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【完全版】DRESSTHING ビルドガイド

この記事は、自作キーボードキット『DRESSTHING(ドレッシング)』の組み立て方、及び注意点を解説していくビルドガイドです。

『DRESSTHING』は自身で組み立てていただくDIYキットのため、様々な注意点があります。購入後に後悔しないよう、必ず全てに目を通してからご購入ください。

分かりづらいと感じた部分はコメントをいただければ、随時修正していきます。

※Amazonリンクはアフィリエイトリンクを使用しています。


『DRESSTHING』について

DRESSTHING「一体型」の姿

自作キーボード『DRESSTHING』の仕様と特徴は以下の通り。

・35キー+ロータリーエンコーダーの30%キーボード
・スイッチ交換のできるホットスワップ仕様(対応スイッチ:MX、choc V1、choc V2 Full POM)
・BLE Micro Proを使用した無線接続に対応
・vialを使用したキーマップ変更に対応
・一体型、折畳型、分割型の3のスタイルに組み替え可能(頻繁なスタイル変更には非対応)

DRESSTHING「折畳型」の姿
DRESSTHING「分割型」の姿

コンセプトや、その他の特徴については、改めて記事を書く予定なのでお待ちください。

↓動画内で、プロトタイプを使ってDRESSTHINGの紹介をしています。

また、DRESSTHINGの進捗についても、Xにて「#DRESSTHING」を付けてポストしているので覗いてみて下さい。
【#DRESSTHING がついたポストを検索】

0.『DRESSTHING』購入前の注意点

DRESSTHINGは個人開発のプロダクトとなります。メーカー品のような品質、性能、安定性を求める方の期待にはお応えできませんので、ご購入はお控え下さい。

特に、この章でお話しする3つの点については、よく確認いただき、ご納得の上でご購入ください。

0-1.はんだ付け&組み立てが必要な"DIYキット"であること

DRESSTHINGは購入者自身でのはんだ付け作業と、ドライバーを使用した組み立て、ファームウェア書き込みが必要になるDIYキットです。組み立てには別途工具などを準備する必要があります。

組み立て工程も含めてこのプロダクトの価値だと考えているので、完成品としての販売ではないことをご理解ください。

必ずこのビルドガイドを最後までお読みいただき、ご自身で組み立て可能か判断してからご購入いただくようお願いいたします。不明点などは購入前にご質問ご相談ください。

0-2.販売キット以外にも別途必要なパーツがあること

DRESSTHINGは自分好みのスイッチ、キーキャップ、ダイヤルなど、ユーザーによってさまざまなカスタマイズができます。

ここは自作キーボード最大の魅力でもあるので、それらのパーツに関してはキットに同梱していません。

ご自身のお気に入りのパーツを別途ご用意ください。別途必要なパーツの総額は、ピンキリですがキットとは別に10000〜20000円ほどかかると思ってください。(もちろんもっとお金をかけることもできます。)

0-3.頻繁なスタイル変更には非対応

DRESSTHINGは3つのスタイルで使うことができ、キーボード上部のバッジ部分と、ミドルプレートを取り替えることでスタイル変更が可能となります。

ただし、このスタイル変更には手間がかかりますし、頻繁なスタイル変更における組み替え負荷を想定していません。特に、上部バッジ部分の差し替えは50回以内とさせていただきますのでご理解ください。

一通りスタイルを試したら、自分に合ったスタイルでご使用を続けて下さい。

1.パーツ確認

「DRESSTHING Standard kit」をはじめ、組み立てに必要なパーツ、工具を確認していきます。すでにお持ちのものもあると思いますので、必要に応じて準備して下さい。

1-1.DRESSTHING Standard Kitの中身を確認

このビルドガイドでは「PCBセット」「パーツセット」「アクリルセット」の3つのパッケージがひとつになった『DRESSTHING Standard kit』を想定して解説していきます。

フラップは両面テープで留めているだけ

フラップは両面テープで留めているだけなので、バリバリと剥がして大丈夫ですが、内容物を傷つけないようにしてください。

※DRESSTHING Standard kitの画像は執筆時点でのデザインとなります。それぞれのデザインや仕様は予告なく変更される場合がありますのでご了承ください。

1-1-1.PCBセット

DRESSTHINGの核となる部分「PCBセット」の中には2枚のPCB(プリント基板)が入っています。

base board(左)とflex board(右)

1)base board 1枚
2)flex board 1枚

base board

base board 表面

base boardには、メイン基板 左、メイン基板 右、サポート基板 2枚、HDMI基板 2枚の計6枚の基板がひとつにまとまっています。

base board 裏面

base board裏面にはダイオードやスイッチソケットなどのパーツがはんだ付けされています。画像と比較しながら全て実装さているか確認して下さい。

flex board

flex board 表面
上部が「通信線シート」下部が「基板固定用シート」

flex boardは通信線基板シート、基板固定用シートが一枚になっています。

【flex boardのシワ、焦げについて】

0.1mmの薄いシート基板のため製造時のシワが残る場合がある

flex boardは0.1mmととても薄いシート状の基板なので、製造時にシワが入ってしまったり、レーザーカットの際に焦げ跡がついてしまう場合があります。

レーザーカットする際に縁が焦げてしまう

この2点を防ぐのは難しく、ピックアップしていくと価格がとてつもなく上がってしまうため、仕様とさせていただきます。ご了承ください。

1-1-2.パーツセット

「パーツセット」は、組み立てるためのネジやスペーサーなどをまとめたセットです。

開封時は中身が飛び散らないようハサミを使って慎重に

※必ずハサミを使って慎重に開封して下さい。
空気を抜いて抑えているだけなので、手で破ろうとするとパーツが飛び散り紛失してしまう恐れがあります。

パーツセットの内容物

内容物は以下の通りです。

1)低頭M2ネジ 8mm 12個(内2個は予備)
2)低頭M2ネジ 4mm 10個(内2個は予備)
3)六角穴付きM2ボルト 5mm 2個
4)M2スペーサー 4.5mm 8個
5)M2スペーサー 9.5mm 2個
6)スライドスイッチ 1個
7)5ピンコンスルー 3mm 8個
8)12ピンコンスルー 2.5mm 1個
9)13ピンコンスルー 2.5mm 1個
10)コイン電池ケース 1個
11)ゴム足 8個

全てを取り出したところ

基本的にパーツセットのケースに空いてるスペースがなければ、全て揃っているはずですが、必ず開封し確認して下さい。

【重要】コンスルーの向きを確認

ここで一度、DRESSTHINGの組み立ての中でも重要なパーツである「コンスルー」についての紹介をしておきます。

コンスルーは基板のスルーホール(基板に空いている穴)に差し込むことで、はんだ付け不要で取り付けできる便利パーツです。

ただ、このコンスルーには表と裏、上と下がしっかりと決められています。取り付けの際に向きを合わせる必要があるので、表裏、上下それぞれの見分け方を解説していきます。

【表と裏の見分け方】

金色と黒色の窓が見えるのが"表面"(左)何もない面が"裏面"(右)

