【Americanは全員がアーティスト?!】初めての「お花の教室」をMiamiで開催したら、の巻
Hola〜!お久しぶりです。
今回の記事は2023年6月5日に書き溜めていた記事の再編です。
先月からフルタイムの仕事をし始めて、結構大変な毎日のワタシですが、ちょっと今日は4−5月に開催したお花の教室について書いてみようと思います。
知人がティーサロンをマイアミで開いているのですが、4月に久しぶりに彼女のお店に行きました。
彼女は日本や台湾、中国、ベトナムなどアジア各地からお茶を仕入れて、お茶の文化をマイアミで広げようとしているなんとも素晴らしい趣味の方。(マイアミではお茶の文化は皆無に等しく、ほぼコーヒーです。)その彼女が1ヶ月ほどアジアにお茶の買付の旅に出るということで、その間にティーサロンを使って何かできないか?ということで、「お花を教えるのはどうかしら?」と提案があり、その言葉にすぐに「Let's do it !!(やりましょう!)」と乗っかった私。笑
こっちに来てから3年、お花を教えることはずっとしたくても色々な都合でできなかった私。
今回はタイミングも良かったので、一気に進み、すぐに告知をし始めた私たち。
5週間、毎週日曜日に教え、最終週はMother's Dayというスペシャルな日も含め、企画しました。花を用意するのに最低人数も必要なので最初は大丈夫かなぁ?と不安でしたが、結果は毎週、満員御礼となり成功だったかな!と思える結果となりました。
ただ、この5週目まではそれなりの試行錯誤があり、マイアミで開催するとこうも違うんだな、と「先生」を悩ます珍事件があったのも確か!笑
なんと言っても一番の洗礼は一週目だったでしょう!
一週目は10人予約をもらい、2人キャンセルだったのですが、それでもテーブルも結構キツキツでの(そのため、次週からは6人に減らしました。)スタート。
まずは2時スタートといっても2時に来ないのが当たり前なマイアミ。時間通りに来ていただいている方もいるので、ここですでに「あぁ、15分前に必ず来てください」とか注意しておけばよかったな、と反省した私。(私は仕事もしているため時間に厳しいタイプです。笑)
結果15分ほど待ってスタート。
私の生い立ちと美味しいお茶を飲んで楽しみ、少しリラックスしてからのスタート。
日本で教えていた時からの私のクラスの進め方は生徒さんにまずは自由に生けてもらい、終わったと本人が思ったところで私が確認し、手直しをします。もちろん習って時間の経った方や上級者の方は手直しなし、ということもありますが、初めてのクラス、という方たちはかなり手こずるので、手直しをしてこういうふうに変えられますよ、と教えるのが大体です。
参加した8人にお花を渡してスタート、としてから、大体日本人の方だと30分−1時間くらい、ああでもない、こうでもない、と試行錯誤しながら仕上げます。なので、1時間いつもそのプロセスの枠をあけているのですが、、、、なんと!!!10分もしないで、「できました!」と声を上げる生徒さん。
「おぉ~!!早いな!」と心の中で感じながら、その生徒さんのもとへ。
まさに、直感的!!笑 考えたり試行錯誤、というよりかなり感覚的な感じ。そして花も半分くらいしか使っておらず、大事なものが抜けている。基礎の技術も何も知らないので、まぁ、褒めるだけにはちょっと早いかな、とアスキ先生は全体を見て、手直しをし始めます。
「素敵ですね!ただ、ここがちょっとこう直したもっと見え方が変わるので、この残っている花を加えてちょっと変えて見せてみますね!」と生けてある花を一部とって手直しを始める私。
するとその生徒さんは「私はその花は好きじゃないので使いたくないです。」と言い始めます。
「OK,了解。ではちょっとこれだけは使ってみて、ほかはナシにしましょう」と数本足しました。
ただ、彼女はそこに感心しているというより、「私の、、、花を、、、変えたわねぇ〜っっっっ、、、!!!」という感じで私をジロリと終始睨みつけていました。笑
その視線を感じながらも手直しを終えると、横の生徒さんはその1番目に終わった生徒さんのお友達で一緒に参加している方ですが、彼女も終わりました!と言うので、横に駆けつける私。
、、、なんか花が多い??
