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頭を使った日

本当は初投稿の時に自己紹介とかをするものなんだろうけど、昨日は特に重要じゃないだろうと適当なことを投稿した。だけれどこうして自分の日記のように書く時には、前提として自分のことを書く必要があることに気づいた。だから今更、自己紹介しながら今日のことを書こうかと思う。

私は売れない役者をしている。地元は東北で、二十歳の時から二年弱芸能事務所の練習生をした後、二十二歳で上京し二年制の専門学校へ入学。卒業したあと、また別の芸能事務所にお世話になっている。
事務所では週二回のレッスンがある。今日はそのレッスンの日だった。

私は気持ちの浮き沈みが激しく、ちょうど暗くなりかかっていた。そんな時レッスンで急に先生に当てられ固まってしまった。他の子が答えたことに補足をしろということだった。正直その他の子以上に答えられない。テンパって絞り出した答えの後、仕方がないからやって見せろとのこと。これまたどっこい。私自身苦手な事柄で、盛大に間違えた。教室にいる全員から「いやいやいや」とか、場を和ませる笑いが飛んできた。その後も私は間違い続け、周りに申し訳ない気持ちと、間違えた上に滑ってシラケた、という恥ずかしさ、言われたことが出来なかった悔しさに襲われ、多分バレてはいないと思うけど、少し泣いた。ただ、レッスンの最後にやった芝居で、自分としてはいいものが出来た実感があった上に、ダメ出しも特に飛んで来なかったため、良かっんだ、と言い聞かせることにした。

レッスンが終わった後、私は放心状態だった。吐きそうになるまで頭を使ったからだ。ボーッとしながらメイクを直し、稽古場を後にしたあと、仲のいい同期が「この後暇?」と聞いてきて、一緒に今渋谷のPARCOで開催されている「ミッケ!であそぼう展」へ行ってきた。私は幼少期ウォーリーを探せしか触れてなかったためとても新鮮だったし、同期は実家に沢山絵本があるくらい小さい時は沢山ミッケ!に触れてきたからこそ、思い出も相まっていきいきとしていて楽しそうだった。しかしお互い頭を使いすぎて頭が痛くなっていた。私はレッスンで既に大分HPが削られていたものの、普段一人じゃなかなか行こうとも思わないため、知らない経験が出来て楽しかった。煮詰まっていた心は少し楽になった。

ミッケ!を楽しみすぎてバイトに遅れそうになった同期と別れ、私は一人で三軒茶屋の喫茶店に来た。最近少し辛いとか、しんどいと思った日、疲れた時には喫茶店で本を読むというのが、自分にはいいと思えてきた。ちょうど晩御飯時でお腹も空いていたのでオムライスと、デザート代わりにミルクセーキフロートを注文した。昔ながらのレトロで素敵な店内と、昔ながらのオムライス。ほかほかのチキンライスには、シャキシャキと食感の残るピーマンと玉ねぎが入っていて、ほんの少し濃い味付けだけど、卵がマイルドでちょうどいい。ミルクセーキもまさに昔ながら。それこそ最近飲む機会はあまりないように思う。あまり見かけなくなったし。甘いミルクセーキの上にバニラアイスが乗っている。少し痛いかもしれない言い方だけれど、甘さに甘やかされたように、あれやこれやの間違いだの、恥ずかしさだの、悔しさだのは、だんだんと薄れていった。

ちなみに今日持ってきた本は吉田篤弘さんの「月とコーヒー」だ。しっかり読む気満々だったけれど、この文章を書くことに集中してしまってもうミルクセーキが半分以下になってしまった。これを投稿したら残り少ないミルクセーキをちびちび飲みながから、少しでも読み進めようと思う。

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