まずは表裏の見分け方。側面に金色と黒色の窓が交互に並んでいる面が"表面"、何もない面が"裏面"です。

【上下の見分け方】

画像は"上"を上に、"下"を下にしてあります

上下は表面の窓とのスペースで見分けます。表面を見ると、窓からピンまでのスペースに差があることに気がつくと思います。今回のビルドガイドではスペースの狭い方を"上"、スペースの広い方を"下"として説明していきます。

コンスルーを使うパーツ達

コンスルーはBLE Micro Proの取り付け、シート基板のはんだ付け、HDMI基板の組み立ての3箇所で使用します。それぞれの組み立て方によって取り付け向きが変わるので、注意して取り付けて下さい。

1-1-3.アクリルセット

最後に「アクリルセット」の内容物です。大小あわせて9種類、10枚のアクリルプレートがセットになっています。

アクリルセットの内容物

1)スイッチプレート(左)1枚
2)スイッチプレート(右)1枚
3)一体ミドルプレート 1枚
4)一体バッジプレート 1枚
5)分割ミドルプレート(左)1枚
6)分割ミドルプレート(右)1枚
7)分割バッジプレート 2枚
8)ボトムプレート(左)1枚
9)ボトムプレート(右)1枚

こちらも開封して中身が揃っているか確認して下さい。

傷防止のため、アクリルの保護紙を付けたまま梱包していますので、組み立て時に剥がして下さい。端を少しめくったあとピンセットで丁寧に残りの保護紙を剥がします。

剥がしづらい場合は端に少し水をつけると保護紙が浮いてくるので剥がしやすくなります。

※注意!
アクリルはアルコール厳禁です!絶対に使用しないでください!

1-2.キット以外に必要なもの

HDMIケーブル撮り忘れました…分割スタイル時に必要です

『DRESSTHINGキット』をキーボードとして完成させるには、キット以外のパーツも必要になってきます。事前に用意しておいてください。

1)BLE Micro Pro 1個
2)キースイッチ 35個
3)キーキャップ 35個
4)ロータリーエンコーダー 1個
5)ダイアルノブ 1個
6)コイン電池 1個
7)HDMIケーブル 1本(分割型で使う際に必要)

1)BLE Micro Pro 1個

DRESSTHINGの頭脳となるマイコン「BLE Micro Pro」

DRESSTHINGを無線接続するためのマイコン。

↓せきごんさんのショップ

DRESSTHINGでの使用方法はこのガイドで解説していきますが、BLE Micro Proの公式ページの解説にも目を通しておいてください。

2)キースイッチ 35個

画像は通常プロファイルの「MXスイッチ」

キースイッチを35個用意して下さい。

左からMXスイッチ、choc V2 Full POM、choc V1

DRESSTHINGで使用できるキースイッチは、通常プロファイルの「MXスイッチ」とLofreeキーボードに使われているような背の低いロープロファイルスイッチ「choc v2 Full POM」同じく背の低いロープロファイルスイッチ「choc v1」の3種類です。

↑画像真ん中の白いロープロファイルスイッチ

3)キーキャップ 35個

画像は通常プロファイルのキーキャップ

1uサイズ(正方形)のキーキャップが35個必要となります。

それぞれのスイッチに対応するキーキャップを準備

用意したスイッチに対応したキーキャップを準備しましょう。

4)EC12互換品ロータリーエンコーダー 1個

通常プロファイル(左)とロープロファイル(右)

DRESSTHINGは右下にダイヤルを設置しています。このダイヤルの根元部分を「ロータリーエンコーダー」と呼び、キースイッチ同様、通常の高さのロータリーエンコーダーと、背の低いロープロファイルロータリーエンコーダーがあります。

DRESSTHINGではどちらも使用可能なので、どちらか1つを用意してください。(EC12互換品に対応しています。)

【DRESSTHINGを分割型で使う予定の方】
通常プロファイルのロータリーエンコーダはダイヤルが重めなので、分割型でダイヤル操作を行うと本体が動いてしまいます。DRESSTHINGを分割型で使う予定の方は、比較的ダイヤルが軽いロープロファイルのロータリーエンコーダがおすすめです。(ただし、プッシュ機能は無くなります)

5)ロータリーエンコーダーノブ 1個

通常プロファイル用(左)とロープロファイル用(右)

ロータリーエンコーダーに対応したノブも必要となります。サイズは19mm以下のノブを一緒に用意しておきましょう。

準備したロータリーエンコーダーに対応したノブを用意する

ノブも通常プロファイルとロープロファイルで形状が異なるので購入する際は十分注意して下さい。

ロープロファイル用のノブは選択肢が少ないのですが、個人的なおすすめはdaily craft keyboardさんのロープロファイル用ノブです。DRESSTHINGでは「MINI」と「TALL」が使用可能です。

6)コイン電池 1個

DRESSTHINGで使用するコイン電池「CR2032」

無線接続する際のバッテリーとして。CR2032が1つ必要です。

7)HDMIケーブル 1本 (分割型での使用時に必要)

分割スタイルで必要になる「HDMIケーブル」

DRESSTHINGは分割スタイルの左右接続にHDMIケーブルを使用します。お好きな長さのものを用意して下さい。

細いケーブルはスマートで良いのですが、断線しやすいのでまずは通常の太さのケーブルを使うことをおすすめします。

1-3.用意する道具

ここからは、組み立てに必要な工具や道具を紹介していきます。

DRESSTHINGを組み立てるのに必要な道具と工具

1)はんだごて
2)はんだ
3)こて台
4)はんだクリーナー
5)耐熱マット
6)わし口ピンセット
7)ニッパー
8)プラスドライバー(#0)
9)六角ドライバー(H1.5)
10)マスキングテープ
11)PC
12)USB-Cケーブル
13)はさみ

1~5)はんだごて、はんだ、こて台、はんだクリーナー、耐熱マット

はんだ付け作業に必要な道具
左から、はんだコテ、はんだ、コテ台、はんだクリーナー、そして下に敷いてあるのが耐熱マット

電池ケース、スライドスイッチ、ロータリーエンコーダー、コンスルーをはんだ付けするために必要な工具です。はんだごてについては温度調節ができるものを推奨します。

↑はんだこて、こて台、はんだクリーナーのセット。画像のはんだこては買うのが面倒なので、買いやすいセットのリンクを貼っておきます。

6)ピンセット

先の曲がった、わし口ピンセット

組み立てに使用するパーツは小さなものばかりなので、ピンセットを使って作業を行います。様々な種類がありますが、個人的には先の曲がった、わし口のピンセットがおすすめです。