「あ、花は私が使わなかったやつをあげたの、彼女に。好きじゃないから!」と先に終わった生徒さんが言います。
あぁ、そういう物物交換とかしちゃうわけね!好きじゃないからね!笑。と多少びっくりしつつも受けいれた私。
しょうがない、と今度は私が花の茎についている小さな葉を取り除こうとすると、その生徒さんは
「え!!私はそのままが美しいと思っていたのに!!」とムッとした顔で言います。私は
「あ、これは少し掃除するような感覚で葉を取ったほうが、さっぱりしてごちゃごちゃ見えなくなりますよ。」と言いましたが、彼女は
「いや、私はこのままでいい。」と毅然として言うので、
「OK、ではこのままで残しますね。」と諦めた私。
そして他の箇所もバランスが悪いところを直そうとすると、ついに彼女はイライラのレベルが再頂点!という感じで明らかに不機嫌そうな顔で私を見つめているので、私もさすがに無視できず、
「、、、触らないでほしい?このままの状態でいたい、というならそれでもいいですよ。」と言うと、それが当たり前でしょ!と言わんばかりに
「えぇ、直さないでください!これが私の完璧で美しい作品なんだから!」と言うので、また「OK!分かったわ。」と言って引き下がりながらも心の中ではえぇぇぇ〜〜!!!!!!!!!!!!!!!衝撃的!!!!という顎が外れる、もしくは目がビョーンっと飛び出る感じの私がいます。笑
「直さないで!」って私の教える立場の経験上で言われたことないなぁ!スゲ〜な、やっぱりマイアミは!!!笑 とか心の中でつぶやく私。
頭がかなり混乱しながらもアスキ先生は先生の手前、冷静を装うのに必死。
そうこうしていると他の生徒さんが「終わりました〜!」というのでそちらに移動。
器も私が事前にテーブルに用意しているのですが、、、なんか器の組み合わせが違う、、、??
と思うとなんと横の生徒さんの器と勝手に入れ替えていました!
「この器よりこっちが好き!だから変えたの!」
器のコンビネーションは練習する目的で意図的に配置と組み合わせを選んでいるので、私は彼女が勝手に変えたことにびっくり!
もう時すでに遅しなので、色々言わなかったですが、この変化球に、心の中でまた、WHY WHYYYYY~~~??!!! なぜ、何故なんだ!!笑、と叫び、頭がグルグルし始めている私!笑
彼女を手直しし、また違う生徒さんの手直しをしていると、さっき手直しをした彼女がまた見てほしい、と言います。
あれ?あの後また考え直したのかな?真面目な部分もあるんだなぁ、と思い彼女のところへ行くと、先程手直しした器ではなく、2人レッスンをキャンセルした人の空いている器に移動して、なんとそこで生け直していたのでした!
彼女は「今度はこっちの器で生けてみたくて!」と無磁気に言うので、
「OK!じゃあ、この器の場合はこうですね。」とそこでも手直しを見せた私。
結果、彼女は3回!!違う器で生け直す、という荒業を当たり前のように成し遂げ、彼女のパッションを感じつつも、3回も手直しするのも結構大変で、よく言えば、彼女はこの教室のレッスン料の元を取ったでしょう!笑
全員の作品が出来た後、イライラが晴れない方も明らかだったので、クラスの最後に一言、
「今回私が手直ししましたが、皆さんが下手、不正解ということではないです。バリエーションと技の手本というところで、こういう風にもできますよ、という例を見せただけなので、ネガティブに捉えないでくださいね。」と言いました。
すると、つかさず、前述に直さないで、と言った生徒さんが、「そう、正解不正解があるわけではない。みんな正解なのよ!」と「Justice is served !(正義は下された)と勝ち誇った顔で私を敵のような顔で一言付け加え、1週目は幕を閉じました。
クラスが終わって、この日アシスタントで手伝ってくれたティーサロンの男性が「あすき、どうだった?今日は」と聞くので、「今日はどう、、、て言うと、、、まぁ、とにかく色々と勉強になりました、私が!笑 まず、予想以上に生けるのが早くて5−10分でみんな終わってびっくり。かなり直感的&感覚的。あとは手直しを嫌がる、不快に感じる、というのは日本人のお稽古の感覚とは全く違うから、新しかったわ!初体験!」と言うと、彼も
