【タロット研究】『女帝』の空色の盾の秘密☆マルセイユ・タロット
マルセイユ・タロットの大アルカナの1枚である『女帝』はとても美しいカードです。
胸飾りや王冠、端正な顔立ち、ゆったりと構えた姿勢が優美です。
『世界』のカードと並んで、大アルカナの中で最も美しいカードだと思います。
著作権の関係から、こちらに本物を貼ることはできませんが、カモワン版マルセイユ・タロットのカードのリンクを貼っておきます。
挿絵では伝わりづらい美しさを目の当たりにしてください。
https://ja.camoin.com/tarot/article667.html
『女帝』は美しいだけではなく、神秘が隠れたカードです。
『女帝』の服装や持ち物
ウィングバックチェアに座ったような『女帝』は、片方の腕で王尺を支え、もう片方の腕で空色の盾を抱えています。
空色の盾には黄色いワシの紋章が付けられています。
日本の家紋とは異なり、紋章は「個人を識別するために」付ける図柄です。
盾に紋章があることで、戦場やトーナメントで全身に甲冑をまとっていても個人が特定できます。
ですから、黄色いワシの紋章は『女帝』の特性を表しているものなのです。
風を切って飛ぶワシは、地・水・火・風の四大元素の内の「風」のシンボルです。
「風」は知性・知識・情報などを象徴します。
ワシの紋章があることから、『女帝』が知的な人でもあることが分かります。
『女帝』の知性はどこで養われたか
さらに細かくワシを見ると、同じようにワシの盾を持つ『皇帝』の特性との違いが分かります。
『女帝』のワシの翼をよく見てみると、『皇帝』のほぼ対称的なワシの翼と異なり、形状が左右非対称になっています。
右側の翼のばらけたように開いた羽根はこなれている感が表れています。
それに対して、左側の翼の羽根は丸まっていて、卵から孵化したばかりでまだ湿っているかのようです。
『女帝』のひとつ前の『女法王』には、書物で学んでいる様子がありますが、そこが知性の生じる元になっているようです。
2枚をマンダラ通りに横に並べると――
Ⅱの『女法王』の白い卵の横にはⅢの『女帝』のワシが来るという見事な配置を見ることができます。
盾をやさしく抱えている腕
次は盾を抱えている腕を見てみましょう。
腕が少々不自然じゃありませんか?
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