっちのみんなが「何?」ってなってるから。
D: あ、ちょっと待ってね。(効果音の設定を確認中)
W:(ランダルをカメラに映しながら) ダイスがコレで僕をビンタするよー。
E: マルチアングルだ(笑)
D: 効果音がないと。(ビンタ音流しつつ)
E: そっか、聞こえないんだもんね。
D: あ、待って。音やってくれる、アール?
(ビンタ音を手で実演するアールに)もう一回お願い。
W: (インスタライブ内チャットに知り合いを発見した様子で) ようマイク、調子はどう?
E: はいもっぺんビンタくるよ。(人力効果音係として構えつつ)
W: いや、まだコミックの中身は描いたことないんだよ。(効果音係のアールとも息を合わせてビンタ。さもビンタが効いた風な顔をして)
S: (笑)すごい低予算感(笑)
D:(笑)低予算だねー(笑)
E:(笑)
◆3人でハイク合作
W: (オーダー内容確認しつつ)ありゃ、3人にハイクを書いて欲しいって人がいるぞ。なんだとー。
E: おおー。
W: ハイクって──
S: 5・7・5だね。
E: じゃあ5・7・5をひとり1行ずつ担当することにしよ。
(※訳註: 英語俳句は基本3行、字数ではなく音節の数で5・7・5のリズムを作るのが基本である)
W: よし。(アール、自分、ツジ氏の順で指差して)5・7・5って感じかな?
S: がんばってー。
E: だね。えー……「友こそ力(Power of friendship)」……
W: それだと6かな?
E: (一緒に指折り数えつつ)「友こそ力」……
というような推敲を経てひねり出されたアールの担当分は、
E: ハイクの最初の1行は、「友情こそ力(Friendship is power)」にするね。
D: 「友情こそ力」ね。
W:「友情こそ力」か。(インスタライブ視聴者へ) えー、いまハイクを作ってるとこで、5・7・5に従って僕は7担当です。「友情こそ力」……。(しばし思案顔になった後何ごとか書きつけて)よし。
S: (文面をチラ見したとたん、軽くのけぞり) うぉお(笑)
E: (同じく笑い出す) 完璧(笑)
S: かなりいい出来(笑)
E: キャラの特色まんま過ぎる(笑)
W: 「友情こそ力」ときたので、こう続けました。(インスタライブ画面にむけて文面披露)「ただし裏切る場合除く(Except when you backstab them)」。7音節になってる。
E: 完璧(笑)
S: 完璧(笑)
D: えー? なんだよぉ。(指折り音節を数えながら)「友情こそ力」「ただし裏切る場合除く」……(しばし考えたのち無言で最後の行を書き込み、レオナードに差し戻す) これ、名前書き忘れてるよ。
W: おっと。(一見して笑い出し、サインを追加) よし、3人のハイク出来上がりました。アールが「友こそ力」、僕が「ただし裏切る場合除く」、そしてダイスが「許すよばいーー(I forgive you, byeeeee)」(笑)
D: 「ばいーー」は1音節だからね(笑)。よくまとまったハイクじゃん。
W: ありがとう。いいハイクになった。
◆キャラ絵がつらい3人
絵のリクエストも枚数が重なると相当負荷になっていたと見え、後半になるにつれ面白がってばかりもいられなくなってきた3人。「えっまだあるの」「まあこれで最後だから」と言いつつ最後のキャラ絵に着手する。
D: あれ、また別に1枚描いてるの? ……もうトリオのサインやるの無理だなぁ。みんなが絵のお願いしてきちゃう(笑)
E: そうね(笑)。あるいは「トリオでは絵のリクエスト禁止です」って方向へ行くか(笑)
S: スタンプで捺すようにするとか?
