2021年 Ubieでやったこと(採用,型化,オンボーディング,組織の色々)

こんにちは、Ubie Discovery の sonopy です。
社のエンジニア達が2021年を振り返るブログを書いていていいなと思ったので自分も書いてみる。本当はほかに仕事で書かないといけないnoteがあり自分を振り返っている場合ではないが、試験前に部屋を掃除したい欲求に抗えないタイプのダメ人間なのですみません。
自分の記録目的で書くが、Ubieの組織に興味がある人などは少しイメージが湧いて良いかもしれない。

Ubie DiscoveryはOKRを活動の軸として四半期単位で動いているので、一年間のOKRを見ながら振り返った。というかOKRを見ないと何も思い出せなかった。
なお、多少なり携わったことを並べたが、全ての仕事はチームでやっており自分だけの力でやったことなど一つもないし、個人的な成果を主張する目的で書いたものではないことを申し添えておきたい。

まずは1〜3月から。

1〜3月のテーマ①:採用市場におけるプレゼンス向上により、インバウンドでの応募を10倍にする

「Ubieにぴったりの人だけが、あちらから応募してきてくれる状態」というのは、採用に携わる者として憧れだった。その憧れをピュアに目指し、一足飛びで実現しようとした。プレゼンス向上を頑張ると応募が増えると信じていた。現在は、我々程度の実力では難しいと理解しているけれど、まだこの憧れを捨ててはいない。

3ヶ月の取り組み結果として、採用サイトのPVは15倍になったが応募は3倍にしかならなかった。
教訓として、Web上の採用マーケティング活動で肝に銘じていることは、多少の興味が湧いたからといって「じゃあ転職しよう!」とはならないということ(あたりまえ)。ニーズをWebで生み出すことはできない。
じゃあどうするかというと、1)転職しようと考えた時に第一想起に入ること、2)Web以外での接点につなげること(たとえばカジュアル面談とか。会って話せば興味を持ってもらえる可能性は格段に上がる)。これらを極めた先に、インバウンドでの応募がある、かもしれない。

やったことサマリ

  • Ubie Discovery を知ってもらう工夫として、「手数」を合言葉に全社で発信を頑張った。半年以上アドベントカレンダーを継続し、気が狂ったようにみんなでブログを書いてはシェアし続けた。自分もいくつか記事を書いた。

    • いくつかの記事で採用に少し貢献できたように感じた。特に「人事評価は不毛?〜評価なしで100名の壁を超えたUbieの事例〜」という記事は、これをきっかけに入社につながったメンバーが数名いたりして、文章化の価値を感じた。

    • 一方で、何本か書いたことで書くことのしんどさが骨身に沁みてしまい、下半期は何も書けなくなった。出せなかった下書き記事が10本程度溜まっている。少し肩に力が入りすぎてしまったので、来年はこの記事のように力を抜いて適当に執筆していきたい。

  • 初心者向けのWebマーケティングの本を数冊読んで、施策に取り入れたりした。

  • ビジネス職種においては特に、Ubieは全く知られていなかったので、10万PVを目指し、記事広告などPaidも含めて施策を模索した。

  • 他社とのコラボイベントやClubhouseなどでの配信は、採用市場における自社の現在地点を相対的に認識する機会としてもよかった。正直競合他社と比較して現在地点がとても低いと感じることが多く、会社としての力不足を痛感したが、こまめに反応が分かるのは面白かった。

  • 認知〜応募までの現状と課題を理解するため、Webサイトから応募して下さった方々にインタビューをさせていただいた。とても良かった。

  • せっかく見に来てもらっても採用サイトがザルだと応募につながらないので、導線作りをした。

    • 採用サイトのちょっとした修正などは自分でもできる範囲でSTUDIOをいじっていたが、レイアウトをぶっ壊してデザイナーに迷惑をかけたりしたことは反省している。

    • カジュアル面談のハードルが高いと良くないのでは?と考えて、15分から選択できるようにしたが、応募は全く増えなかった。また、応募時の入力項目を極限まで減らしたりもしたが応募数に変化はなかった。魅力が十分でない状態でハードルだけ下げても応募はない。こうした発見を積み重ねていった。

最初はとにかくサイトが穴だらけだったので、まずそうな箇所のリストを潰していった

この調子では1年分書き終わらないので、これ以降極力簡潔に書いていく。

1〜3月のテーマ②:UbieなりのPMF方法論を確立し、全社に展開する

同時多発的に各事業を伸ばしていくため、UbieなりのPMFの方法論をまとめ、メンバーにオンボーディングしていく活動を行った。社内では「PMF工場」と呼んでいる。

やったことサマリ

  • 事業フェーズごとにどのような活動を行うべきか、よくある失敗は何かなどを文章化した「PMFガイド」を作成。

  • オンボ前・オンボ済み・リード可能の3段階に分け、オンボーディングの仕組みや学習の仕組みなどを作った。

永遠のWIP

ここまでが1〜3月。4〜6月は基本的にこれの続きっぽいことを多くやった。


4〜6月のテーマ①:各チームの意思決定精度と生産性を最大化する

4〜6月は、PMF工場の続き。また、「スクラム工場」の活動も立ち上がり、プロダクト開発だけではなくビジネス系のチームにおいてもスクラムを導入していった。PMF工場で精度の高い意思決定ができる人を増やし、スクラム工場で生産性の高いチーム活動を行える人を増やすことを目指した。

やったことサマリ

  • PMF(ROI最大化)とスクラム(生産性最大化)に熟達した人を洗い出した。Ubie Discoveryにはマネージャーがおらず評価もないので、「この人はこれに長けている」という情報を評価っぽくない感じで収集し正規化するのはちょっと難しい。できるだけシステマチックに判断できるようにすることなどに気を使った。

