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東京な日

明日こそちゃんと出かけよう。そう決意してすぐに映画のチケットを取った。「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト」だ。八月に公開されてから観よう観ようと思っていたが、もう九月も終わりそうだ。熱狂的ファンの友人は八月上旬の内に三回観に行ったらしい。私はというと、そこまで熱狂的という訳では無い。毎週アニメを見ているという、ただのファン、だと思う。劇場版だって一度も映画館では観たことがない。とりあえず映画館で映画が観たくて上映スケジュールを見たところ、そういえば気になっていたな、と思いチケットを買った。
いつもは新宿のTOHOシネマズで観ていたが、上映スケジュールが遅い回しかなかったことと、いつもとは違う場所に行きたくて、日比谷のTOHOシネマズに行くことにした。

映画は午後四時四十分からで、日比谷に着いたのは午後三時頃だった。というのも、始まるまでの間にどこかまた喫茶店にでも寄ってみたかったからだ。しかしさすが日曜日の日比谷。お目当ての店は行列ですぐに入れそうにないし、ほかの店にしようにも、これまたどこも行列だった。諦めて地下一階のスターバックスに行き、「焼き芋 香ばしカラメル フラペチーノ」と「スイートポテト&バニラシフォンケーキ」を注文した。少し感動したのは、以前ダイエットをしていた時にスタバに入って、カロリーを気にして食べられなかったケーキを、ダイエットをやめた今、罪悪感なく注文し、罪悪感なく食べられていることだ。嬉しい。美味しい。少し残念なのは、私の食べ方が下手で、早い段階でケーキが倒れてしまい、周りに着いていたクリームが根こそぎ皿に付いてしまったこと。あるあるだとは思うけど、ちょっと悔しい。
「焼き芋 香ばしカラメル フラペチーノ」は前にも飲んだことがある。たまたま知り合いからギフトを貰っていたので、誕生日に使って飲んでみた。焼き芋もの香りとチャンク、カラメルソースとチップ、カリカリとした食感と心地のいい甘味をもう一度飲んでみたかったから、案外お洒落すぎるカフェ達が行列で良かったかもしれない。しかし映画を観る時にポップコーンを買おうと思っていたのに、少々お腹いっぱいかもしれない…。見通しが甘かった…。

スターバックスを後にし、映画館へ向かう。正直ポップコーンはいらないかと思ったが、甘いものを食べたせいでしょっぱいものが食べたくなってしまった。なので、いつもはキャラメルかいちごみるくしか買わないが、初めてバターしょうゆ味のポップコーンを買った。一番小さいと思って注文したが、映画館サイズのMサイズはあった。戸惑いながら店員さんから受け取り映画を鑑賞した。絶対完食できない、どうしよう、と考えていたが、映画の中盤頃にはペロッとなくなってしまった。己の胃袋が怖い…。
今までのヒロアカの映画は、本編とはストーリーが特に被らないように出来ていたと思うし、今回もそうだったが、今回は世界観が統一されていて、本編のどの時間軸なのかがすぐにわかったように思う。映画の始まりから最後まで、バトルシーンが洗練されていて、観ていて楽しかった。私は個人的に耳郎ちゃんが好きなので、デクと同じチームで登場したときとても嬉しかったです。

映画が終わったのは午後七時前だった。せっかく日比谷まで来たのにミッドタウンだけで終わらせてしまうのは、なんだか名残惜しい気がして、少し歩くことにした。
ミッドタウンから日比谷公園へ歩くと、沢山の人が出てきた。近くで何かしらのイベントかライブがあったのか、みんなタオルを首にかけたり、銀テを持っている人もいた。そんな人達の流れに逆らうように、私は日比谷公園の中へ入った。実は日比谷公園にははじめて行った。暗くて見えない所も多かったと思うが、噴水がライトアップされていて綺麗だった。向かいに何かお店があるので向かってみると、「松本楼」というお店があった。暗くてもその高級感と歴史があるのを感じた。メニューをちらっと見て、ポップコーンでいっぱいのお腹には何も入りそうにないのを感じ、「いつか来よう」、そう思ってその場を後にした。
そんなふうに、ミッドタウンから東京駅を遠回りしながらぐるっと回って気づいたが、こんな風に少し歩くだけでも、東京駅周辺の見え方はガラッと変わる。丸の内や劇場周辺は落ち着いた高級感のあるビジネス街。日比谷公園や皇居周辺は自然を感じる。有楽町や銀座は、高級な街という印象だが、賑やかで見ているだけでも楽しい。美味しいお店もきっと沢山ある。たった一箇所で、色んなところを回れるような、そんな魅力がある。今度は、誰かを誘って三菱一号館美術館に行って、「Cafe' 1894」に行ってみたい。

早く文章にしたくて、ぐるっと回っている途中の東京駅八重洲中央口で、突っ立ってこれを書いているが、もうこんな時間だし、立っている方が足が痛くなってきた。明日はアルバイトの面接だし、早く帰って書きかけの履歴書を書かなければ。

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