百十一話 VRゲーム

喫茶店『天使の扉』で働き、どうにか午前の接客をこなした私。

ヘトヘトになってしまったところ、翼さんが休憩したら?と言われた。

お言葉に甘えて、控え室で休憩することにした。

控え室のドアを開けて、中に入ったら摩耶がVRゲームに夢中になっていた。

VRグラスをつけ、口元は弛緩して少しよだれを垂らしている。

目元がVRグラスで隠れていて、可愛らしい小さい口元が開いて、よだれが一筋垂れている。

耳をすませてみると、摩耶のはぁはぁと言うなんとも言えない吐息も聞こえてきた。

身体もときおり、ぴくっ!ぴくっ!と痙攣している…。

少しボーイッシュな摩耶だけど、何かいけない感じになっている…。

私が摩耶のVRグラスを取るちょっと前の話…。

私は気になった。摩耶は仕事サボって、どんなゲームしてるんだろう…?

スマホを通して、VRしてるみたいなので、ちょっと覗いてみた…。

超際どいビキニアーマーを着た主人公ぽい女の子が、剣を振るって戦っている。

剣を振るうたびに、胸がぷるんと揺れて、お尻もぶるんと揺れている…。

もう、仕事サボってなんかいやらしいゲームしてるんですけど!?

私はイライラして、VRグラスを取ってやろうと思った。

思ったけど…。もう少しゲームの様子を見てみようかな…?

私はしばらく摩耶のゲームプレイの様子を見ることにした…。

なんかスライムみたいのと戦っているけど、やたらスライムにやられている…。

某RPGのせいで、スライムは最弱のモンスターってイメージがあるけど…。

もしかして、このゲームのスライムは、物理攻撃効かない厄介なモンスターなのかな?

教えてあげたい気もするが、VRゲームだから私が声かけても気づかないだろうなぁ…。

そんなことを考えているうちにも、主人公ぽい女の子はスライムにやられている。

胸とかお尻も、スライムの液体にまみれて、テカテカと光っていた。

お腹もおへそも、同じようになっている…。

スライムが、女の子の身体にへばりついて、蠢くたびに女の子の表情は苦痛に歪んでいる。

最近のゲームは、なんか妙にリアルで、見てる私もなんとも言えない感じになってきた。

女の子の身体はリアルだけど、顔は萌えな感じになっている。

その顔をよく見ると、なんとなくだけど翼さんに似ていた。

もしかして、このゲーム、主人公を自分でキャラメイクできるのかな?

そこで摩耶は翼さんの顔に似たキャラを作ったのかもしれない…。

翼さんに似たキャラが、身体中スライムまみれになって、苦痛で?喘いでいるように見える。

摩耶のキャラは、まさかスライムにわざといいようにやられているのか…?

私は怒って、摩耶のVRグラスをすぐに取りたい気もしたけど…。

まだこのまま見ていたいような、妙な気持ちになってしまうのであった…。

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そのさき@小説
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