崩れた壁の修復に失敗
地震で脆く崩れ落ちた和室の壁。
見積もりはとったものの,外壁工事でいっぱいで,内壁は今回は見合わすことに。
しかし,自分達でなんとかできぬかと思い,流行りのDIYにチャレンジしてみようとホームセンターへ。
慣れないブースに何が何やらわからず,お店の方に尋ねることに。
とっても熱心に教えてくださり,これならできそうと,いくつか購入。早速,自分なりの作戦を立て,望むことに。
まずは,壁と色の似た物を亀裂の入った所へ注入。高い所は夫が担当。意外と上手と感心。だが,ちょっと色が薄い。
翌日,昨日より濃い色の物を購入し,上から再度塗る。今度は私が。これが失敗。当然のことながら,色が濃くなってしまった上に,こだわりの強い私は,壁が薄くなっている所にまで手を出してしまい,被害拡大。うそっー。と声をあげる。
帰宅した夫に謝る。
一晩寝ながら策を練る。2つの色を混ぜればよいのではと。罪悪感と好奇心から,翌朝早起きして,取り掛かる。期待しながら塗り始めるも、頭の中ではうまくいったのに,思った色が出す、惨敗。悔しさから,何度か重ね塗り。分厚くなって,より不格好に。
結局、1時間かけて塗った壁を30分かけて落とす。リセットのつもりだったが,はげたところが増えてしまった。
もうこうなると,気になって仕方ない。頭の中は,壁のことばかり。
気持ちを切り替え,翌日,次の作戦に出る。
お店の方が教えてくれた白いパテを塗り,その上から色を塗る。絵の具なら色を混ぜていい感じの色を作れるかもしれない。
なんて甘い考え,浅はかだった。おまけに家の絵の具は長の月日で固まっていた。仕方がないので,出た色,緑,群青を混ぜてみる。深い緑は出るわけなし。赤で少しいい感じになるかもと試みるが、わけもなし。とんでもないことに。
ですよね。想定されたことだったのに,うまくいくかもしれない,いや,うまくいくのではと遊び心も手伝い,芸術家気分でいろいろ試してみるが,よくなるわけもなく,なんとかしなくてはと,すればするほど,益々とんでもないことに。
とうとう、地震の被害よりも酷いことに。
そこへ息子。「かびても生えてきたん?」
確かに。先日,雨漏りで絨毯にできたカビの色と全く同じ色の組み合わせ。カビと言われればカビに見える。大きなカビが恐竜の足跡のようにいくつもついているようだ。
ようやく,つきものがとれたように手を止めることができた。
諦めて,起きてきた夫に謝る。ごめんなさい。
優しい夫は,責めることなく,「夏の休みに壁を塗ろう。」と言ってくれる。ありがとう。
きょうも「壁の修復」でネットで修繕方法を探す。
タペストリーが出てきた。ありかも。
壁の色に雰囲気の似た緑の綺麗な風景のものが複数ある。「あとで買う」にキープし,他の作戦も考える。
なんとかせねば。寝て起きて,またまた塗ってみる。緑のパテを上から塗ったけれど、絵の具の赤が主張。あー,やっぱりダメ。
偶然にもクレパスを見つけた。茶色。緑色。黄色。いろいろ塗っていく中、灰色がいい感じに見える。カビと呼ばれることになった跡に灰色を塗り込む。昨日よりちょっとよくなった気がする。気のせい?
あー,取り返しのつかないことになってしまった。大袈裟?いえ、そんな気分。
寝ても覚めても、壁が気になる。
夫にタペストリーで汚くなった壁を隠したいことを相談する。候補を見せ,早速必要な壁の大きさを測り,決定。ポチッと注文。
早速,翌日到着。夫が帰って早々、ご飯も後回しに,息子も帰って一緒に押しピンで留める。
亀裂の入った部分も,落ちてしまった部分も、そして,良かれと思って補修したとんでもなく大きくなってしまった傷跡達も隠れた。
と同時に,私の心配ごとも隠れた。
ひとまず、みなさん、これで勘弁してください。
大切な私達の家。修繕も慎重に。
大きな教訓です。
動けば動くほど,ろくなことにはなりません。
寝ても覚めても,そればっかり考えていても、どうにもなりません。
諦めて早々に業者に頼めばよかった。それも一つ。
最初から,タペストリーもアリだったかもと思ったり。
努力だけで生きてきた私。
また,自分の変わらぬ性格を感じた。
私のアイデアマン,根気よさは、こだわり派,執念深さとなって,悪い方向にいってしまった。
でも、アイデアマンだったから,執念深いから,タペストリーにいきついた。
優しく思慮深い夫だから,ここまでこれた。
お家のことを考えるのは、楽しい。だから,少しでもよくしようとこだわる。夫も楽しくないわけではないけれど,そんな大きなこだわりはない。
夫婦,このバランスが大事なのだと実感した。
きょうは、ちょっとゆっくり眠れそう。
あー,おやすみなさい。