  • チーム一覧/アサイン一覧を作成・運用した。普通の会社だとチーム一覧を作成するのは難しくないが、Ubie Discoveryではホラクラシーを導入しておりチームもアサインも毎日変わるので、正直これはめちゃめちゃ面倒くさかった。そして管理が大変な割にReturnが大きくないので現在は運用をやめている。自動化できれば復活したい。

  • 上記2つを合体して、「このチームにはこのテーマについてこの習熟度の人が何人・何%いる」というのを一覧化した。異動調整に利用する目的。

    • そこそこ意義があったと思うが、管理運用が大変すぎて今はお漬物になっている。自分で打開することが難しいので、このあたりのテーマに興味を持ってくれるエンジニアと、継続的に運用してくれるOpsメンバーを発見したら一緒にやりたい

PMF工場とスクラム工場の活動は、個人的に心残りがある。やり残しについては、隙を見てやっつけたい。
社内に「フェーズ論」が浸透したことや、全社的にスクラムへの理解が深まったことはとてもよかった。また自分個人としても事業開発やプロダクト開発の理解が深まったと感じる。

スクラム工場のドキュメント

4〜6月のテーマ②:興味と応募の間を埋める採用マーケティング活動

1〜3月の活動で、PVが15倍になっても応募は3倍にしかならない、ということがわかった。「興味がある」と「応募する」の間の壁は厚い。4月からは応募までの階段やルートを増やす活動を行った。特にビジネス系職種向け。

やったことサマリ

  • 最近Ubie以外のスタートアップに入社したビジネス系職種の方々にインタビューさせていただき、その情報を元に自社との差分や考えうる施策を洗い出して実行した。

    • 転職活動する時にどうしてUbieを選択肢に入れてもらえなかったのか?という視点で話を伺うのはとても参考になった。

    • とりあえず第一想起に入れていないことは明白だった。

    • 転職に近い場面で目に触れるため、認知のためのスカウトや、認知のためのエージェント活用などを模索した。が、認知のためというよりは応募を目指す活動にシフトしていった。

    • 突飛でもいいからとにかくアイディアを出す会はよかった

  • 階段作りのため、Hubspotを活用し職種別にメールマガジンを配信したり、イベント参加者情報を集約したりし始めた。いわゆるナーチャリング。

miroでインタビューまとめ・ブレスト・PBIのネタ出しをした様子

7〜9月のテーマ:発散的に色々やった

7〜9月はやりたいことが色々あったのであえてフォーカスしないことにしてみた。振り返るとやはりフォーカスはするべきだった😇

やったことサマリ

  • Opsのバリューを策定し、人材要件をリニューアルした。2年ほど前に作成した要件が随分荒くて、当時はOpsの解像度が荒かったんだなと思うなどした。もっと早くリニューアルすべきだった。

  • ホラクラシーの導入から1年経過。習熟度の差を埋めるような活動をいくつかやった。ホラクラシーもスクラムもOKRも、フレームワークは細かいHowではなく思想の浸透が重要と改めて感じている。

  • BizDevの採用が出来ていなさすぎて、全社的な課題だった。ブランディングなど長期施策ではなく、短期で入社決定を出すスクラムチームが生まれ、そこに入ったり、POの後方支援などをした。

  • 採用活動の一貫で、Meetyの社内促進をやったりもした。自分もカジュアル面談をたくさんした。Ubie DiscoveryメンバーのMeetyは現在150くらい(!)公開されている。実績もそこそこ出ているのでそのうち紹介したい。

コツをまとめたドキュメント
布教スライド。Meety中村さんもUbie宛にコメントをくれて感謝!

10〜12月のテーマ:UCSのHRを後方支援。組織化へ

Ubieは現在組織をいくつかに分け、それぞれ独自カルチャーを形成しており、制度なども完全に異なる。自分は普段Ubie Discoveryの仕事をしているが、この四半期は時限的にUbie Customer Scienceの後方支援の仕事をさせてもらった。
UCSは30名規模で、HR観点でも整えることが色々あるタイミング。(ちなみにUDではHRと名乗ったことは一度もないが、バックグラウンドとしてはHR領域が長い。)いつもと違う文化の中で、いつもと違う活動をしていくのは新鮮だった。
組織を分割している話は随分前に記事を書いたきりなので、その後どうなっているかをそのうち書きたい。


ほかにも色々と顔を出したり手を出したりした気がするが、OKRに書いていないことは全部忘れてしまったのでここまでにしたい。

雑感

  • 後半はあからさまに短く尻つぼみになったが、書くのが疲れてしまっただけで下半期サボっていたわけではない。

  • そうこうしている間に、今年も社員が倍増した。180人。事業的にもいよいよという感じだ。来年は海外展開が特に楽しみ。

  • Ubieで仕事し始めてぼちぼち3年になる。自分は飽きっぽいので基本的にジョブホッパーだが、Ubieは今のところまだ飽きていないのでよかった。事業が成長していることと、四半期ごとに注力することを変えられるのが大きい。

  • こうして書いてみると、2019年、2020年も書くべきだったと感じる。自分の仕事柄、Ubieの組織づくりの軌跡みたいなものが記録できるはずなので。もったいなかった。

  • クセ強めの自分が楽しく仕事できているのもUbieの組織ならではと改めて感じる。今年も一緒に仕事してくれたみなさんに感謝。

終わりです。今年もお世話になりました。良いお年を。

読んでくださりありがとうございます。 サポートとても励みになります。書きながら飲むコーヒーを購入させていただきます。