7)ニッパー

飛散防止ニッパー

電池ケース、スライドスイッチ、ロータリーエンコーダーのピンのカットに使用します。カットしたピンが飛び散らない、飛散防止ニッパーがおすすめです。

8)棒やすり

棒やすり、セット販売のうちの一つ。

PCBの折り跡を整えるためのやすり。紙やすりでも可。

9)マスキングテープ

マスキングテープはお好みのもので

電池ケース、スライドスイッチ、ロータリーエンコーダーのはんだ付けの際、それぞれのパーツがずれないよう仮止めするために使用。

10)プラスドライバー(#0)

先が磁石になっているプラスドライバー

組み立て時のネジ止めに使用、本キットで使用するネジは#0のプラスドライバーに対応しています。これよりも小さいプラスドライバーを使用するとネジが潰れてしまう可能性があるので、対応したドライバーを用意して下さい。

11)六角ドライバー(H1.5)

六角ドライバー、H1.5に対応しているものを用意

バッジプレートの取り付けで使用する、六角穴付きボルトを締めるためのドライバー。H1.5に対応しています。

12)Google Chromeが使えるPC

本ガイドではM1 MacBook Airを使用します

ファームウェアの書き込みと、キーマップの変更に使用します。どちらも、ウェブ上で行うためGoogleChromeが使えるPCを用意して下さい。

13)USB-Cケーブル

データ通信に対応したUSB-Cケーブル

PCと繋いで設定するために必要です。必ずデータ通信に対応したケーブルを用意して下さい。

14)はさみ

はさみは切れ味の良いものを

flex boardの切り離し、パーツセットのパッケージ開封に使用します。

2.組み立て前の準備

組み立て前の準備として、「2-1.ファームウェアの書き込み」「2-2.基板の切り離し」を行っていきます。

2-1.ファームウェアの書き込み

まずはマイコンへファームウェアの書き込みを行っていきます。
DRESSTHINGは BLE Micro Proを使用した無線接続に対応しているので、ここではBLE Micro Proへのファームウェア書き込みの方法を解説していきます。

この工程で必要なものは以下の通りです。

1)PC(解説ではM1 MacBook Airを使用します。)
2)BLE Micro Pro
3)USB-Cケーブル
4)DRESSTHINGファームウェア
5)デフォルトキーマップファイル

ここでの工程は
・「2-1-1.BLE Micro Proのアップデート」
・「2-1-2.ファームウェアの書き込み」
・「2-1-3.デフォルトキーマップの書き込み」
の3工程です。

ファームウェアの書き込みに必要な4)と5)のファイルをダンロードして、デスクトップなど分かりやすいところへ移動しておいて下さい。

↓【BLE Micro Pro用 DRESSTHINGファームウェアBINファイル】

↓【デフォルトキーマップJSONファイル】

BLE Micro Pro公式に記載している方法を基にDRESSTHING用に置き換えて解説していきます。公式ページにも目を通しておいてください。

2-1-1.BLE Micro Proのアップデート

ファームウェアを書き込む前に、まずはマイコンであるBLE Micro Proを最新バージョンにアップデートします。

PCからBLE Micro Pro Web Configuratorにアクセス。

「Update Bootloader」をクリック

画面上部の「Update Bootloader」を選択。

執筆時点の最新バージョンは「ble_micro_pro_bootloader_1_3_2」

プルダウンリストから最新版のブートローダーを選択し、「Update」をクリック。

BLE Micro Proを接続し、現れたデバイス名を選択。

ポップアップが表示されたら、BLE Micro ProとPCをUSB-Cケーブルで接続します。ポップアップに新しく表示されたデバイスを選択して「接続」をクリックすると書き込みが始まります。

「Update Succeeded.」と緑の文字で表示される

書き込みが終わったらケーブルを一度抜き差ししておきます。←忘れずに!

「Update Application」をクリック

画面上部の「Update Application」を選択。

執筆時点の最新版は「ble_micro_pro_vial_1_3_6」

リストから最新版のファームウェアを選択します。(ble_micro_pro_vial_~)

BLE Micro Proを接続したときに現れるデバイスを選択

「Update」をクリックするとUSBデバイスの選択画面になるので、BLE Micro Proを選択して「接続」をクリックすると書き込みが始まります。

「Update Succeeded.」と緑の文字で表示される

ゲージが100%になり書き込みが完了したら、ファームウェアの書き込みへと進みます。

2-1-2.DRESSTHINGファームウェアの書き込み

引き続きBLE Micro Pro Web Configuratorのページでファームウェアの書き込みを行っていきます。

「Edit config」をクリック

画面上部の「Edit config」を選択。

「upload your own」をリストから選択し、「Update」をクリック

キーボードリストのプルダウンから「upload your own」を選択。

「soo_suke_DRESSTHING_config.bin」を選択し「開く」をクリック

「Update」をクリックすると書き込むBINファイルを求められるので、ダウンロードしておいた、「soo_suke_DRESSTHING_config.bin」を選択します。

USBデバイスを選択するポップアップが表示されるので、BLE Micro Proを選択して「接続」をクリックすると書き込みが始まります。

「Update Succeeded」と緑の文字で表示される

書き込みが成功したら完了です。

2-1-3.キーマップの書き込み

この状態ではまだキーマップを設定できていないので、用意したデフォルトキーマップを書き込んでいきます。

VIA Custom UI for Vialにアクセスしたところ

BLE Micro Proを接続したまま、PCからVIA Custom UI for Vialにアクセスします。

「Select Keyboard」をクリック

BLE Micro ProをUSB-Cケーブルで接続し「Select Keyboard」をクリック。

「Add New Keyboard」をクリック

「Add New Keyboard」と表示されるのでこちらもクリック。

「(BMP)DRESSTHING」を選択し「接続」をクリック

ポップアップが表示されるので「(BMP)DRESSTHING」を選択します。

「Keymap」をクリック

接続が成功すると設定画面になるので「Keymap」をクリック。

DRESSTHINGのレイアウトが表示されているか確認

DRESSTHINGのレイアウトが表示されれば成功です。

ここでDRESSTHINGのレイアウトになっていない場合はファームウェアの書き込みができていないので、ファームウェアの書き込みを初めからやり直して下さい。

「UP SETTING」をクリック

それでは、デフォルトキーマップを書き込んでいきます。画面左側の「UP SETTING」をクリック。

「DRESSTHING-vial-setting.json」を選択し「開く」をクリック

ファイル選択画面が現れるのでダウンロードした「DRESSTHING-vial-setting.json」を選択し開きます。

デフォルトキーマップが書き込まれた

デフォルトキーマップが書き込まれたら、ファームウェア書き込みは全て完了となります。

2-2.基板の切り離し

続いて、base boardとflex boardそれぞれ一体になっている基板を切り離していきます。

2-2-1.base boardの切り離し

まずはbase boardの切り離し。基板はミシン目でくっついているだけなので、押し込むことで簡単に折ることができます。

グーっと力を入れていくとミシッと折れる音がします

力はそこまで必要ないと思いますが心配な方は、ミシン目に沿って何度かカッターで切り込みを入れると折りやすくなります。

折り跡を棒やすりで整える
整えた後(左)と整える前(右)

