中学生(娘含む)と話した、言葉について
普段、「エモい」って使ってる?
どうも「エモい」ってしっくりこない。(斎藤)工さんを尊敬する私には、「たくみモイ」を一回経由してくる。あと、時々「キモイ」と見間違えることも(老眼?)、あまり感情に訴えてこない。
語源を見てみると、もともと1980年代のロック Emoからきてる、と。メロディアスで情緒的、感情を吐露する歌詞が特徴。なるほど。だから、直感的な表現となっているわけだ。とやっと納得できた。言葉って面白い。でも新しい言葉を使うのは躊躇する。それが若者スラングなら、なおさら。だから、リサーチしてみる。
ところで、「エモい」ってどういう時に使ってる?
と中学生に尋ねてみた。「推しがエモい」「ストプリの○○がエモい」
きた。「推し」とのコラボのエモい。ますますわからない! ので、調べてみた。
ノスタルジックや予期せぬ感動、感情が揺さぶられた時、など哀愁、レトロ感、やばい、懐かしい、しみじみなども。とにかく感情が動いた時に使えるようである。
「やばい、エモい!」(←早速使用)。
そういえば、最近娘がレポートを書こうと準備している。そのタイトルが、
『「推し」の概念 』
推しの元々の意味は?
「推薦」、他の人に勧めること。「一推しメンバー」から「推しメン」、さらに簡潔化して「推しメン」となると。
推しの対象は?
特に限定なし。男女問わず、人でも物でもOK。どんなものであっても、勧めたいものは「推し●●」になる。
推しを別の言葉で言い換えると?
ファンよりももっと直感的な「好き」。だけど「好き」よりも高揚感や尊さを感じるのが「推し」。「好き」だと、母性的な愛や応援している要素が入りにくい。と言っても、「ちょっと興味がある場合」くらいの熱量でも「推し」と言える。
ジャンルの「推し」とは?
「ディズニー推し」とか「ちびまる子推し」など。結構万能。
調べて一番面白かったのは?
○○推しを大っぴらにしないため(オタクがバレないようにするために)、推している人を概念化して色と紐づけることを「概念系推しカラー」。
「推し」と「エモい」
どちらも言葉が広範囲で、感情を直接表現しようとしている点で共通する。「推しがエモい」と誰かが会話で言っていたら、迷いなく限定するために質問してしまうだろう。
「推し活」ができない娘…。誰のことを「推し」って言っていいの?と相談された。言葉の範囲が広いみたいだからいいんじゃない?と返したものの、それって相談すること?
え、でも私○○のグッズを欲しいと思わないし、買ったことも買おうと思ったこともないけどいいの?
いいんじゃない、知らんけど。
昔だったら、「○○君のこと、好きなのかな?」みたいな相談だったものが、今は「推し」の相談になっているのか?
「推しって言っていい?」って確認しなければならないほど、了見の狭い言葉じゃないと思うよ、と伝えたが、まだ悩んでいる。自由に友達と語り合って、「私、推しがいます!」というパスポートを持って、友達と会話で盛り上がり、エモを分かち合えばいいじゃないか、と思うんだけど。
誰に使っていいのかわからないの!
そこからレポートが始まっている。どこに落とし所があるのか知りたい、娘の『推しの概念』レポート。
言葉の範囲が広くて万能、しかし直感的に与えるインパクトが強い。だから使いはじめに躊躇してしまうのか。言葉に対して真面目だなあ。