これだけは知っておきたい！KOC・KOL・KOS・KOF・KOBとは？中国SNSプロモーションの基礎知識

Sophie Chowの中国SNSノート

日本では、SNSプロモーションにおいて多くのフォロワーを持つアカウントや人物を「インフルエンサー」と呼びます。しかし、中国では「KOL」「KOC」「KOB」「KOF」「KOB」など、独自の専門用語が存在します。これらの用語は、中国のさまざまなSNSで共通して使用されています。

本記事では、それぞれの意味や使い方について詳しく解説します。

作者紹介 Sophie Chow

2010年に来日し、10年以上ににわたり中国のSNSを通じて日本の観光・文化・留学・就職に関するコンテンツを配信してきました。現在、中国国内で89万人以上のフォロワーを持つインフルエンサーとして活動しています。これまでの運営とコンテンツ制作の経験を活かし、企業や自治体に対してインバウンドPRや海外SNSの運営サポートを提供しています。また、国家キャリアコンサルタントとして在日中国人向けのキャリア相談サービスも行っています。

一、KOL


KOL（Key Opinion Leader）は、特定の分野で一定の発言力と影響力を持ち、他人の言動に大きな影響を与える多数のフォロワーを持つ個人を指します。

KOLという概念は、コミュニケーション効果研究に関連があり、ラザースフェルドらが著書『人民の選択』で提唱した「意見リーダー」の概念に由来しています。

モバイルインターネット時代に派生したKOLは、さらに多様化しています。従来の意味での公人とは異なり、特定の分野に特化し、明確なキャラクターポジショニングを持ち、多くのフォロワーを抱える個人を指します。彼らはフォロワーに対して強い影響力を持ちます。KOLは、日本語の「インフルエンサー」と同じ意味です。

その強力なコミュニティ基盤と影響力を活かし、KOLはマーケティング活動において重要な役割を果たしています。この結果、KOLマーケティングという概念が派生しました。

モバイルインターネット時代において、ソーシャルニーズは特に重要視されています。ブランド側はKOLのマーケティング価値を重視し、KOLのマトリックスを構築して異なるプラットフォームや異なるタイプのKOLを統合し、ブランドのために発信することでマーケティング活動を展開すべきです。

しかし同時に、KOLのキャラクター崩壊によって関連するブランドや企業に広報危機がもたらされるリスクにも警戒する必要があります。

二、KOC


KOC（Key Opinion Consumer）は、いわゆる「重要意見消費者」であり、自分の友人やフォロワーに影響を与え、購買行動を促す消費者を指します。

KOCの特徴は以下の通りです：

  1. KOC自体が消費者であり、彼らは情報や製品の「搬送者」として、経験や体験の共有を重視し、フォロワーとの相互作用をより強調します。その結果、より説得力のある関係が形成されます。

  2. KOCは個人の趣味を強調します。個人の独自性と差異性がKOC成立の鍵となり、個人のラベルが中心的なラベルになります。

  3. KOCの表現はより「リアル」な状態を呈し、無理にキャラクターを設定せず、親しみやすさと共感性を高めます。

  4. KOLと比較すると、KOCはフォロワー数が少なく、影響力も小さいですが、KOCはフォロワーにとっての「友人」のような存在であり、「信頼性」や「リアルさ」といった特徴を持っています。KOCは消費者の立場から、実際の感想を表現し、生活経験を共有し、他の消費者と交流するため、よりターゲットに特化し、コストパフォーマンスも高いという利点があります。

プラットフォームによって、KOCのPR効果はそれぞれですが、中国SNSでは、特にRED小紅書でKOCのパワーが強く、有効的だと考えられます。

三、KOS

KOS（Key Opinion Sales）は「重要意見販売者」を意味し、専門的な販売能力や特定の業界やブランドに関する深い知識を備えた強力なコンテンツクリエイターを指します。

KOSはKOLとKOCの長所を融合し、それぞれの短所を補い、専門的な視点で消費者に商品を推奨し、最終的な販売転換を実現します。

KOSの強みは主に以下の2点に表れています：

  1. KOSの役割は「販売ガイド」であり、商品を売ることが消費者に認められています。多くのKOLが商品を売ったり広告を受けるとフォロワーを失い、批判されることがあるのに対し、KOSは販売することでフォロワーにその専門性と販売能力を認められ、ファンを獲得し定着させます。

  2. KOSは消費者の購買体験をオフラインからオンラインへ完全に移行させます。KOSのライブステージはブランドの専用カウンターであり、「専用カウンター」のシナリオを基盤とすることで、消費者により没入感や共感を与えるとともに、KOSの専門的なイメージを構築します。このため、KOSは消費者と強いつながりを築きやすく、より良質な購買体験を提供できます。
    KOSは新技術や新プラットフォームに伴って生まれたものであり、企業の新しいメディアプラットフォームにおける、より立体的で包括的な販売ガイドの形態です。

KOSによるPRは、全ての領域ではなく、医薬、車、美容、健康食品など、一部高度な専門知識が必要な領域に適していると言われています。

四、KOFとKOB

その他に、KOFやKOBといった用語も存在します。一部のSNSでのみ使用されていますが、これらについても確認しておきましょう。

KOF
Key Opinion Followers
KOFはブランドの忠実なファンに近い存在です。例えば、あるブランドのリップスティックや香水を特に好む女性ユーザーがいます。新商品が発売されると、すぐに購入し、友人たちにもその商品をおすすめします。

KOB
KOBは販売業者や店舗を指すこともあります。「企業アカウント」「自社アカウント」として理解しても良いでしょう。


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