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英会話「幼児から大人まで」「どんなレベルの人にも対応」でいいのか?
ご自身が長く英語圏で生活されていて、しかも英語を使うプロとして活動されている、とある方とお話したときのこと。
その方は、私よりもずっと英語がお上手で、長く英語でお仕事をされてきた方で、もちろん発音もネイティブ並み。日本人なら誰もが憧れるような英語力の持ち主です。
ところが、その方が言うには、
「実は、私も自宅で英会話教室を始めたんですが、あまりうまく行っていなくて・・・」
だそうなんです。
私も、
「え?いったい、どうして、この方が始めた英会話教室がうまく行かないんだろう?」
と思ったのです。
そこで、私からお尋ねしたのは
「XXさんは、どんな方向けの英語教室をやっていらっしゃるのですか?」
ということ。
そうしたら、
「始めたときから、”幼児から大人まで年令問わず”、”どんなレベルの人にも対応できます”というキャッチコピーでやってまして」
と言われました。
なるほど。
だから、うまく行かなかったんですね・・・
どうしてだか、わかりますか?
「誰でもOK」では、お客様は自分のことだと思ってくれない
一つ、例を上げて説明しましょう。
例)あなたは、来月お仕事で英語のプレゼンをすることになってしまいました。普段あまり英語を使い慣れていないので、今から英会話の先生を探すことにします。そこで、検索したらこんな2人の先生が出てきました。
どちらの先生から学びたいですか?
A先生) 幼児から大人まで、どんなレベルの人も対応します。
B先生)ビジネスシーンの英語に絞って指導しています。
おそらく、多くの方がB先生を選ぶでしょう。
つまり、「誰でもOK」というコピーよりも、「XXの人限定です」と言われたほうが、英語をどうにかしたいというお客様にとっては「この先生は自分のためのサービスを提供してくれる」と思ってもらえる、ということなんですね。
これを、マーケティング用語で「ターゲティング」といいます。
ターゲティング、なんていうとなんだか小難しい話のようですが、私たちが個人で「英語コーチ」を始める場合でも必須要素なのです。
ターゲティングをするメリット
マーケティングの効果が上がる
特定の人々をターゲットにすると、顧客のニーズや好みに合わせてメッセージをカスタマイズすることができます。先ほどの例のように「誰でもOK」ではなく「ビジネス英語に限る」とすることで、英語のプレゼンをする人が来てくれる、ということですね。
時間とリソースを節約できる
的確なターゲティングをすることで、「しなくてもいい」ことを見極めることが出来ます。例えば、あなたが、英語コーチとしてビジネス英語を教えるのであれば、「旅行会話」「留学英語」についてのテキストを揃える必要はなくなります。自分が関心のない、あるいは関連性のないことに時間やリソースを浪費しないですむ、ということです。
ブランドを築ける
ブランドとは、「XXといえばXXさん」と言われるようになる、ということです。
例えば、私の講座に参加されているRさんは、ご自身は留学経験がないのに、ご自分の息子さんをバイリンガル育児でアメリカの大学院に留学させた、というツワモノ。講座内では「バイリンガル育児といえばRさん」という確固たる位置を築いていらっしゃいます。同じように、「XXといえばXXさん」と言われるには、しっかりターゲティングをする必要があります。
いかがでしょうか。
あなたが、英語コーチになりたい、英語を教えたい、英会話教室を開きたい、というとき、くれぐれも「子どもから大人まで対応」「どんなレベルの人にも教えられます」と言わないで欲しい、ということです。
「オンライン英語コーチの学校」では、ご自分の過去の英語歴、職歴などから、どうしたら「XXといえばXXさん!」といってもらえるか、ターゲティングをじっくり検討します。参加された方それぞれが、自分の得意な分野に絞ってターゲティングをしていくので、同じ「オンライン英語コーチ」という肩書だとしても、お客様は「このコーチは自分に合っていそう」とか「このコーチに教わりたい」と思って来てくださるようになります。
明確なターゲティングなくしてお客様が来てくださる、ということはないのです。
よろしければ、こちらの記事もご覧ください
英語が得意な方に。「オンライン英語コーチ」という働き方のススメ
https://note.com/sonoz/n/n290a429e1693