切り離しただけでは、ミシン目の跡でケガをしてしまう恐れがあるので、やすりを使って整えてください。指でなぞって引っかからない程度になれば大丈夫です。

以下の4種類、計6枚の基板に分かれれば完了です。

上段、両端が「HDMI基板」内側2枚が「サポート基板」
どちらも左右の区別はありません。

1)メイン基板 左
2)メイン基板 右
3)HDMI基板 2枚
4)サポート基板 2枚

2-2-2.flex boardの切り離し

点線に沿ってハサミでカット

flex boardはハサミを使って点線に沿って切り離してください。

以下の2枚に分かれれば完了です

通信線基板シート(上)と基板固定シート(下)

5)通信線シート
6)基板固定シート

3.はんだ付け

いよいよ、はんだ付けをおこなっていきます。
自作キーボードが初めての方はここで身構えてしまうと思いますが、DRESSTHINGではほとんどのパーツが実装済みですし、はんだ付けするパーツも少ないので比較的難易度は低いのではないかと思います。

実際に作業する前に、まずは一通りの流れを確認して下さい。

↓はんだ付けのやり方はHAKKOさんの動画がシンプルで分かりやすかったです。はんだ付けのイメージをしておきましょう。

はんだ付けパートで用意するパーツは全部で7種類、計11個です。

はんだ付けパートで必要になるパーツ

1)メイン基板右 
2)電池ケース
3)スライドスイッチ
4)ロータリーエンコーダー
5)通信線シート(一体型、折畳スタイル用)
6)サポート基板 2枚(一体型、折畳スタイル用)
7)5ピンコンスルー 4個(一体型、折畳スタイル用)

ロータリーエンコーダーは自身で購入したもの、その他のパーツは「パーツセット」に含まれているので取り出しておきます。

分割型でしか使わない方は赤枠のパーツは不要

※5~6)の3種類は一体型、折畳型で使用します。
DRESSTHINGを分割型でしか使用しない場合は不要です

3-1.ロータリーエンコーダーのはんだ付け

表面から差し込む

それでははんだ付けを始めていきます。まず、はじめにロータリーエンコーダーのピンを表面(パーツが何もついていない面)から基板に差し込みます。

ロータリーエンコーダー差し込み後の裏面の様子

ロータリーエンコーダーのピンとスルーホール(基板に開いている穴)が合うように差し込んでください。上下の固定用ピンを内側に押し込むとさしこみやすくなります。

念の為マスキングテープで固定

ロータリーエンコーダーは差し込むだけでも固定されますが、マスキングテープで固定するとはんだ付け時にずれないため安心です。(マスキングテープにハサミで穴を開けると固定しやすいです。)

上下の大きなピン以外をカットする

裏面の飛び出ているピン5箇所(ロープロファイルの場合は3箇所)をニッパーでカットして下さい。上下についている大きなピンは固定用のピンなのでカットせず、はんだ付けも必要ありはません。

指で押さえながらカット

ピンが飛び散らないよう指で押さえるようにしてカットします。

はんだ付けするのは5箇所

各ピンをはんだ付けしていきます。先ほどお伝えした通り、大きなピン2つは、はんだ付け不要です。

はんだごてが十分に温まったら、ピンとスルーホール両方にコテ先を当てて温めていきます。3秒ほどしたらコテ先にハンダを当てると溶けていくので、スルーホールの穴が塞がったらハンダを離してから、コテ先を離します。

はんだの量はこのくらいを目安に

はんだはスルーホールが塞がるぐらいの量で大丈夫です。

【topic】ロータリーエンコーダーのピン数の違い

プッシュ機能の有無でピンの数が変わる。

ロータリーエンコーダーはプッシュ機能の有無で、ピンの数が異なります。

プッシュ機能のないロータリーエンコーダーの場合は3ピンはんだ付けする。

プッシュ機能があるモデルは5ピン、プッシュ機能が無いタイプ(ロープロファイルはこちらのタイプ)は3ピンとなるので、それぞれのピン数分はんだ付けして下さい。

3-2.スライドスイッチのハンダ付け

表面から差し込む

スライドスイッチを表面(パーツが何もついていない面)からスルーホールに合わせて差し込みます。

スライドスイッチを差し込んだ裏面の様子

上下の向きはどちらでも大丈夫です。

マスキングテープに切り込みを入れると固定しやすい

スライドスイッチは差し込むだけでは固定されないので、マスキングテープでしっかりと固定して下さい。

ピンを3つともカットする

メイン基板を裏返し、飛び出しているピンを3箇所カットします。

はんだ付け後の様子

3箇所はんだ付けしていきます。

スライドスイッチのはんだ付け完了の図

こちらもはんだの量を多くしすぎないよう注意しましょう。

3-3.電池ケースのハンダ付け

電池ケースは裏面から差し込みます。

電池ケースは、基板を裏返して裏面からスルーホールに合わせて差し込みます。

【注意】ここからはんだ付けする面が変わります!必ず画像と比較し、裏表が合っているかを確認してからはんだ付けを行なって下さい!

電池ケースを差し込んだ表面の様子

上が2ピン、下が1ピン。スルーホールに合わせて差し込みます。

マスキングテープで固定

こちらもマスキングテープで固定してください。

ピンを3つともカットする

今まで同様に飛び出たピンを3箇所カットする。

電池ケースはんだ付け後の表面の様子

ピンを3箇所はんだ付けします。

メイン基板へのはんだ付け完了の図【表面】
メイン基板へのはんだ付け完了の図【裏面】

これでメイン基板へのはんだ付けは完了です。

3-4.通信線シートとサポート基板のハンダ付け(一体型、折畳型スタイル用)

