Kanraさんとの対談。
2019年1月18日、1NEからファンにとって衝撃的なRoster発表があった。
1NE:GSにAkira90さんが加入。
そして、1NEといえば、GSと言えば、の Kanraさんが前線を離れる。
画像編集等でKanraさんの活動のお手伝いをしていたご縁で事前に今回のお話を伺っていたため、それならばと、熱狂的なファンの一人として対談をお願いしたところ、「okay」と快く承諾してくれた。
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《1NE Glory Stone》
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Akira90:Twitter | Twitch | YouTube
🚗Kanraさんにだからこそ聞きたい色々なこと
✅ロケリから離れることを思い立ったのはいつ頃ですか?
Kanra:去年の12月半ば、ロジクールより前です。
すーも:大きな大会を前に離れることを考えたのはなぜですか?
Kanra:もしロジクールで優勝できたら日本一となり目標がなくなるからです。リアルを天秤にかけた時、日本一をキープするだけではロケリを続ける理由に足りえません。
すーも:なるほど、現状ではその先が見込めないからということですね。目標となるものがあったら続けていましたか?
Kanra:はい、続けていました。
すーも:1NE GSに籍はおいたままにするとのことですが、戻ってこられるという認識でいいんでしょうか?ファンが一番気になる部分だと思います。
Kanra:今はまた戻りたいと考えています。年内に戻れたら2ヶ月以内に1NE GSに相応しい実力になるつもりです。ちなみに今は全くロケリができません。
すーも:絶対に戻ってきてください。
Kanra:はい次(まがお)
✅しばらくロケリから離れるということで、チームメイト、ファンに対して何か伝えたいことはありますか?
Kanra:チームメイトに対しては、戻った時に嫉妬するので僕より良いチームプレーはしないでください。でも大会は勝ち続けてほしいです。
ファンの方に対しては、たまにノートや動画を観てくれたら嬉しいです。
すーも:戻って来られた時にロケリ界がどうなっていたら理想的ですか?
Kanra:チームプレーが出来て当たり前なチームが4チームくらいあると理想ですね。僕が下手くそと呼ばれるほど全体のレベルが上がっても良いのですが、さすがにそれは落ち込みます。
すーも:先程もチームプレーに触れていらっしゃいましたが、やはり勝てるチームはチームプレーができているということですか?
Kanra:どんなスポーツやゲームでも定石、セオリーがありますよね。
その定石をなぞっているのがGSだけのように見えます。スタンダードはチームプレーが定石でセオリーです。知識が少ないと定石を知らなかったり、スポーツなら知っていても実行できないかもしれない。
まず、アジアのロケリにどれだけ定石が浸透するのか、その後どれくらい実行出来るのかに注目ですね。
すーも:それを実行できていたGS、やはりコーチの存在は大きいんですね。
Kanra:コーチは大事です。アジアに定石がなかったのでRyuu(1NEの元コーチ)は革命の発端だと言って良いかもしれません。
✅1NE GSが世界でどれくらい通用するかpingの影響なしで見てみたいと
日頃から思っているんですが、ご自身はその辺りをどう見ていますか?
Kanra:チームでは、140pingでOCE TOP4のチームに対し3割か4割勝てました。5番目と思われるOCE Justiceにはスクリムで勝ち越した事もあります。
個人では、OCEのダブルスランクでKamii、TorsosそれとShadey、Expressに対して勝ったこともあります。当然味方も強かったですが。
※pingの影響について、6mansの記事より
《pingの影響について》
結構ハンデを感じる。
自分以外の人が50/50になりそうなとき、なったときに反応が遅れる。
自分が50/50する時に不利になる事や触ってないことになってる事が多い。こういう少しの遅れでいつもと違う動きになってやりづらくなる。
(1NE GS ReaLizeさん談)
Kanra:少し大げさに言うと140pingでOCE TOP4と互角に近い。
NAであればダブルスでEGペアに勝ったこともあります。これは動画がありますね。もう一つも動画にありますが、NA Rank Sのレベルに近いスタンダードでもなんとかプレー出来ました。
Kanra:ここまで僕の話ですがReaLizeにおいては技術力の点で間違いなくRLCSレベルです。
すーも:動画は何度も拝見しました。ping差なしの試合を想像すると興奮しますね!!!!!!
