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反対されていた親を説得し、大好きなラーメン屋に就職した美女、まりちゃん

新連載を始めます。そのまんま荘の住人だけではなく、コミュニティー内のゲストも実は面白い人生を送っている人がたくさんいます。このコミュニティは一人一人が「十人十色」で本当に楽しいですなー。ということで、ゲストの人生を紹介する「我らのユニークなゲストたち」という連載を始めたいと思います。

記念すべき第1回に選ばれたのは、ラーメンが好きすぎて、反対を受けながらも親を説得し、ラーメン屋に就職した、まりちゃん。そのまんま荘が始まった初期から利用してくれていた古株の彼女をゲストにお迎えし、お届けします。それでは、Let's go!!!

まりちゃん|1995年生まれ、24歳。愛知県出身。
名古屋にある大学の外国語学部を卒業。その後、大学教授の母親の反対を押し切り、某有名ラーメン屋に就職。現在は第一線で活躍する店舗スタッフとして働いているが、今後はブランドを発信する広報になることを目標に勉強している。生粋のラーメン好きで、累計650杯以上ものラーメンを食している。Instagramでは、毎日様々なラーメン店の魅力について発信していて、そんな彼女の合言葉は「#ラーメンと結婚したい」。

ラーメンにハマったきっかけ

「物心ついた時から通っていた、地元のラーメン屋さん」

めん吉

--そのまんま荘メディアでの新連載が始まりました。その名も「我らのユニークなゲストたち」。一人目のゲストとしてお招きさせていただいたのは、まりちゃんでーす。よろしくお願いします。まりちゃんは僕のイメージだと「ラーメンが大好きな美女」っていうイメージなんだけど、ラーメンにハマったきっかけってなんだったの?

まりちゃん
トップバッターなんだ?!緊張するー!こちらこそよろしくお願いします。ラーメンにはまったきっかけかぁー。幼いころから家族で通っている「めんきち」っていうラーメン屋さんかな。そこのラーメン、本当に美味しくて、今でも家族ぐるみでお世話になっているお店なの。めんきちがきっかけで、大学生くらいからキャンパス周りの色んなラーメン屋さんに週一回は必ず通うようになったんだよね。大好きすぎて本当は教えたくないラーメン屋さんなんだけど、今回は特別に。

めんきち
愛知県で超有名な好来系のラーメン屋さん。たっぷりの野菜から取った出汁が決め手の薬膳系のラーメンが売り。まりちゃんオススメは「梅」というチャーシューがふんだんに使われた、チャーシューラーメンに白ご飯!毎回スープを完飲するほど、クセがなく、口当たりが良い絶品な味わいのようだ。

大学後の進路

「憧れていた教員という仕事は、理想とは程遠い世界だった」

黒板

--凄い美味しそう!!!「めんきち」がまりちゃんの人生を作ったと言っても過言ではないね。このラーメン屋さんがきっかけになって、今ラーメン屋で働いていると思うんだけど、大学時代の進路のこととか教えてもらってもいいですか?

まりちゃん
高校生の進路の頃に遡るねー。母親が大学教授で、世界で開催される学会とかにも参加している人なのね。だから、幼い頃から外国によく一緒に行っていたんだけど、その影響で「私もいつか世界で活躍するような人になりたい」って当時考えていたんだ。それで、大学は外国語で授業を受けることができる、名古屋のN大学っていう所に進学したんだよね。そこでは、イギリスの文化や歴史について学んでいたんだけど、母親の背中も見ていて、「かっこいいな」と思っていたから、教職過程も並行して勉強をしていたの。あの時は、母親も私の姿を見て、ずっとサポートしてくれていたね。

でも、教育実習がきっかけで、「教員になりたい」っていう考えが変わったんだ。一つ目は、私は教えることは好きなんだけど、カリキュラムに縛られて何かを教えるのは好きではないんだなって思ったのね。描いていた理想はもっと自由で、青空の下で子供が学びたいことを楽しみながら、学べるような教育だったの。二つ目は、教師という職業が過酷な仕事なんだということ。実習自体は楽しかったんだけど、これを仕事として生きていくのは厳しいと思ったのね。それから、進路について色々悩む時期に入っていくんだけど、最初のステップが雑食就活で...。

雑食就活時代

「50社以上に提出したエントリーシート」

シート

--ん?雑食就活?初めて聞いたかもしれない。どういうこと?

