三百七十四話 脚が乗っている
「ごきげんよう」「神のご加護を…」
朝の清冽な空気の中、女子生徒の挨拶がこだまする…。
学校の校門をくぐると、そこは身も心も清らかな乙女の園…。
そう、ここは神田ミカエル女学院…。
中庭の大天使ミカエル像が、通う女子生徒たちを守護している…。
天界の大天使ミカエルは、ここに通う女子生徒たちを見て何を思うか…?
その御心は、まさに神のみぞ知るということなのだろう…。
ここに三年間通えば、お淑やかなお嬢様になって卒業できるという…。
制服は翻さないように、静かに歩き…。
清廉潔白で文部両道、それでいて純粋無垢な心を持った乙女たち…。
この学院には、そういった生徒しか存在しないのです…。
否、今日から新たに校門をくぐった、たった一人の生徒を除いて。
月日はあっという間に過ぎて…。
3月に入った…。
二月とは打って変わって…。
陽気は温かくなり…。
温かいというか、気温は25度近くなり…。
これじゃ夏だよ!というか初夏!?
少し暑いような気温が続いた…。
私は暑いのが嫌いなのだけれど…。
でも夕方は涼しい風が吹いていて…。
少し出歩きやすい気候になってきたかなぁ?
そう思う今日この頃でした…。
そんなある日、そうだバイトをしよう!
と思い立つ私であった…。
一緒に住んでいるギャルの藍さんに…。
数万もするお洋服を買ってもらったし…。
同じく一緒に住んでいる女悪魔の…。
グレモリーにも少しお金を借りていた。
そのお金を返したいのである…。
あと、私の背中を温かい春の陽気が…。
そっと押してくれたような気がしないでもない。
そんな詩的な表現はいらないか…。
何にせよ、バイトしようと思ったのである。
というわけで、一緒に住んでる…?
花子さんに聞いてみることにした…。
花子さんは訳あって、半透明の魂みたいな存在。
花子さんは今はアストラル体という存在になって。
半透明の裸体の格好だった…。
お胸もお尻も大きい美少女なので…。
私は目のやりどころに困ってしまうのであった。
花子さんが学生だった頃に…。
バイトの斡旋をしていたという人物に聞いてくれた。
マダムKといういかにも怪しい人物…。
電話でマダムKに私を紹介してくれた…。
そして、一枚のメモ書きを渡してくれる…。
花子さんが紹介してくれたけれど…。
マダムKという人物を信じていいのでしょうか?
私は数日悩み…。
やっと意を決してメモ書きの場所に向かう…。
メモ書きの場所は秋葉原であり…。
そこの雑居ビルだった…。
地図も書いてあったので、迷うことなく着けた…。
私のバイト先はどうやらビルの3階にあり…。
私はエレベーターに乗り、3階に向かう…。
そこに赤いチャイナドレスを着た怪しい人物がいた…。
赤いチャイナドレスにサングラスをしている。
私はその人物がマダムKだと感じた…。
案の定、その人物はマダムKであり…。
私はバイトに即採用され…。
3階のとある部屋に案内されたのであった…。
その部屋はガラス製のついたてがあり…。
ついたての中では少女が数人寛いでいて…。
その様子を数人のお客様が見ている…。
そういう業務形態のお店であった…。
私はマダムKに言われて…。
奥の個室に入って、衣装に着替えた…。
衣装がいっぱいある小さな部屋があるのである。
私は女子高生なので…。
制服っぽい衣装を選んだ…。
ブレザーやセーラー服といった…。
上着は着ないで、シャツのみにした。
スカートはすっごいミニスカートで…。
なんとなくちょっとギャルに見えるかな?
そんな衣装を選んでみたのである…。
あと単純に気温が暑く…。
上着はいらないかなと思った…。
そんな格好で、ガラスで仕切られた部屋に…。
入っていく私…。
私は空いているスペースに座ることにした。
クッションや毛布が置いてあるので…。
クッションに腰をを下ろした 。
体育座りみたいな体勢で座ったのだけれど。
スカートがすごいミニなので…。
多分私の下着は丸見えになっているだろう。
私は恥ずかしいやら緊張しているやらで…。
かなり縮こまってしまう…。
しかも前を見ると…。
お客様と目が合ってしまう…。
普通こういうお店ってマジックミラーに…。
なっていると思うのだけれど…。
こちら側からお客様の姿が丸見えなのだ…。
私は一層恥ずかしくなって、俯いてしまった…。
そうだ、スマホでも見ようと思った…。
スマホを見てれば、少しは緊張が薄らぐかも…。
そう思ったのだけれど、どこを探しても…。
スマホはなかった…。
多分、私服のポケットに入ってるんだ…。
私は軽く絶望してしまった…。
他の女の子は大抵スマホを見て寛いでいる。
今日は何時間このまま働くかわからない。
だから、何か暇を潰せるものがないと困るのである。
そばでは何と寝ている女の子もいるけれど…。
バイト初日から寝ていていいものだろうか?
私は結構困ってしまったのである…。
どうしよう?衣装部屋まで戻るかな?
勝手にこの部屋を出て行ってしまっていいのだろうか?
私は迷っていた…。
もちろんスマホを取りに戻ろうか迷っていたのである…。
そんなことを迷い思い悩んでいたら…。
誰かの脚が私のお腹にぶつかってきた…。
その脚は私の鳩尾にクリーンヒットした…!
ぐへぇぇぇ!?と私は変な悲鳴をあげた…。
鳩尾が痛くて、それに呼吸ができない…。
周りの女の子は、クスクス笑っている。
もしかして、私はいじめにあっているのか!?
そう一瞬思ったのだけれど…。
その脚の持ち主は、寝ている女の子なのであった。
寝相が悪くて、脚が私の鳩尾にぶつかったらしい…。
わざとじゃないんだろうけど、結構痛いのですが…。
その子はまだぐっすり寝ていて…。
スカートはすっかり捲れていて…。
ミントグリーン色の下着が丸見えになっていた。
真っ白な太ももにミント色の下着…。
いやいや、見惚れている場合ではない…。
その子の脚はいまだ私のお腹に乗っている。
どうにか退けないとかな…?
そう思う私であった…。
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