メルヘン劇場ポエムの森「詩・小石」
道の すみっこにあった まあるい 小石
君は 目立たない 小石だったけど
いつも笑顔で 誰にでも 優しかったね
ある日
君よりも もっと 小さな石が 蹴られて いるのを見て
君は たまらなくなって 声を上げたんだ
「小さな 弱い石を 蹴らないでって・・・」
そしたら 次の日から
君が 蹴られる 小さな石に されてしまった・・・
小石の君は、あっちへ 蹴られたり こっちへ 蹴られたり していた
でも 小石の君は 痛いとも 蹴られたら いやだとも 言えなかった
そして とうとう 小石の君は
道の まんなかへ 蹴られて 粉々に 砕けてしまった・・・
小石の君は 粉々に なりたかったのかな?
きっと そんな事は ないよね・・・
蹴られたら 痛い!って 言ってやれば よかったのに・・・
でも それを 教えてくれる人は だれもいなかった・・・
だから 痛い!って 言えなくて 粉々になったんだ
あっ 雨が 降ってきた・・・
もしかしたら この雨は 小石の君の 悲しみの 涙かもしれないね
そうだ せめて 小石の君に 傘を さしてあげよう
だれにも 気づかれる 事もなく 粉々になった 小石の君が
せめて 濡れる事の ないように・・・
空にかかる 虹のように
この世界が 美しく 優しい世界で ありますように・・・
使用画像素材 一部イラストAC Canvaより
2023.4.26
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