最後のはんだ付け箇所は、左右接続のアタッチメント「通信線シート」です。

ここは今までのはんだ付けとは異なり、組み立て要素を含み、注意点も多いので読みながら進めるのではなく一度最後まで読んでから作業に取り掛かるようにして下さい。

※分割型でのみ使用する場合は
このパーツは使用しないので、はんだ付け不要です。
この工程はスキップして下さい。

この工程で必要になる基板とパーツは以下の通り。

この工程で使うのは右側の3種

1)通信線シート
2)サポート基板 2枚
3)5ピンコンスルー 4個

完成形はこのような形になります。

表面

下からサポート基板、通信線シートを重ね、5ピンコンスルーを上から差し込んで固定しています。

裏面

差し込んだ5ピンコンスルーのピンを裏側から左右10ピンづつ、計20ピンをハンダ付けしてあります。

【※最重要!】通信線シートは差し直しができない

DRESSTHINGを組み立てる工程の中でも一番の注意点が、通信線シートへの差し直しができないことです。

コンスルーのピンはループ状になっている

コンスルーのピンをよく見るとループ状になっているのが分かります。

このループ状のピンをスルーホールに差し込むと、ピンがバネのように広がろうとするため、はんだ付けなしで固定できる、という仕組みになっています。

シート基板のスルーホールを押し広げている

そのため、今回使用している通信線シートのような薄い基板に差し込む際、シートのスルーホールを押し広げながら刺さっていきます。

正常なスルーホール(左列)と
押し広げられてしまったスルーホール(右列)

一度差し込んだコンスルーを抜いてしまうと、画像のようにスルーホールが広がり、ゆるくなってしまいます。

そこへコンスルーを差し直しても、一度押し広げられてしまったスルーホールとコンスルーのピンとの接触が不十分となり、左右通信に影響が出てしまうというわけです。

コンスルーを差し込むときは基板の重ね順など、十分確認してから行うようにしてください。

本来コンスルーは、はんだ付け不要のパーツではありますが、この通信線シートに限っては、はんだ付けが必要となります。
その理由は、折畳型や一体型から分割型へスタイル変更するためこのアタッチメントを取り外す際、コンスルーが通信線シートから抜けてしまうと再使用が難しくなってしまうためです。
それを防ぐため、サポート基板と挟み込み、はんだで固定する仕様としました。

サポート基板は外れても問題ないです

サポート基板とコンスルーははんだ付けするまで固定されないので、サポート基板は外れても大丈夫です。あくまで差し直しができないのは通信線シートのみなので安心してください。

組み立てとハンダ付け

それではここから、シート基板とサポート基板のはんだ付けをしていきます。先ほどご覧いただいた通り、以下の画像のように重ね合わせます。通信線シートのロゴマークの向きに注意して下さい。

通信線シートのロゴの向きにも注意

下がサポート基板(左右、裏表の区別はありません)、その上に通信線シートが乗っています。この状態でコンスルーの向きに気をつけて5つずつ並んでいるスルーホールへ差し込んでいきます。コンスルーの向きについては「【重要】コンスルーの向きを確認」の項目を参照して下さい。

窓が全て手前を向き、下側が基板側になるよう差し込む

コンスルーの向きは、表面(金色と黒色の窓がある方)が全て手前を向くように、下側が(スペースが広い方)が基板側になるように差し込みます。

差し込む際、必ずピンセットを使って差し込んでください。指で押し込むとケガをする恐れがあります。

差し込んだ後、基板からコンスルーが浮いていないか確認して下さい。浮いている場合は隙間がなくなるまできちんと差し込んでください。浮いたままハンダ付けしてしまうと接触不良の原因となります。

はんだの量はこのくらいでOK

コンスルーを隙間なく差し込めたら、基板を裏返して全てのピンをはんだ付けしていきます。はんだの量は多すぎると組み立て時に干渉してしまう場合があるため、スルーホールが塞がるぐらいの量にしましょう。

この時に基板からコンスルーが浮いて、はんだ付けされてしまうことがあるので、注意してはんだ付けを行って下さい。

20ピンはんだ付け完了の図

左右10ピンずつ、計20ピンのはんだ付けが完了したら、全てのはんだ付けは終了です。お疲れ様でした。

4.組み立て

DRESSTHINGは「一体型」「折畳型」「分割型」の3スタイルから選べるのが最大の特徴。この工程では、この3つのスタイルの組み立て方を紹介していきます。

4-1. DRESSTHINGの構造

組み立てに取り掛かる前に、まずはDRESSTHINGの構造をみていきましょう。

DRESSTHINGの構造

DRESSTHINGは6層のプレートで構成されています。

1)バッジプレート
2)スイッチプレート
3)メイン基板
4)アタッチメント基板
5)ミドルアクリルプレート
6)ボトムアクリルプレート

スタイル共通部分が「メインユニット」
スタイルごとで異なる部分が「ボトムユニット」

このビルドガイドでは、全てのスタイルで共通する部分2)と3)を「メインユニット」、それぞれのスタイルで異なる部分4)~6)を「ボトムユニット」と呼び解説していきます。

4-2.メインユニットの組み立て

まずは3つのスタイルに共通する「メインユニット」を組み立てていきます。このパートは、
「4-2-1.BLE Micro Proの取り付け」
「4-2-2.コイン電池の取り付け」
「4-2-3.スイッチプレートの取り付け」
の3工程となります。

4-2-1.BLE Micro Proの取り付け

BLE Micro Proの取り付け完成図

マイコンである「BLE Micro Pro」をコンスルーを使いメイン基板に取り付けていきます。

用意するものは以下の4つ。

1)BLE Micro Pro
2)12ピンコンスルー
3)13ピンコンスルー
4)メイン基板右

はじめに、BLE Micro Proへ12ピンコンスルーと13ピンコンスルーを差し込んでいきます。コンスルーの向きについては「【重要】コンスルーの向きを確認」の項目を参照して下さい。

BLE Micro Proの表と裏を間違えないように!

BLE Micro Pro の部品が何もついていない面を表、USBコネクタを上にした時、左側の列に13ピンコンスルーを、右側に12ピンコンスルーを差し込みます。

コンスルーの表面がどちらも左側から見えるように

コンスルーの向きは、表面(金色と黒色の窓がある方)が全て左側を向くように、上側(スペースが狭い方)がBLE Micro Pro側になるように差し込んで下さい。

右列一番上のスルーホールは空けて取り付ける

この時、右側の12ピンコンスルーは一番上のスルーホールを空けて差し込みます。上の画像のような形で差し込まれていればOKです。

ピンの隙間を挟むようにピンセットを使って差し込む

差し込む際、必ずピンセットを使って差し込んでください。指で押し込むとケガをする恐れがあります。

左側が浮いてしまっている

差し込んだ後、基板からコンスルーが浮いていないか確認し、浮いている場合は隙間がなくなるまできちんと差し込んでください。

基板側の向かって右側「WIRED」の印のあるスルーホールは空けておく

BLE Micro Proにコンスルーを取り付けた後は、反対側のピンをメイン基板右に裏側から差し込みます。BLE Micro Proを使う場合は、基板側の「WIRED」と書かれたスルーホールを空けるように取り付けて下さい。