D: ああー。
E: カスタムメイドのスタンプとかイケてるな〜。オールドスクールなアジアの画家みたいにさ、朱色の印をこう、サインのスタンプでやってみるとか。
D: そういうのあれば楽だよねー。
S: 封蝋に指輪で捺すやつとか。
E: おおー、シグネットリング。いいねー。
S: そうそう。(ツジ氏にむかって)……にしても再度、今日はお招きありがとね。
D: いやいやー。いいんだよ、もっと人いた方が楽しいから。こういう催しが開けるのもありがたいし。(レオナードから回ってきた絵のリクエストのサインにとりかかり)オーケー。……えっ、また描かなきゃなの。さっきめちゃくちゃいい絵描けたのに、なんでまたいい絵描かなきゃなんないのぉー。
S: (笑)
E: このあとまだ漢字のやつも来るから何の心配もいらないぞ〜。
その嘆きようを見ていたレオナードが、インスタライブ用のカメラをツジ氏の手元へ。
W: プレッシャーかけるとか全然ない。全然ないんだよ。でもいい絵(good one)描きなー。
D: もうジョン・グッドマン描くよ……。
E&S:(爆笑)
D: どうよ。彼国宝だよ。
W: だな、国宝。
(※訳註: ジョン・グッドマンは80年代から舞台、映画、テレビ等縦横無尽の活躍を続けている米の名性格俳優。優しげな顔立ちの巨漢というルックスで「いい人」役もクセのある役も悪役も幅広くこなし、声優としても人気。コーエン兄弟作品の常連)
◆そして始まる俳優談義
飲むとすぐ赤くなる方だというレオナードは、この時点でだいぶ顔が赤らんでいる。それもあって、話の内容も(日本人目線では)「俳優さんの居酒屋トーク」的な雰囲気に。
W: 『The Conners』は未見だけど、子供の頃『ロザンヌ』観るの大好きだったなー。
(※訳註: 『ロザンヌ』は80年代末〜90年代末にかけ、アメリカで絶大な人気を誇ったシットコム。ジョン・グッドマンはロザンヌ・バー演じる主人公の夫役としてゴールデン・グローブ賞を獲得した。番組は2018年に復活したものの、バーの舌禍事件で打ち切りに。その後主人公が死亡した設定でスピンオフ『The Conners』が制作された)
S: 言うまでもないような話だけど、いい番組だったよねぇ。
E: 『ロザンヌ』は素晴らしい番組だよー。やっぱ当時、労働者階級をとりあげた番組ってそんなになかったじゃない。
W: そう。面白おかしくではあっても、一家がどれだけ家計のやりくりに苦労してるかはきっちり伝えてた。
E: うん。何よりさ、そういう事情のある人たちは普通、お笑いキャラかチョイ役だったわけでしょ。その流れを変えたのが『ロザンヌ』だったよね。
W: ジョン・グッドマン最高。難なくこなすんだよなぁ、父親役にしろ、ブルーカラーの労働者役にしろ。『ビッグ・リボウスキ』での役も、彼の仕事は何でも感動ものだよ。
S: いい役者の仕事観るのって嫌になったりもするよね。なんでそんなに巧いんだよもー!! って。
E: なんでそこまでー、ってね。(サインを書きこみながら) ……漢字がすごいショボくなっちゃったなぁ。お詫びします。
W: ジョンの場合大部分は──僕ら俳優はフィリップ・シーモア・ホフマンをよく語り草にしてるし、あまり支持されない意見かもだけど、やっぱり生まれもって備わってたものって大きいよね。ジョンの場合も、とにかく見事なキャラクターでしょ。身体性や見かけが大きな持ち味になってるし。
(※訳註: フィリップ・シーモア・ホフマンは、外見的なイメージに左右されない演技力とカリスマ性を備えた米の個性派俳優。2014年に薬物の過剰摂取により急逝してしまったものの、コーエン兄弟やポール・トーマス・アンダーソン、トッド・ソロンズ作品に多く出演した。リー・ショーテンがキャリアの目標として名前を挙げていた俳優でもある)
S: 特定の役者は、演技力や本質的なところがルックスにぴったり合ってたりする。
W: 受け売りで何なんだけど、昔聞いた話で──みんながこぞって行ってた演技学校があったでしょ、NYの。何て名前だったっけ。アクターズ・スタジオ?
S: アクターズ・スタジオ。学校は色んなとこにあるね。
W: あちこちにあるか。そこの教師のひとりがポール・ニューマンについての話の中で言ってたことを覚えてるんだよ。「マーロン・ブランドのように俳優として尊敬されるキャリアがポールになかった理由は、ひとえに彼が容姿端麗過ぎたせいだ」って。
S: うんうん。
W: そこなんだよね。それでもポールはとてつもない名優。世間的にはブランドの方がすごいと思われてるとこあるけど、素晴らしい俳優だよ。
(※訳註: ポール・ニューマンは1950年代から2007年頃まで活躍していた米の人気俳優。アクターズ・スタジオ出身で、同期のジェームズ・ディーン、マーロン・ブランドとは何かと比較されることが多かった。隙のある二枚目半がとくに巧みで、『ハスラー2』のエディー役は『アンチャーテッド』シリーズのサリーのモデルではないかと噂されている。ちなみに『アンチャーテッド』実写版に主演するトム・ホランドは一時サリー役にクリス・プラットを希望していたが、クリスが目標とする俳優は偶然にもポール・ニューマンである)
◆ランダルお鼻つんつん乱れ打ち
と、そのあたりで「ランダルで他のみなさんにお鼻つんつんしてください」というチャンネルポイントリクエストが。
D: お鼻つんつんされたい人いる? (返事を待たずにレオナードへ) 未承認お鼻つんつん!