「あぁ、それは明らかに文化の違いだよね。僕もあすきが大胆に手直ししているの見て、正直に言うとびっくりしたよ!あすきは恐れないで直すんだな!て。こっちの教室の先生は直す、ということはしないからね。こっちはみんな表現の自由、というところで全員がアーティスト感覚だから。」と言ったので、
「あぁ、やっぱりそうなのね。日本ではお稽古、というのは先生と生徒さん、いう関係性、もっと言うと華道などは伝統的、精神的な習い事であって師と弟子の関係から、習う、学ぶ、Masteryする(習得、体得する)ということ。技を習うという部分も大きいから、手直しをする、というのは普通のことなんだよね。むしろ、直さなくてもいい、て思っている人は何を習いに来たの?完璧だと思っているならレッスンにお金払って習いにくる必要はない、ていう感じに捉えるかしらね。」と言うと、
「それは間違いないね。でもその感覚はこっちの人には慣れていないものだから、次回からはそのあすきの目的を伝えた方が良いね!」と2週目からは最初に「華道」の「道」ということはどういうことなのか?音楽も瞑想するような静かなものにして静寂な時間を作り、習い事の精神的な意味合いを伝えながら行いました。
そのような最初の豆知識と精神的な講座を教えることで週を追うごとに生徒さんの知識も深くなっていったのでした!
クラスのうちの3人は毎週5週間受けてくれて、彼女たちも1週目は5分で終了していたのが、5週目では30分ほど悩むようになり、色々試行錯誤して前週のおさらいや反省を活かしたりして改善しようとする姿を見るのもとても新鮮でした。
また、そのうちの1人は自分の家の器を使って生けたい、と家から花器を持参してきたり、家でも生け直して練習した写真を私に送ってくれたり、と、まぁ、熱心さが伝わり、最後はアスキ先生も感動と安堵で、5週目を終えることができました!!
余談ですが、私はファッションの世界で生きてきたので、教える時は自分らしいファッションで花を生けるのと同じように自分のスタイルを見せることを意識して服を選んでいます。5週連続で来てくれた生徒さんが、最初はTシャツとスエット(こちらは車社会なので日本のようにオシャレする必要性を感じていないのですね。笑)、部屋着のような格好で来ていた生徒さんが週を追うごとに段々とカラフルな洋服に変わり、最終週はどこに行くんですか?!というくらいのドレスアップで来たので、「今日のファッションすごく素敵ね!今日はこの後どこかに行くの?」と言うと「アスキがいつもカラフルですごくオシャレだから、私もオシャレしたいって思ったのよ!」と言ってくれて、私もファッションのマジックは理解しているつもりでも、実際にそう感じてくれたんだ、と思って嬉しくなりました。
花器に関しても、私はこだわりがあるので全部自分で選んで、車に積み込んで持っていきましたが、「こういう器はどこで買うの?器が変わると全然違う!楽しいぃ〜!」「あとお花はどこで買うの?どうやって選ぶの?何がコツ?」と皆さんお花や器探しにも興味を持ってくれたので、苦労が報われた思いでした。
私は生活の中で(特に都会に住んでいる方へ)堅苦しく考えずにお花を生けることを楽しんでほしい、クリエイティブな気持ちと自然の繋がりや愛おしさを育んでほしいと思っているので、最終的には自分が伝えたいやり方やメッセージが伝わり、それをきちんと飲み込んでくれる人が残って(1週目の直さないで!といった彼女たちはその後来なかったのはもうお分かりですよね!笑)本当によかったなぁ、と思い、そしてそれを純粋に楽しんで進化している姿を見るのは教える立場としては一番嬉しい結果なので、冷や汗の珍道中でしたが、楽しい5週間となりました。
そしてここまでも「教室、レッスン」の概念が違うというのは衝撃的で一生忘れない思い出となりました!笑
今後も場所があれば、こういう教室をやりたいなぁ、と思っています〜!!
ではでは!
Hasta Pronto!
マイアミにいて、アーティストとしての夢の実現のために日々精進しているので、応援したいな、と思う方、是非応援お願いします~! 皆さんのサポート無駄にしないよう頑張ります!