これでBLE Micro Proの取り付けは完了です。

4-2-2.コイン電池の取り付け

コイン電池取り付け完成図

続いて、DRESSTHINGのバッテリーとなるコイン電池をセットしていきます。

スライドスイッチは上が「OFF」で下が「ON」

スライドスイッチが上にスライドされて「OFF」になっていることを確認し電池ケースにコイン電池CR2032を取り付けます。

プラス側が見えるように取り付け

コイン電池はプラス面(平らな面)が見える向きでに取り付けて下さい。

4-2-3.スイッチプレートの取り付け

スイッチプレートの取り付け完了の図

メイン基板の組み立てが終わったら、ここにスイッチプレートを取り付けていきます。

ここで用意してほしいパーツは3種類。

1)スイッチプレート 左右
2)メイン基板 左右
3)キースイッチ 35個

左側の赤枠部分のキーも取り付けるとなお良し。

はじめに、スイッチプレートの四隅にキースイッチをはめていきます。この時、キースイッチの上下の向きに注意して下さい。

【topic】スイッチの差し込み向き

DRESSTHINGはMXスイッチとロープロファイルスイッチ(choc v1、choc v2 Full POM)に対応しています。それぞれで差し込むソケットが変わるため、スイッチプレートへの取り付け向きも変わります。

MXスイッチのピン(右)は、基板側の上ソケット(左)に差し込まれます。

通常の高さのMXスイッチの場合はふたつの金属ピンが上になるようにしてください。2種類あるソケットのうち、MXスイッチのピンは上側のソケットに差し込まれるためです。

ロープロファイルスイッチのピン(右)は、基板側の下ソケット(左)に差し込まれます。

ロープロファイルスイッチ(choc V1、choc v2 Full POM)の場合は金属ピンが下向きになるようにはめ込んでください。ロープロファイルのスイッチのピンはMXスイッチの逆、下側のソケットに差し込まれます。

四隅を順番に差し込んでいく

このスイッチプレートをメイン基板にはめていきます。
キースイッチの金属ピンは折れやすいためソケットの穴とピンの位置が合っているかを確認してはめ込んでください。

【キースイッチのピンが曲がってしまった場合】
ピンが曲がってしまった場合、基本的には使用しないようにして欲しいのですが、ピンセットで戻せるものはピンを起こして差し直して下さい。ピンが完全に潰れてしまったものはピンセットで起こしてもピン自体が脆くなっている可能性があります。そのまま使っているとソケットの中にピンが残り、メイン基板自体が故障してしまうため、絶対に使用しないでください。

スイッチを押し込んだ際にソケットが剥がれないよう指で抑える

この時、スイッチに押されてソケットが剥がれてしまわないよう裏側からおさえながら取り付けて下さい。

メインユニットの完成

他のスイッチも同様にはめて、共通部分であるメインユニットの完成です。

4-3.スタイル別の組み立て

ここからは、それぞれのスタイルで組み立て方が変わってくる部分となります。使いたいスタイルの項目を選んで読み進めて下さい。

▷【一体型の組み立て】
▷【折畳型の組み立て】
▷【分割型の組み立て】

4-3.a 一体型の組み立て

一体型の組み立てに必要なパーツを用意します。

1)一体バッジプレート
2)メイン基板左右
3)シート基板アタッチメント
4)一体ミドルプレート
5)ボトムプレート左右
6)六角穴付き M2ボルト 2個
7)低頭M2ネジ 8mm 10個
8)低頭M2ネジ 4mm 8個
9)M2スペーサー 4.5mm 8個
10)M2スペーサー 9.5mm 2個
11)ゴム足 8個

一体型にのみ対応したゴム足の位置

アクリルプレートの保護紙を全て剥がし、ボトムプレートの裏面(溝が彫ってある面)にゴム足を貼り付けていきます。一体型で使う場合は画像を参考にして4箇所ゴム足を貼り付けて下さい。

全てのスタイルに対応したゴム足位置

他のスタイルでも使う予定がある場合は、ゴム足の位置をずらす必要があるので貼り付け位置はこちらの位置に貼り付けてください。

【一体型ボトムユニットの組み立て】

画像のように、上からスペーサー、一体ミドルプレート、ボトムプレートを重ね、底面からM2ネジ8mmでネジ止めします。スペーサーは上部のバッジ部分となる2箇所に9.5mmスペーサーを、そのほかの8箇所に4.5mmスペーサーを使用して下さい。

ネジ締めの際、締めすぎないよう注意して下さい。ネジがなめてしまうと外すことができずスタイル変更ができなくなってしまいます。固定できていれば良いぐらいに思っていいただければ十分です。

一体型ボトムユニットの完成図

一体ミドルプレートは上から見て「DRESSTHING」の文字が読める向きで重ねます。

これでボトムユニットの完成です。続いて先ほど組み立てたメインユニットと組み合わせていきます。

【ボトムユニットとメインユニットを組み合わせる。】

それではメインユニットとボトムユニットを組み合わせていきます。

メイン基板の裏側
シート基板アタッチメントを差し込む

シート基板アタッチメントのコンスルーをメイン基板上部のスルーホールに裏側から差し込みます。

キースイッチの間からネジ止めする

アタッチメントを取り付けたメイン基板をボトムユニットに重ね、左右4箇所ずつ計8箇所をM2ネジ4mmで止めていきます。

この時、アタッチメント部分のコンスルーがミドルプレートの穴に合っているか確認して下さい。穴と噛み合わず無理やり締めてしまうとコンスルーの破損に繋がりますので、十分注意して下さい。

アタッチメント部分にバッジを取り付ける

一体バッジプレートを六角穴付きM2ボルトで止めます。

一体型DRESSTHINGの完成図

最後にキーキャップとダイヤルノブを取り付けて組み立て完了です。

このまま「5.DRESSTHINGの使い方」へ進んでください。

4-3.b 折畳型の組み立て

折畳型の組み立てに必要なパーツを用意します。

1)分割バッジプレート
2)メイン基板左右
3)シート基板アタッチメント
4)分割ミドルプレート
5)基板固定シート
6)ボトムプレート左右
7)六角穴付き M2ボルト 2個
8)低頭M2ネジ 8mm 10個
9)低頭M2ネジ 4mm 8個
10)M2スペーサー 4.5mm 8個
11)M2スペーサー 9.5mm 2個
12)ゴム足 8個

全てのスタイルに対応したゴム足位置

アクリルプレートの保護紙を剥がし、ボトムプレートの裏面(溝が彫ってある面)にゴム足を貼り付けていきます。画像を参考にして8箇所ゴム足を貼り付けて下さい。

【折畳型のボトムユニットの組み立て】

画像のように、上からスペーサー、分割ミドルプレート、基板固定シート、ボトムプレートを重ね、底面から8mmM2ネジでネジ止めします。スペーサーは上部のバッジ部分となる2箇所に9.5mmスペーサーを、そのほかの8箇所に4.5mmスペーサーを使用して下さい。

