見出し画像

LAST DANCE - 過ぎゆく瞬間に捧げる歌/LIMELIGHT

先日、大阪にて初ファンコンサートを成功させ、本日(2024年10月27日)のソウル公演でもファンを魅力し、華々しいデビューを飾ったMADEIN。そんな彼女らが7人で手を取り合う前、143エンタが初めてローンチするグループとして活動していた3人の、最後に送り出したアルバムについてここに記録しておきたい。

LIMELIGHT 3rd EP “LAST DANCE”

2024年1月11日に公開された、LIMELIGHTとしての最後のアルバム、LAST DANCE。愛すべきファンとの静かな別れを描き、ひとつの音楽の歩みが静かに幕を閉じる一枚である。[note1]

このアルバム全体を貫くのは、時に軽やかに、時に余韻を残すギターの響きで、今という時代の息吹を織り込んだ、そんなアレンジが奏でる。青春の儚さや瞬間の輝きが、静かに、深く、胸に語りかけてくる楽曲計18曲が収録されている。[note2]

[note1]
愛すべきファンとの静かな別れを描き、と書いたが、これはLIMELIGHTとしての活動に終止符を打ち、再デビューすることが確定した7月以降に、結果的に読み取ることができる事実である。もともとLIMELIGHTはNCTのような無限拡張型(現在は廃止)グループを目指しており、将来的にマシロやイェソらが加入しそのまま活動を続けるものと見られていたからだ。

またこのアルバムは、2024年1月1日に発生した能登半島地震のために売り上げの一部が寄付された。

[note2]
計18曲とあるが、これはアカペラver.、Guitar ver.などを含めた数字であり、実際にはタイトル曲含めた2曲と、ミユとスヘそれぞれのソロ曲が1曲ずつの計4曲ととるのが自然だ。


01 Baby, Maybe Crazy

アカペラで始まるイントロから、LIMELIGHTの純粋な歌声が、まるで未来を夢見る少女のように心に語りかける。サビ前に挿入されるセリフパートは、まだ見ぬ未来への小さな期待の象徴のような印象を与えてくれる。淡い光の中で新しい世界に思いを巡らせる一曲。

02 TA-DA

ギターのリフとシンセポップのリズムが印象的なTA-DAは、神戸や大阪の街並みの中で、揺れ動く刹那の恋を明るく歌い上げる。[note3]心の奥底に響くリフレインが、ただ一瞬の輝きに彩られた恋心を弾むように、まっすぐに表現している。この作品がLIMELIGHTの幕引きを飾ると考えると、その刹那の恋のような瞬間の美しさに胸が締められるような。

[note3]
以下に作品中の代表的なロケ地を示す。

メリケンパーク
MOSAIC側からオリエンタルホテル、海洋博物館へ向けて撮影したものと見られる
ハンター坂
有名な異人館のスターバックスから西へ少し歩いた場所
大阪中之島図書館

03 IF U KNOW U KNOW

スヘのソロ曲であるこの楽曲は、素直な気持ちを手紙にしてあなたに届けたいという思いが綴られた一曲である。彼女の伸びやかで素直な歌声が届くたび、純粋な感情がまっすぐに、心に流れ込んでくるよう。最後だからこそ飾らない「本音」を語るような、飾り気のない、真実の愛に寄り添う楽曲。

04 TWENTY TWENTY

情緒的でエモーショナルな響きが特徴なこの楽曲は、ミユのソロ曲として、過去と現在の対比を通して時の流れに揺れ動く心のときめきを繊細に描き出している。日本語と韓国語、それぞれのバージョンが纏う微細なニュアンスは、記憶の深淵と希望に向かう新たな一歩が交錯し、共存する響きを放つ。LIMELIGHTとしての幕を引くこの一曲[note4]は、リスナーの胸奥に消えない残像を刻みつけることだろう。

[note4]
LIMELIGHTとして発表した最初で最後のソロ曲であるが、先日のMADEINファンコンサートのソロステージで披露されたため、今後も引き続きMADEINのミユとして舞台を見せる可能性がある。
またLIMELIGHT時代の楽曲について、LIMELIGHTをMADEINのフリーユニットととり、3人でステージを作ると捉える考えも存在していたが、実際には7人で STARLIGHTやMADELEINEが披露された。

LAST DANCEは、繊細な感情の変遷に音楽を通して寄り添い、最後の一瞬を歩む、そんな作品と解釈できる。
LIMELIGHTが一時幕を閉じ、再び「MADEIN」として、7人で新たな道を歩み始めるまでの美しい軌跡を映し出してくれる。

いいなと思ったら応援しよう!