影の優しさ
本日のお話は、鮮明に記憶に残る友人Cちゃんとの小さいようで大きなお話です。
*登場人物のアルファベットはめっちゃ適当です。本名とは全く関係なしです。
高3、大学入試の結果が続々と出てくる頃。私たちは昇降口付近に集まって数人でおしゃべりしていました。確かその日は、私の第一志望の合格発表日から間もない頃だった気がします。
私の第一志望は私の高校でも受験する人が多く、進学する人も多いような学校です。だから、あちこちに同じ第一志望の子がいる状況。受験前は仲間が多くて心強いかもしれません。でも、合格発表後は、落ちた人間からするとちょっぴり辛いような状況でもありました。
正直、私の学力レベルでは厳しいレベルの学校でした。それに、そんなこともあって、受験期は心のどこかに諦めが居座っていて本気で全力で勉強したとはとてもじゃないけど言えません。だから、落ちても仕方ない状況でした。けれど、他の人が受かっているという状況は、自分の情けなさを映し出します。特に発表から間もない時期にはダメージが大きいですよね。あんまり覚えていないけど、なんとか情報をシャットダウンしようとしていたかもしれない。
そんな中で、それは起こりました。
W「あ!Pちゃん!受かった!?」
P「受かった!Wちゃんも!?」
W P「わーい!これからもよろしくね〜!!」
WちゃんとPちゃんはどうやら第一志望の学校に合格したようです。2人とも私と同じ第一志望でした。もちろんそれは2人の努力の結果で、私も心の底から祝いたいことです。でも、当時の私にはそんな気力はなくて。目の前で繰り広げられるその会話に実は少し心がやられていました。私はそれを隠していたつもりでした。
そのときでした。
「なんか寒くなってきたからあっち行こ。」
Cちゃんはそう言って、昇降口でおしゃべりしていた私たちを階段の影に移動させました。
そのとき、ふと思ったんですよね。多分Cちゃんは気付いていたんだろうなって。私が目の前の光景にちょっと心がやられていたことに。だから、私をwちゃんとPちゃんから離れさせようとしてくれたんじゃないかなって思うんです。
私の考えすぎって言われるかもしれない。けど、Cちゃんって実はすごく周りのことを見ている人だって私はなんとなく気付いていたので。そう思ったんです。
私とCちゃんの出会いは、高一のクラス。
まだまだ真面目ちゃんオーラ全開の私に、たった一つの共通点から声をかけてくれたのがCちゃんでした。同じ部活で、ほぼ毎日一緒に帰ってました。
正直、性格は全然違って考え方や捉え方も全然違いました。帰り道、「私はこう思うんだけど」「うーん私はこうじゃなくてそう思う」っていう会話になることもしばしば。
部活以外で関わる友人のタイプも全然違うように感じました。なのに、Cちゃんは私をたくさん誘ってくれたんですよね、ご飯とか。引退後もクラスが違うのに、わざわざ私のところまで来て「一緒に帰ろう」と声をかけてくれたんです。私なんかと一緒でいいのかな?って思うこともあったけど、声をかけてくれたことが嬉しくて。何年もたった今も覚えているのです。
そういう人だから、あのとき本当は寒くはなくて、私の心を見透かしていたんじゃないかなって思うのです。Cちゃんがはっきり言ってたわけじゃないから真相はわからなくて、お礼が言えないまま何年もの月日が経ってしまいました。
何年もたった今もはっきりと思い出せるほど嬉しかったし、正直Cちゃんかっこいいって思いました。
今更だけど、あのときはありがとう!!
では、素敵な1日になりますように…