ネジ締めの際、締めすぎないよう注意して下さい。ネジがなめてしまうと外すことができずスタイル変更ができなくなってしまいます。固定できていれば良いぐらいに思っていいただければ十分です。

折畳型ボトムユニットの完成図

分割ミドルプレートは上から見て「DRESSTHING」の文字が読める向きで重ねます。

これでボトムユニットの完成です。続いて先ほど組み立てたメインユニットと組み合わせていきます。

【ボトムユニットとメインユニットを組み合わせる】

それではメインユニットとボトムユニットを組み合わせていきます。

メイン基板の裏側
シート基板アタッチメントを差し込む

シート基板アタッチメントのコンスルーをメイン基板上部のスルーホールに裏側から差し込みます。

キースイッチの間からネジ止めする

アタッチメントを取り付けたメイン基板をボトムユニットに重ね、左右4箇所ずつ計8箇所をM2ネジ4mmで止めていきます。

この時、アタッチメント部分のコンスルーがミドルプレートの穴に合っているか確認して下さい。穴と噛み合わず無理やり締めてしまうとコンスルーの破損に繋がりますので、十分注意して下さい。

アタッチメント部分にバッジを取り付ける

分割バッジプレートを六角穴付きM2ボルトで止めます。

折畳型DRESSTHINGの完成図

最後にキーキャップとダイヤルノブを取り付けて組み立て完了です。

このまま「5.DRESSTHINGの使い方」へ進んでください。

4-3.c 分割型の組み立て

分割型の組み立てに必要なパーツを用意します。

1)分割バッジプレート
2)メイン基板左右
3)HDMIコネクタ基板左右
4)5ピンコンスルー 4個
5)分割ミドルプレート
6)ボトムプレート左右
7)六角穴付き M2ボルト 2個
8)低頭M2ネジ 8mm 10個
9)低頭M2ネジ 4mm 8個
10)M2スペーサー 4.5mm 8個
11)M2スペーサー 9.5mm 2個
12)ゴム足 8個

まず全てのアクリルプレートの保護紙を剥がします。

分割型、一体型に対応したゴム足位置

ボトムプレートの裏面(溝彫が彫ってある面)にゴム足を貼り付けていきます。分割型で使う場合は画像を参考にして8箇所ゴム足を貼り付けて下さい。

全てのスタイルに対応したゴム足位置

折畳スタイルでも使う予定がある場合は、ゴム足の位置をずらす必要があるので貼り付け位置はこちらの位置に貼り付けてください。

【分割型ボトムユニットの組み立て】

次に画像のように、上からスペーサー、分割ミドルプレート、ボトムプレートを重ね、底面から8mmM2ネジでネジ止めします。スペーサーは上部のバッジ部分となる2箇所に9.5mmスペーサーを、そのほかの8箇所に4.5mmスペーサーを使用して下さい。

ネジ締めの際、締めすぎないよう注意して下さい。ネジがなめてしまうと外すことができずスタイル変更ができなくなってしまいます。固定できていれば良いぐらいに思っていいただければ十分です。

分割型ボトムユニットの完成図

分割ミドルプレートは上から見て「DRESSTHING」の文字が読める向きで重ねます。

続いて、HDMIコネクタアタッチメントを組み立てていきます。

【HDMIコネクタアタッチメントの組み立て】

HDMIコネクタアタッチメントの完成図

HDMIコネクタ基板に5ピンコンスルーを差し込んでいきます。

コンスルーには向きについては「コンスルーの向きを確認する」の項目を参照して下さい。

コンスルーの表面が手前になるように、下側が基板側になるように差し込む

画像のようにHDMIコネクタを上にし、向かい合うように並べた時、コンスルーの向きは、表面(金色と黒色の窓がある方)が全て手前を向くように、下側(スペースが広い方)がHDMI基板側になるようにして下さい。HDMI基板には左右の指定はありませんので、どちらがどちらでも構いません。

差し込む際、必ずピンセットを使って差し込んでください。指で押し込むとケガをする恐れがあります。差し込んだ後、基板からコンスルーが浮いていないか確認し、浮いている場合は隙間がなくなるまできちんと差し込んでください。

これでボトムユニットのパーツは完成です。続いて先ほど組み立てたメインユニットと組み合わせていきます。

【ボトムユニットとメインユニットを組み合わせる。】

それではメインユニットとボトムユニットを組み合わせていきます。

メイン基板の裏側
HDMIコネクタアタッチメントをメイン基板に差し込む

HDMIコネクタアタッチメントのコンスルーをメイン基板上部のスルーホールに裏側から差し込みます。

キースイッチの間からネジ止めする

アタッチメントを取り付けたメイン基板をボトムユニットに重ね、左右4箇所ずつ計8箇所を4mmM2ネジで止めていきます。

この時、アタッチメント部分のコンスルーがミドルプレートの穴に合っているか確認して下さい。穴と噛み合わず無理やり締めてしまうとコンスルーの破損に繋がりますので、十分注意して下さい。

アタッチメント部分にバッジを取り付ける

分割バッジプレートを六角穴付きM2ボルトで止めます。

分割型DRESSTHINGの完成図

最後にキーキャップとダイヤルノブを取り付けて組み立て完了です。

5. DRESSTHINGの使い方

DRESSTHINGが完成したら、いよいよキーボードとして使っていきます。この章ではDRESSTHINGを無線接続する方法と、デフォルトで設定してあるキーマップについて紹介していきます。

5-1.デバイスとのペアリング

M1 MacBook Airを例にペアリング方法を解説していきます。

下にスライドすると電源が入る

まずはスライドスイッチを下にスライドしてDRESSTHINGの電源を入れます。

「L」の位置のキーを押しながら「P」の位置のキーを押して、DRESSTHINGをペアリングモードにします。

DRESSTHINGで使用しているマイコンBLE Micro Proは「AD_WO_L」を押すことでペアリング可能になります。最初に書き込んだDRESSTHINGのデフォルトキーマップでは、「L」を押しながら「P」を押すことで「AD_WO_L」を押した状態になるようキーマップを設定しています。
※「5-2.デフォルトキーマップの確認」参照

(BMP)DRESSTHINGが現れる

Mac側で「システム設定」→「Bluetooth」を開くと「(BMP)DRESSTHING」という名前のデバイスが現れます。

見つからない場合はDRESSTHINGの電源を入れ直して再度ペアリングモードにしたり、Mac側のBluetoothをオンオフすると現れると思います。

現れた「(BMP)DRESSTHING」の接続ボタンをクリックし、「自分のデバイス」に追加されたら完了です。

↓BLE Micro Pro公式ページにペアリング方法が記載されているので、ペアリングがうまくいかない時は公式ページを参照して下さい。

5-2.デフォルトキーマップの確認

35キーしかないDRESSTHINGはキーマップの設定次第で使い勝手が変わってきます。

ここではDRESSTHINGで使用しているマイコンBLE Micro Pro専用のキーマップ変更サイト「VIA Custom UI for Vial」を使ってデフォルトキーマップの確認をしていきます。