Kanra:つぎ!(効率厨)
すーも:…では、pingの影響のない国内のお話をお伺いします。
✅ロジクールの決勝戦は全員がGCだったにも関わらず圧倒的な実力差があるように伺えました。今シーズンはGCが更に増えたとRaquaさんも仰っていましたが、やはりGC内で実力差があるのでしょうか?
Kanra:本当は6mansのレートを基準にすべきだと思いますがランクのレートを基準にしますね。
チャンプ1の最低ラインが1100くらいですかね。そしてGCの最低ラインが1515です。400以上も差がありますよね。
すーも:はい。
Kanra:僕の最高レートが1900くらいでGCと比較するとC1-GCに近いほどレート差があります。なのでGCと一括りにするよりは「GC帯」と言った方が良いかもしれません。
すーも:wow…つまりGCの中でもグランドチャンピオン1とグランドチャンピオン4くらいの差が存在するということですね?
Kanra:そうなりますね。
すーも:GC4の実力を持つプレーヤーは国内に何人いると思われますか?
Kanra:3人か4人ですね。
すーも:少ない!同じレートでスクリムができない人数ですね。
Kanra:おそらくどの国でもほぼ実力差のない6mansはやってないので仕方ないです。スクリムすら出来ないのは悲しいですけどね。
Drippayも同じ気持ちだったのではないでしょうか。もちろん僕はDrippayのように上手くないですが、心境は多分似てます。
すーも:なるほど。今以上に成長するためには、国内で近いレベルの実力を持つプレーヤーが足りないということですね。
そういう意味でもKanraさんが戻って来られた時にGC3やGC4のプレーヤーが増えているといいですね。
Kanra:そうですね。
すーも:その実力差を埋めるための大きなものがプレイ時間だと思いますが、異論はありますか?
Kanra:いえ。同じ考えです。
すーも:以前からKanraさんは考えながらプレーすることの重要性を話していらっしゃいますが、ただプレイ時間を重ねるだけではあまり意味がないということですよね。
Kanra:その通りです。ただしプレイ時間が多いのは前提です。
すーも:はい。次の質問に行かせていただきます。
✅トップ層にとって必要なこととはなんでしょうか?
Kanra:さきほど定石と言いましたが、それについて少し掘り下げますね。
すーも:はい、お願いします。
Kanra:なぜスポーツをやっていない、むしろ苦手な人でもスポーツを観戦するのか気になり調べたことがあるんです。どのサイトにも好きなプレイヤーがいるからと書いてありました。皆さんも同感だと思うのでこれは置いておきます。
他の楽しみ方として、戦略を知り、ボールを目で追うだけではなく、定石やセオリーを観るんです。
将棋が好きなのでこれに例えると、30手くらいは定石があるんです。その30手の中に落とし穴があったりするんですが、まあプロは落とし穴にハマらず定石通りに対戦が進むでしょう。定石は研究され続けていますが、さすがに限界があり中盤から後半は定石とは無関係なんですよ。藤井聡太という中学生のプロ棋士が話題になりましたが、後半戦がめちゃくちゃ強い。そして解説者もわからないような一手を指し、後になってみれば有利になっている。だからスター性があったんだと思います。
Kanra:将棋じゃなくてサッカーで例えますね。
すーも:はいすみません。
Kanra:サッカーに例えると今のシュートがあったのはあの位置で待っていたからだなとか、予想通りのパスが通っても嬉しい。これらの定石を裏切り、個人プレーで魅せることができるプレイヤーは意外性がありスター性があるんだと思います。
Kanra:でも定石通りに動くのが片方だけだったら?多分勝敗は決まっているし、定石を想像する楽しみが半分になりますよね。
両チームが定石通りに動いて初めて接戦になり観ている方も最高に楽しい。
スター性、意外性と言えばReaLizeです。彼が定石から外れたプレーをして良い状況を作る。それがあればもっとロケリは観ていて面白くなります。だからトップ層には定石が備わっていないと観て楽しい試合になりません。つまり必要なのは最低限の定石だと思います。
すーも:よくわかりました!
Kanra:ロジクールでReaLizeに僕がパスを返したシーンがあったと思いますが、
すーも:覚えてます!!!
Kanra:ReaLizeと僕の中であれは定石の一つなんです。けど実況解説は僕がシュートするという定石しかなかった。勉強不足と言いたいわけではない。まさにあれが、「定石から外れたプレーに見えると興奮する」という証拠です。また、僕のパス返しも定石の内だと捉えた方がいれば、優越感を覚え、より興奮すると思います。
すーも:ReaLizeさんとKanraさんならこうするかもなっていう想像と当たった時のニヤリ感や、またそれを超えるプレーをされた時の興奮ですね!?
