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フィルムメーカーとの対話で進化するソニーのCinema Lineカメラ(Camerimage 2024レポート)
ソニー広報部のYSです。
ポーランドのトルンで昨年11月に開催されたEnergaCamerimage 2024(以降、Camerimage)は、世界中の映画撮影監督が一堂に会する国際映画祭です。ソニーは、長年にわたりこの映画祭に参画しており、今回も主要スポンサーの一社として参加しました。
Camerimageでは、エミー賞史上最多18部門受賞をされた「SHOGUN 将軍」をプロデュース・主演された真田広之氏がオープニングセレモニーやパネルディスカッションに登壇。SHOGUNは「EnergaCAMERIMAGE Award for Best Performance in TV Series」を受賞しました。
実はSHOGUNは、ソニーのデジタルシネマカメラ『VENICE』で撮影されているんですよ。
また、アカデミー賞を2度受賞経験がある女優のCate Blanchett氏が審査委員長を務め、映画祭の開幕を象徴する存在として注目を集めました。
Camerimageは、セミナーや上映会、撮影監督とのQAセッション、最新機材の展示など、映像制作に関わるすべての人々が集い、学び、交流する場となっています。
ソニーブースでは、最新のシネマラインカメラのファームウェアロードマップ発表と展示に加え、Camerimage 2024にノミネートされた撮影監督をはじめとするフィルムメーカーとの対話が行われました。また、特別セミナー、持続可能な映像業界の構築に向けたパネルディスカッションなども開催しました。
今回のnoteでは、本イベントに合わせて発表した、ソニーのデジタルシネマカメラ『VENICE 2』のファームウェアアップデートVersion 4.0で搭載予定の「EL Zone System™」や、CineAltaカメラ『BURANO』に大幅に機能追加される予定のVersion 2.0、現地の様子などをお届けします!
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Ed Lachman氏が開発した新たな露出制御システム「EL Zone System™」を『VENICE 2』に搭載
今回のCamerimageの話題の一つは、世界的撮影監督Ed Lachman氏が開発した「EL Zone System™」です。Ed Lachman氏は、長年の撮影監督としての功績が称えられ、CamerimageでLifetime Achievement Awardを受賞しました。「EL Zone System™」は、『VENICE 2』のファームウェアVersion 4.0で搭載を予定しています。(2025年8月以降に提供予定)
撮影現場の光量を、ダイナミックレンジの広さで用いられるストップ値を用いて表示できるように進化した「EL Zone System™」は、直観的で素早い露出コントロールを可能にします。
11月20日に開催されたEd Lachman氏とMarko Massinger氏によって行われたソニーのセミナーでは、Ed Lachman氏が撮影された過去の作品を参照にしながら、Ed Lachman氏の照明の美学、「EL Zone System™」についての知見共有が行われました。
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進化を続けるソニーのCinema Lineカメラのファームウェアアップデートとソニーブースの様子
ソニーブースでは、『BURANO』や『VENICE 2』など最新のシネマカメラのラインアップを展示し、今後のファームウェアウェアアップデートのロードマップを発表しました。『VENICE 2』と『BURANO』の主なファームウェアアップデート予定をご紹介します。
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『VENICE 2』 Version 4.0 (2025年8月以降に提供予定)
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追加される主な機能
• 前述の露出管理ツールEL Zone System™ に対応します。EL Zone System™はストップ値を使用して露出値を表示することで露出を管理するツールです。本機能は『VENICE 2』に既存の露出管理ツールに加えて提供されます。
• ユーザーフレームラインの色設定に対応します。フレームラインツールや本体で作成したフレームラインの色設定に対応することで、カスタマイズ性や視認性が向上します。
『VENICE 2』は2022年の発売以降、世界中の撮影監督に幅広い撮影現場でお選びいただいています。Version 4.0以降、2026 年にVersion 5.0、2027 年に、Version 6.0の提供を予定しています。
『BURANO』 Version 2.0 (2025年3月以降に提供予定)
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『VENICE』で培った高品位な映像表現と、小型・軽量化による高い機動力を兼ね備えるCineAltaカメラ『BURANO』。本機は、ライブ運用やスローモーション撮影など大幅に機能強化するファームウェアアップデートを予定しています。
追加される主な機能
• 新しい記録形式に対応します。フルフレームクロップ 3.8K 16:9 最大120 fps、Super 35 1.9K 16:9 最大240fpsのハイフレームレート撮影(※)などに対応し、より滑らかなスローモーション撮影に対応します。
・ アナモルフィックレンズ使用時に1.8倍デスクイーズ表示機能を追加します。
・ S&Q(スロー&クイックモーション)モードで選択可能なfps(66, 72, 75, 88, 90, 96, 110fps)を追加します。
この他、モニタリング機能の改善など、大幅に機能強化するアップデートが含まれており、更に細かな追加アップデートも多数予定されています。詳細は、以下のBURANOのページをご覧ください。
BURANOスペシャルコンテンツ
(※)240 fpsの場合、SDI出力およびHDMI出力は利用できません。
フィルムメーカーとの対話を開発に生かす
ソニーでは、世界中から集まったフィルムメーカーなどクリエイターとの直接対話の機会を設け、ソニー製品への率直な声を聴き、ファームウェアアップデートでの改善や、製品開発に反映しています。
「映像制作の現場で起きている変化に寄り添い、フィルムメーカーの声に耳を傾けることで、より良い製品開発が可能になります。今回のCamerimageでは、業界トップの撮影監督達からVENICEをはじめとするCinema Lineへの様々なフィードバックをもらうと共に、ソニーのシネマ業界への貢献についての感謝の声もいただくことができました。フィルムメーカーが求める映像表現を実現できるよう、引き続き努めていきます。」(ソニー(株)クリエイターサポート部門の高橋 慶さん)
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ソニーは今後も、世界中のクリエイターとの対話を通じて、映像表現の可能性を広げる技術開発に取り組んでいきます。
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トルンに行ってみたいです。(髪が伸びたのでイラストも更新してみました)