W: (鼻がくすぐったそうな顔)
E: 未承認のお鼻つんつん(笑)
D: (次はアールへ)非合意お鼻つんつん!
E:(自ら受けに行きつつ) 自分からもらいに身を乗り出しといてね(笑)。もう完全に──
S: やってもらいたかった感が(笑)
E: だよね、虐待されてるのに(笑)
D: (ちょうど対面の席のリーに対しては、ランダルを物理的にパスする構え) 投げるよ、準備いい?
S: 投げるの!?(笑)
E: 投げるんだ(笑)、投げつんつんかー。
W: (サインしつつ、リーの手元を指差して)あ、ビール。ビール気をつけて。
D: ノーズ・トゥ・ノーズでいくよ。そうしたければキャッチしてもいいけど。
S: じゃあノーズ・トゥ・ノーズ狙う。(顔を突き出して構えるリー。注意深く放ったランダルは、無事リーの顔にヒット) (笑)
D: いけたね。
この後わざわざランダルを拾ってセルフ鼻キスもキメた、付き合いの良いリーであった。
◆不意にバグるランダル
レオナードとリーが芸談に興じているのを尻目に、またもやツジ氏にあやしい動きが。
D: (カメラに向かい、無言の連続お鼻つんつんとビンタ再開)
W: (インスタライブのチャットに)ん? 「後ろの絵がツシマ」?
E: (ツジ氏宅の壁に飾ってある額装された絵について解説)そう、後ろの絵は『ゴースト・オブ・ツシマ』です。
D: (ツジ氏カメラの画面はほぼランダルが占有中)
W: (背後を振り返り、納得顔)あー。そうか。
E: 『アフロ・サムライ』のアーティストが描いた4枚の作品なんだよ。
S: いいよねえー。
E: ほんと、すてきな作品。
S: 驚異的。
D:(ランダルの動きが痙攣的に。高速お鼻つんつんの効果音は背後の3人にはいっさい聞こえていない) バグってまーす。
W: (サイン中) えー、励ましの言葉になるようなことを何か書いて下さいっていうリクエストです。今日使い始めたばっかだけど、「危険区域・竜三ーン入り」って書こうと思います。
D: (荒ぶりすぎて息ぎれするランダル)つかれてきた。つかれてきたよー。
E: 危険区域・竜三ーン(笑)
W: あまりに出来が良すぎるんでね(笑)
S: かなりうまいもんなぁ(笑)
かくして、とうとうカメラに向かって高速頭突きを繰り出すランダルしか映ってない画面に。このあたりで不穏な気配に気づいたアールの声が聞こえる。
E: え。あっちで何が起こってんの、ランダルに何が起こってんのーー!(笑)
W: 何してんの?
D: お鼻つんつんしてる! リクエストがたまってた。
E: つんつんだったのかぁ。僕はまた、「えっ交尾? 繁殖行動なの?」って(笑)。「ランダル、めっ! 新聞どこ、ランダルわるいこ!(新聞を丸めて叩く仕草) 」みたいな感じに(笑)
◆娘さんがもし役者の道に進んだら
「幼少期の仁の声を聞かせて下さい」というリクエストに応じたツジ氏に、童謡『サメのかぞく(Baby Shark)』のメロディーで「Baby Jin doo doo doo doo doo doo」と合いの手を入れるアール。その横で「ああ……」となんともいえない顔つきになったレオナードが。
W: 娘が最近、やぁっと「サメのかぞく」ブームを脱してくれてさー。
E: いいじゃん、新しいブームの曲はなんなの?
