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私がどうやって広東語通訳者になれたのかを紐解いてみる(49)『追捕/Man Hunt』- 撮影終了 -

そしてなんとか撮影は終了した。

最後のシーンの撮影で「Good take~~~!」の声が掛かり、皆から拍手が沸き上がった。この時点でもう胸がいっぱい。

「監督へ花束!おつかれさまでした!」

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「では監督から一言!」「Sophie!出番!」「え?私?」「当たり前や!お前に決まってるやろ!」

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導演の「いろいろあったし、本当に大変だったけれど、みんな、ありがとう。」という言葉を聞いたらもうダメだった。涙をこらえて通訳し始めたけれど胸がいっぱい過ぎて声が出なくなった。「Sophie!頑張れ!」と声掛けられたら余計に声が出ない。

こんな素晴らしい作品に参加できて、香港電影とハリウッドの大導演の傍にいられた感謝と喜び。これでもう導演や愛しきクルー達と会えないのかという寂しさ。万感の思い。皆に大笑いされる程の大泣き。

体力気力極限状態で撮影を終えてホッとしたせいで、もうこの打ち上げの時には頭空っぽでフラフラだった。でも皆、やり遂げた充実感でとても良い笑顔だった。大人数のクルーだったからこの時の写真は山ほどあるが、全員本当に良い顔している。

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当然ちゃっかり監督にはサインをもらった。こんなチャンスは二度と無いかもしれないと思ったから。

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導演にはこの後も会えたのだけれど、この時点ではそんなことになるとは知る由も無し。

制作部として Pre-Production (前期工作)に始まり、Shooting(拍攝現場)で通訳を務めた。だがしかし、私とこの作品の縁はこれで終わらなかった。(続)

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