日本人と(同性婚を認める国の)外国人の同性婚で特定活動ビザが許可の可能性が出てきました。理由書

さて、今日は2回連続で同性婚ビザについて書いてみます。

配偶者系のビザのお問い合わせで定番となっている同性婚のビザについて、日本国では現在大きな運用の変化を検討中です。

1,日本人と同性婚OKの国の外国人の同性婚の場合の特定活動ビザを許可す運用の検討に入ったとの点について

根拠記事ですが、2021年5月17日の読売新聞の独自報道の記事です(「独自 日本人との「同性婚」が海外で認められた外国人パートナーに在留資格…政府検討」で検索すれば読めます)。

これはどういうことかというと、ざっくり言えば、

(1)少し前(2013年)から「法的な同性婚を認める国の外国人同士が同性婚をした場合」には、日本において「特定活動ビザ」による在留が許可されるようになっていました。これはご存知の方も多いはず(いわばマルマル○○同士の同性婚OKということ)。

これは、2013年の通達による運用変更であり、2020年までに93件の付与例があります。

(2)それが今回(2021年)は、「同性婚を認める外国で日本人と婚姻した外国人同性パートナーについて、特定活動ビザ許可の方向で検討に入りました(報道記事の本文まま)」とのことです。

新聞記者はビザの専門家ではないため、やや分かりにくい表現になっています。これはいったいどういう意味か。

普通に理解すれば、「法的な同性婚を認める国の外国人(台湾・アメリカ・カナダ・イギリス・フランス等ヨーロッパ諸国や中南米等)が、外国において日本人と婚姻した場合」には「特定活動ビザ」による在留許可がなされるようになる、という意味のはずです。

つまり、日本では法的な同性婚は認められていないのですが、相手の外国人の国籍の国が認めているのであれば特定活動ビザの許可の可能性が出てきたということです(いわば日本限定ですがバツマル×○カップルでの同性婚でもOKということ)。

このようなケースは以前から当事務所にも多く問い合わせが来ており、きわめてニーズが高かったのですが、世界的な同性婚の広まりを受けて、そして日本での(同性婚を認めないことが違法・違憲であるとの)訴訟の増加(一部で違憲と認める裁判例も出ている)を受けて、運用変更に動いたものとされております。

次の記事に詳しく書いてますが、最初の違憲判決である2021年3月の札幌地裁の判決のわずか2か月後には上記の運用変更の情報が出ているのです。非常にスピーディーな動きです。

2,同性婚ビザの申請において注意したいこと。

気になる「作成すべき申請資料の内容や申請する上での注意点」についてですが・・・

同性婚の特定活動ビザであっても、実質的には異性婚の配偶者ビザの申請と何ら変わりはありませんので、配偶者ビザにおける内容や注意点を参考にすべきです。

私のアメーバブログ(およそ10年にわたり現在450個弱。すべてビザの記事です)には配偶者ビザの記事がたくさんありますのでご参照ください。数々の困難案件や不許可案件を許可に導いてきた経験があります(面談時には参考資料として作成した詳細な説明書や理由書等ごらんいただけます)。

とはいえせっかくですので、ここでも「ごくざっくりと」ですがご説明させていただきます。思いつくままに。

例えば、やはり入管が恐れているのは異性婚のビザの場合と同様に、偽装結婚の同性婚の申請がくることです。

十分な立証もなく申請をすれば(本当はそうでなくても)偽装結婚と疑われてしまい不許可になることもあります。以後の申請では立証のハードルは上がってしまい悪循環になりますので、初回の申請から(一切の誤解を招かないような)十分な説明・立証内容の申請をしましょう。

この点、一定の効果的な説明の段取りのお約束や立証ポイントは確実に存在するのですが、一般の方にはさっぱり分からないのが普通です。

審査官としては、「この案件では、こことこことここが気になるんだけどな」と判断しても、その点について十分な説明がなければ許可は出せません。

誤解されてしまうような事情や記載がある場合も同様です。

ビザ申請では、深い意味もなく何げなく使った1単語やワンフレーズが命取りになることもよくあり、これは定番の不許可パターンとして昔からずっと存在します。

他にもいろいろポイントはありますが(離婚・再婚・別居の事情があるとまた難易度が上昇し立証ポイントが増加する等々)、ひとまずここまでになります。

詳しくは配偶者ビザの記事をごらんください。年数が経っているものもありますが、配偶者ビザに関しては就労系ビザと異なりそこまで大きな変化はありません。

当事務所では1件1件じっくり丁寧に打ち合わせをしてじっくり申請資料を作成というやり方で10年超。リピーターやご紹介の方が多いのが当事務所の大きな特徴です。

入管・外国人ビザ(在留資格)申請専門 行政書士 横田あずま

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