Kanra:そういうことです!
すーも:つまり他のチームには、GSが定石として実践していた立ち回りやチームプレーを身に付けて欲しいということですか?
Kanra:そうですね。最低限の定石(5000時間)。
Kanra:冗談です。戻ったらリハビリ付き合ってください。
すーも:冗談に聞こえないでは次に、みなさんが気になっていそうな事をお伺いします。
✅コーチングの募集をされていましたね。海外ではゲームのコーチングサイトがいくつもあり、ロケリのコーチングサイトもいくつかあります。日本ではまだあまり馴染みがない文化だと思いますが、思い切ったことをされましたね。
Kanra:はい。損はないのでツイートしてみました。でも声をかけてくれたのは数人でしたね。
すーも:数人ですか。恐らく色々なご意見があると思いますが、少なくとも私は、縁もゆかりもない一般プレーヤーが、謝礼を支払うことで何の遠慮もなくプロを独り占めできるすごいチャンスを与えてくれたなと思いました。
Kanra:すごいチャンスですが、「上手くならなければいけない」プレーヤーはいないんですよね。控えめにバイト並みの値段にしてみました。それでも「上達を強いられている」プレーヤーはいないので応募は数人という結果になりました。声をかけてくれた方はありがとうございます。
すーも:やはりeSports元年である日本ではまだ中々難しいビジネスですね。
Kanra:ロケリを数十時間プレイするよりも2時間コーチングを受けた方が上達は早いです。でも上達以外のところでも楽しく感じているプレーヤーにとって本当にどうでも良いんですよ。だから無料で募集したとしても集まる人数は変わらないと思います。
すーも:なるほど…納得しました。
✅最後に、しばらくロケリから離れられるKanraさんからロケリ勢のみなさんにプレゼントがあるようです。
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Kanra:ダイヤ、チャンプ向けで難しくはないです。取れる選択肢が多い状況を想定して作ったので色々試してみてください。それとエアリアルはジャンプする瞬間に車体が遅くても強く撃てます。
Kanra:ブレーキして完全に止まっても二段ジャンプしてブースト使えば良いエアリアルができます。という意味です。
すーも:はいすいませんでした。
🚗しめ
すーも:たくさんお話していただいてありがとうございます。
ファンの一人としてKanraさんのオクタン(時々ドミナス)が見られないのはとても寂しいですが、ロケリ以外の活動も応援しています。
Kanra:こちらこそありがとうございました。戻る頃には皆この記事を忘れてると思って言いたいこと言えました。
すーも:お体には十分お気をつけて、また配信楽しみにしています。
Kanra:ありがとうございます。
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私がロケリにハマったのが2018年の春頃。
ロケリについて調べていると、日本語のロケリ情報サイトがあまりに少ない現状(当時)と、国内でのロケットリーグ認知度を徐々に理解し、「じゃあ日本のつよいひとは?」と、情報を漁りはじめて辿り着いた記事で、数名のトッププレーヤーの名前を知る。
出てくる情報も古かったり、既に最前線でプレーしていない方だったり、
なかなか「ライブ状態」のトッププレーヤーに遭遇できずにいた私が初めて目にしたのが、Twitchで配信するKanraさんだった。
ロケリの「今」を渇望していた私は足しげくKanraさんの配信に通うようになり、段々と、どういうポジションに位置するプレーヤーなのかを知る。
同時に、どんな場面でも決して暴言を吐いたりせず、味方を悪く言わず、
冷静に自分を振り返りながら淡々とランクをこなすブレない姿を見て、当然のように大ファンになった。
APL2.0でアジアを知り、RLCS#5で感動し、ReaLizeさんが加入し、日本の選手があの舞台で活躍する姿を見たいという夢を、1NE GSを通して見るようになった。
そのKanraさんがロケリから離れる。
初めて聞いた時はショックだったけど、きっと戻ってきてくれると信じて、次回の配信を楽しみに待とうと思う。
yuhifaceスタンプと大量のBitsを用意して。
あと1v1のディフェンス編もアップ予定って言ってたけどしてないしね。
元気で頑張って来てください。 Well played. Rematch!!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。