W: 新しい曲というか、『アナ雪』にご執心だね。
S: レリゴー、レリゴー。
W: 種類違いのエルサのコスチュームを5、6着持ってるんだけどさ。学校から帰ってくるなり着てたものを脱ぎ捨てて、即エルサの服に着替えちゃお姫様風に走り回ってるよ。
E: すご! 自分を持ってるなぁ。
S: かわいいー。
W: それ見て僕は、「やべえ! この子女優になっちゃうぞ」って。
レオナードはこれまでも世間話程度に家族や愛犬たちの近況をシェアすることがあったものの、何やらちょっと親バカっぽい話が出るのは初めてのことである。リーから「その時はお父さんのコネが効くといいよね」と返されて、心なしか嬉しそうだ。
W: コネってことで言えば、近寄らないようにするべき奴とかはもちろん教えてあげられるけどさ。あんまりこう、やっぱり自分の力で頑張んないと。
S: もちろんそうだね。
W: だからへんに便宜をはかって楽させたりはしない。
E: うん。自分で演技の道に進むことを決めたんなら、突き詰めれば結局は彼女のためだもんね。
(なおこの配信から数週間後、レオナードがこんな呟きというか断末魔の悲鳴を残していたことを付記しておく。
「たった今娘が『パパ、わたしテレビの中に入りたい』って言ってきたんだけどこれ女優になりたいってことだよな、マジかー自分の仕事の話は頑張って一言もしてこなかったのになんでだよおぉお」)
◆おわりに
この日の作業分のサインを書きおわり、絵葉書のプレゼントコーナーまで来たところで、ツジ氏は一息ついた様子。
D: みんな今日はどうだった? 前ほどのしっちゃかめっちゃか度じゃなかったよね。
E: 前ほどじゃあなかったね、でもダイスはこれから自分の分のサインが山のようにあるからさ。
W: (インスタライブ視聴者へ)みんなありがとう、楽しかったです。ありがと。これでおしまいかな? シメに入るとこだね。
E: うん、シメだね。
S: 僕も帰んなきゃ。
W: リーも帰るとこだしね。挨拶して。(リーにカメラを振って)
S: みんなまたねー、寄ってくれてありがとう。
W: みんな大好きだよ。じゃ、お付き合いありがとう。またいずれ会おうね。できればいろんなとこへ旅ができますように。それじゃ。
D: だねー。
E: みんながいるのはブラジル? ドイツ? オーストラリア──(リーの方を見て)僕らふたりをオーストラリアへ戻してもらいたい(笑)
S:随分戻ってないからねぇ。
(※訳註: リーはオーストラリア出身、アールもオーストラリアの劇団に所属していたことがある)
E: Supanovaコミコン! Supanova主催者さんいる!?
S: 呼んでねー!!
◆おまけ: 後日のツジ氏の挨拶
ちなみに前回同様、翌週になってソロのサインプレゼンテーション配信を行ったツジ氏のサイン会総括は以下。
D: サインを購入してくれたみんな、ありがとうございましたー。中にはリピート客の人たちもいたよね。もっとサイン欲しいのかぁ。なんでかわからないけど、ありがたく思ってます(笑)。ファンダムってもののしくみに関しては、いまだに頭がこんがらがるんだよね。ゲームを気に入ってもらえたのはわかるけど、みんなの応援の勢いにはまだ気圧されてます。なんかもう、なんでそこまで? みたいに。でも、少なくとも僕のサインは眺めるにはいい出来になったと思いたい。一応クールな見かけになるようにしたつもりだよ。みんなの手元に届いた時、見てみて「うん、お金出しただけのものにはなった。いいじゃん、いいサインじゃん」って思ってもらえるように。
(チャットのコメントを読みつつ)「『インベージョン』一気見しました」、おお、見てくれた人はそっちもありがとー。そだ、できれば──みんなにサイン会またないかなって思ってもらえればまたやるので、その時には新しい写真も追加するね。レオナードがおもしろいの使ってたし──なんてんだっけ、写真の中に写真重ねたやつ。僕も同じアーティストに、仁の画像を使った作品をお願いするかも。それに他の写真も──そう、二重露出だ! チャットは正確な用語わかってるのに僕、「写真の中の写真のやつ」って(笑)。えー、そう、あとヘッドショットね! ヘッドショットの中から何枚か使わないとだ。今は全部デジタルだから、新しい写真まだ全然プリントしてなかったや。新しいメインのヘッドショット、どれにするかよくわかんないんだけどね。僕のインスタグラムのプロフィール写真に気づいた人、あれも新しいヘッドショットのひとつなんだよ。あとここ(Twitch)のとDiscordのもなんだけど、使ってる写真は僕が「K-pop画像」って呼んでるやつ。理由は僕の見た目がガチで、この年でK-popグループに所属してる人みたいになってるから。服と髪型でそう見えてるだけにしても、まあどうでもいいか。なかなかいい仕上がりなんで。だからそう、ゆくゆくはあの写真と、『インベージョン』からもね。そのへんの写真をサイン用に使うことになるかも、ことによったら。