設計事務所勤務1年目の先輩が教える即日設計のコツ
意匠設計で就職活動している建築学生は、2月に入ってから一気にピークになります。やっとエントリーシートを一通り出したと思ったら、次は即日設計の山場が待っています。
即日設計の連絡が来たら、ほとんどの場合、それはエントリーシートや作品シートの一次通過を意味します。
しかし、喜ぶのはまだ早いです。即日設計という「ラスボス」に向けた準備を始めたいところです。
筆者が2年前就活していた時に、ピーク時2月中旬に7日間の間に6日間(6社)即日設計を経験しました。更に3月1日は解禁日もあり、その日に4社の即日設計が予定していました(もちろん、うち3社は辞退するしかありませんでした)。
この記事は、筆者が実際に受けた10回ほどの実経験を踏まえながら、また現在は設計事務所で働く応募側としての立場から、これから即日設計の選考に臨む就活中の建築学生が、より納得の行く結果が残せるためのアドバイスです。少しでも参考になれたら幸いです。
即日設計で何が見られるか
通常の就職活動はエントリーシートや面接がほとんどのウェートを占めていますが、意匠設計のポストは絵が描けるという固有の性格上、作品シート、ポートフォリオ、即日設計と様々な媒体による選考が可能になります。
エントリーシートまたは作品シートは、いわゆる書類選考で、募集側に「この人に会ってみたい」と思わせなければいけません。この点においては通常の就職活動と似ています。
一方、即日設計及びプレゼンテーション(=面接)は、情報が少ない分、ものすごい設計力がないと通過できないと思い込んだりします。
確かに即日設計は難易度の高い選考と言えます。そして名前の通り設計力は見られます。
しかし、たったの4時間、せいぜい6時間では設計力の限界があること、企業側は実はよく分かっています。つまり、制限時間内で設計力を見極めることが困難であることを承知の上での即日設計です。
じゃあ設計力以外で企業は何を見ているか。
それは社会における様々な問題を総合的に捉え、自らのアプローチで提案まで導く能力。チームの中で自分の意見をはっきり伝えられるコミュニケーション能力。クライアントを前にして順序たてて相手を納得させるプレゼン能力。
もっと言えば、あなたはどんな人か、いままでどんな経験をしてきたか、その経験によってどんなことに関心があるのか、あなたの人柄も即日設計とプレゼンを通してよく分かるのです。
設計が並だけどコミュニケーション能力に長けて信頼できる人柄は採用されます。逆に設計力は抜群ですが人柄怪しまれると内定は難しくなります。
この世の中で設計力がずば抜けている人はほんの一握りです。世の中普通の人はほとんどです。あなたのライバルはあの一握りの人ではなく、普通の人たちです。就職活動だけに関して言えば、「一緒に仕事したい」と思わせるところが何より大事です。
パースが苦手でもお構いなし
ここまで長い前置きを読んでくださってありがとうございます。続きは有料とさせて頂きます。
即日設計のコツをテーマに、経験談を交えて書きましたが、いわゆるパースの描き方は書いておりません。
検索すればいくら出てきますし、本屋さんでもパースの描き方本が大量に売ってあります。加えて、筆者はどちらかと言うとパースが苦手なほうですが、それでも複数の内定を頂いております。
即日設計でパースが大事と思っている学生が多いようですが、それは勘違いです。パースの習得には理論的にすぐ理解できるとしても、経験として体が覚えて実戦レベルまで持っていくのは時間がかかります。
この記事では、パースは苦手だが難関事務所を複数突破した経験談を述べ、そして今募集側にいる立場から、即日設計を無駄なくこなすためのヒントを書いています。
意匠設計を目指すあなたに、参考になれば幸いです。
2種類の即日設計は対策別
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