三百九十六話 カードゲット〜

「ごきげんよう」「神のご加護を…」

朝の清冽な空気の中、女子生徒の挨拶がこだまする…。

学校の校門をくぐると、そこは身も心も清らかな乙女の園…。

そう、ここは神田ミカエル女学院…。

中庭の大天使ミカエル像が、通う女子生徒たちを守護している…。

天界の大天使ミカエルは、ここに通う女子生徒たちを見て何を思うか…?

その御心は、まさに神のみぞ知るということなのだろう…。

ここに三年間通えば、お淑やかなお嬢様になって卒業できるという…。

制服は翻さないように、静かに歩き…。

清廉潔白で文部両道、それでいて純粋無垢な心を持った乙女たち…。

この学院には、そういった生徒しか存在しないのです…。

否、今日から新たに校門をくぐった、たった一人の生徒を除いて。

『小悪魔の休憩所』と言うお店で…。

二日間、バイトしていた私…。

そのお店は女の子が寛ぐ姿を…。

女の子大好きな女性のお客様が…。

眺めてお金を支払ってもらうという。

画期的な?レズのお姉様向けのお店だ。

私は働いている側なので…。

座って寛いでいるだけでお金がもらえる。

日給一万円以上ももらえる…。

とても夢のようなパラダイスなバイトだった。

マダムKという謎の女性の斡旋で…。

見つけたバイトであったが…。

働いているときに隣にいた…。

眠子さんという女の子と…。

お知り合いになった私…。

眠子さんは名前の通り…。

いつも眠そうで…。

私の膝枕でごろごろしてしまう。

髪の毛は茶色い癖っ毛で…。

もこもこもふもふしていて…。

思わず髪を撫でてしまう私…。

肌も真っ白で綺麗で…。

マショマロか雪見なお菓子のような…

触感がして。いけないと思ったが…。

色々なところを撫で回してしまうのであった。

そんな感じで2日間…。

バイトをしていたわけだけれど…。

バイトが終わったあとに…。

眠子さんのお家に誘われた…。

週末だしお泊まりしてほしいという。

私は迷ったけれど…。

眠子さんのお母さん…。

マダムKこと、真門圭子さんにも。

ぜひ泊まっていってと言われたので。

泊まることにしたのである…。

真門圭子さんと眠子さんは…。

親子だったのだ…。

眠子さんの家で…。

シチューをご馳走になっているときに。

真門圭子さんは七つの大罪の…。

強欲の魔王、マモン様だということを。

打ち明けられた…。

私はびっくりしてしまうのだけれど…。

そのあと、眠子さんとお風呂に入っていたら。

眠子さんも怠惰の魔王ベルフェゴールだと…。

正体を明かしたのであった…。

1日で2人の大魔王に会ってしまうとは…。

私もびっくり仰天なんだけれど…。

眠子さんは私のことを気に入ってくれて?

眠子さんのモノになってくれと言われる…。

私はモノじゃないし、困ってしまうのであった。

「眠子のモノになれば魔王カードあげるよ〜」

眠子さんはお風呂で私に抱きついている…。

七つの大罪の魔王と絆を深めると…。

魔王のカードが手に入るのだ…。

でも、私には好きな人もいるし…。

ズッ友のギャルのお友達もいる…。

眠子さんのこと、嫌いじゃないし…。

お友達にはなりたいけれど…。

眠子さんのモノになってしまうのは…。

何か違うような気が私はしたのだ…。

「あの私はモノじゃありません…」

私は眠子さんにそう言った…。

「そ、そんなこと言うとカードあげない」

眠子さんはそっぽを向いてしまう…。

ストレートに言いすぎただろうか…?

「眠子のモノになれば毎晩かわいがってあげるよ」

眠子さんはそう言うと私の胸を触り出した…。

眠子さんのお胸は結構でかいけれど…。

私は胸が、結構小さい…。

そんな小さな私の旨を触っても…。

眠子さんは魔王だから…。

私の考えていることがわかってしまうのだ。

「だめぇ!エッチなのはだめぇですぅ」

私はダメだと眠子さんに言うけれど…。

「よいではないか。よいではないか」

となぜか時代劇みたいなことを言う…。

眠子さん、おじさんみたいだな…。

私はちょっと冷静になってしまう。

「あれ?いい雰囲気終わっちゃった?」

眠子さんは不思議そうに…。

目をパチクリしている…。

だって眠子さん変なこと言うんだもん…。

「眠子さんのモノにはなれないけれど」

私は改まって言った…。

「眠子さんとお友達になりたいです」

「お友達か〜?いいね〜」

眠子さんはそう言ってまた抱きついてきた。

眠子さんの身体が私の身体に密着してきて…。

私はまた心臓がドキドキしてしまうのであった。

と、そのとき、お風呂の天井あたりから…。

七色に輝くカードが降りてきた…。

「おぉ〜、こうやってカードが出現するのか」

なぜか眠子さんがびっくりしている…。

眠子さん自身知らなかったのであろうか?

私は怠惰の魔王のカードをゲットした!

「カードゲットおめでとう〜」

眠子さんが拍手をしてくれる…。

どうにか眠子さんの誘惑に勝てた…。

私はぐったりと疲れてしまうのであった。

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そのさき@小説
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