5-2-1.キーマップ確認準備

キーマップの確認準備として「2-1-3.キーマップの書き込み」で使用したVIA Custom UI for Vialにアクセスします。

「2-1-3.キーマップの書き込み」の同様、「Select Keyboard」を選択後「Add New Keyboard」をクリック。

PCとペアリングしている状態であれば「(BMP)DRESSTHING」が現れるので、選択後接続をクリックで完了です。

左のリストから「Keymap」をクリックするとレイアウトが表示される

そのまま、「Keymap」をクリックしてDRESSTHINGのキーマップを表示させます。

5-2-2.デフォルトキーマップの紹介

それではここから実際にデフォルトキーマップを紹介していきます。

【レイヤー0】アルファベット

まずベースとなる「レイヤー0」にはアルファベットを中心に配置されています。各キー中央にある文字がキーをタップ(短押し)したときに入力される文字です。右上にある丸い2つのキーはロータリーエンコーダーを回した時に入力されるキーです。

赤枠で囲まれているのがホールド(長押し)した時のキー入力

中央のキー以外にも一回り小さな文字があるのが分かると思います。これはホールド(長押し)したときに入力されるキーです。

例えば、最下段左から二番目のTabキーをタップしたときは「Tab」が入力され、ホールドしたときは「GUI(command)」が押されている状態になります。

装飾キーは、ShiftがS、commandがG、CtrlがC、optionがAと表示されています。

ただ、見ての通りこのままでは数字も記号も入力できないので、このレイヤー(階層)を追加してその他にも必要なキーを配置してあります。

【レイヤー1】数字、記号

「▽」は前レイヤーのキーを引き継いでいる

このレイヤーには数字と記号をまとめています。レイヤー0の最下段左から三番目のキー「spacebar」をホールドしている間このレイヤーに移行します。(レイヤー0の画像を見返すと、ホールドに「Layer1」が割り当てられているのが分かると思います)

【レイヤー2】矢印キー

続いては「レイヤー2」矢印キーとファンクションキーをまとめたレイヤーです。最下段左から四番目のキー「backspace」をホールドしている間このレイヤーに移行します。

【レイヤー3】マウス操作キー

このレイヤーは「レイヤー2」にいるときに最下段左から三番目のキーをホールドしている間移行します。(backspaceキーをホールドしながら、spacebarをホールド)

右側にマウスカーソルを動かすキーを、左側にクリックボタンのキーを配置しています。マウスの代わりには全くなりませんが、iPadでアプリをアクティブにするためのクリックなど、簡易的な操作で使っています。意外と便利です。

【レイヤー4】BLE Micro Pro設定

最後のレイヤーはBLE Micro Proの設定関連のレイヤーです。「L」をホールドしている間このレイヤーに移行します。

デバイスを切り替えたり、スリープモードにするためのBLE Micro Proの独自キーを配置しています。

BLE Micro Pro独自キーの使い方は公式ページで紹介されています。

5-3.キーマップの変更方法

それでは最後に、キーマップの変更方法を紹介してビルドガイドを締めくくりたいと思います。

DRESSTHINGで使用しているマイコンBLE Micro Proは、ここまで紹介してきたキーマップ変更サイトの「VIA Custom UI for Vial」以外にも、「Vial公式サイト」を使用した有線接続でのキーマップ変更が可能です。

↓Vialの使い方については、サリチル酸さんの記事がとても綺麗にまとまっていて分かりやすいので、こちらを参考にキーマップ変更をしてみて下さい。

このビルドガイドでは「VIA Custom UI for Vial」でのキーマップ変更の方法についてお話ししていきます。先述したサリチル酸さんの記事をみていただくと分かるとおり、vialには本当にたくさんの機能があります。

すでに長い記事になってしまったこのビルドガイド内で全てを解説するにはボリュームがありすぎる(僕も全てを理解していない)ので、ここではタップとホールドの設定方法にしぼって紹介していこうと思います。

タップ(短押し)キーの登録

下に並んでいるキーを上のレイアウトにドラック&ドロップ

まずは、タップ(短押し)キーの設定方法から。タップにかんしては下に並んでいるキーから、レイアウト図の配置したいキーにドラック&ドロップするだけ。

配置できるキーは一般的なキーの他にも、マウス操作キーやメディアキーなども指定できますし、レイアウト左下のプルダウンからはキーリストの言語切り替えも可能です。

ホールド(長押し)キーの登録

ホールド(長押し)キーの登録方法について。タップを設定したキーをクリックすると、ポップアップが出現するので「Option(Hold)」にホールドした時のキーを設定します。

「Option(Hold)」クリックするとプルダウンリストが表示されます。

そこからレイヤー移行に使いたい場合は「Layer Tap x(xは移行先のレイヤーナンバー)」を選択。(レイヤー指定する場合は、移行先の同じキーは▽に指定して下さい)

装飾キーにしたい場合は「Mod Tap」を選択し入力したい装飾キーをチェックします。

そのほかの機能と設定

ここで紹介したのは一部も一部。30%キーボードをより使いやすくしてくれる「タップダンス」や「コンボ」「マクロ」など様々な機能や設定があります。

このビルドガイドでは紹介しきれないので、先ほど紹介したサリチル酸さんの記事を参考にしてみてください。

キーマップについては、正解はたくさんあれど不正解はないので、一度設定した後もこまめに修正しながら使いやすいキーマップに育てていきましょう。

最後に

2万文字をも超える記事をここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。

DRESSTHINGは自分で組み立てなくてはいけないし、苦労して組み立てたキーボードには35キーしかない。

そんな導入ハードルの高いキーボードではありますが、それでもDRESSTHINGを手にしてくれる人に、どうしたら愛着を持ってもらえるかを考えて設計してきました。

メインキーボードとして導入される人は少ないと思いますが、いつかDRESSTHINGが手放すことできない唯一無二の相棒のようなキーボードとなることを願っています。

ぜひ、完成した暁には「#DRESSTHING」のタグをつけてシェアしていただけると嬉しいです。

【#DRESSTHINGをつけてXへポストする】 
△ そうすけへのメンション付き

ご質問などあれば、このnoteにコメントしていただくか、各種SNSへご連絡ください。

それでは、皆様のデスクを彩るDRESSTHINGを見れる日を楽しみにしています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【この記事はDRESSTHINGで書きました】

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