まりちゃん
簡単に言うと業界や業種を絞らずに、手当たり次第に就活をすることかな?大学4年生の時、1年間留学でイギリスにいたんだけど、6月ごろには内定をもらっている日本の友達も増えてきたんだよね。でも、自分は内定もないし、就職活動もスタートしていないことに焦りを感じたの。「そろそろ就活しなきゃなー」と思って、イギリスで行われていた日本のキャリアフォーラムにあった企業の数十社にエントリーシートを出したの。すごい頑張ったとは思うんだけど、その数週間後に「うーん、私は何がしたかったんだろう」って思ったんだよね。それから、悩みを解決するために自己分析をもう一度したのね。その結果、「飲食業」と「教育」の業界二つまで絞ることができたの。「人を幸せにできる食文化に魅力を感じていたし「飲食業」は良いな。「教育」も大学でまだ学んでいたし、関心があるな。」って。

某有名ラーメン企業との出会い

「偽っていた自分から、等身大の自分で勝負をするようになった」

--そうなんだ。でも今は、飲食の企業に就職していると思うんだけど、「飲食業」に決まったきっかけはなんだったの?

まりちゃん

日本帰国後に現在就職先のラーメン企業に出会ったんだけど、その出会いが人生を大きく変えたかな。その企業は海外にも店舗があるんだけど、思い出すとイギリス留学中の大学の近辺にもあったのね。その時は特に何も気にしていなかったんだけど、日本で企業の人事部の方とお話して、日本の食文化をラーメンで世界に発信していることや社内のコンセプトに心を打たれたんだよね。それから、この企業にどんどん引き込まれていったの。それまでの就職活動は、企業ごとにあった自分を作り出して面接を受けていたんだけど、この企業は初めて、自分をさらけ出して面接をした企業だったの。これで「飲食業」という道に進んだね。

最終判断での葛藤

「大学生活が無駄にはならないか...」

教科書

--確かに「日本の文化を食で海外へ」っていうのは僕も素晴らしいと思う!

まりちゃん
でも、本当に入りたい企業だったんだけど、なかなか最終決定する事が出来なかったんだよね。当時、自分自身との葛藤が色々あったんだけど...。まず、「今までやってきたことが無駄になるんじゃないか」って思ったんだよね。大学5年間で私が学んだことは、国際関係と教育、なんのための大学になるんだろうと思って、すぐには決断できなかったの。二つ目の葛藤が、ラーメンを商品にするというところ。ラーメンを食べることも、SNSで発信することも趣味でやっていたのね。だから、これを仕事にしたら、仕事と趣味が一緒になってしまって、「仕事のせいでラーメンが好きではなくなるんじゃないか」っていう不安もあったんだよね。もう一つは大学教授の母からの期待。どれもすごい悩ませたんだよね。だから、一度頭の中を整理するために、内定先の企業を一社ずつグラフ化、資料化をしてみることにしたの。本当の自分はどこで働きたいと思っているのか、気持ちを確認したかったかね。可視化してみてみると「やっぱりラーメン企業に入りたい」と思ったんだよね。

親に大学後の進路を伝える

「親と向き合うという決心をした」

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--なるほどね。今の時代、「趣味が仕事になればいい」っていう考えもあるけど、確かに仕事にすることによって、プライベートとの切り替えができるのかわからないよね。

まりちゃん
そうなの。それから、今まで全然相談もしなかったんだけど、両親に卒業後の進路について伝えるようと思ったんだ。相談しなかったのにも理由が、いくつかあって...。中学・高校生の頃、私はやんちゃだったから、学校で何か騒ぎを起こして、親を何度も学校に呼び出していたのね。そのこともあって、「親にはなるべく迷惑をかけたくない」と思い、就職活動のことを聞かれても、あまり話をしなかったの。もう一つ話をしなかった理由があるんだけど、それが母親が大学教授という点。昔からテストでいい成績を取ったとしても、「あの子のお母さんは大学教授だからね」、「お母さんは娘さんへの教え方が上手ですね」と母親ばかりが褒められていたの。実際は、母親は忙しくて、全部自分で勉強していたというのに。いつも母親を引き合いに出してしか褒められなくて、自分の努力を評価してもらえなかったんだよね。だから、自分で道は選びたいということもあって、報告も相談もためらっていたの。

伝えようと思ったきっかけがあるんだけど、それが今働いている企業の最終面接で言われたこと。「あなたが内定を受けた後、半年ほど学生生活が残っていると思います。その間にあなたがしなければならないことは、親にしっかりと感謝を伝えることです」って言われたんだよね。ここで「あー、親も娘の人生を心配しているのにも関わらず、何も伝えないのはダメだな。向き合わないと」って思って、伝えることにしたの。

親の大反対

「仕事を勢いで決めるなと親からの厳しい一言」

--そうだね。実際話してみたらどうだった?

まりちゃん
それがもう大反対だったの。「5年間大学に通って、イギリス留学も行き、今までの大学はなんだったの。教職員免許もあるのにラーメン屋って、好きなことだからって勢いで決めてるとしか思えない。仕事を舐めないで欲しい。教員がダメなら大学の事務員だってあるし、在職中も学びがある仕事を選びなさい」って言われたのね。これを言われたとき、すごいショックだったの。何が一番嫌だったかというと、「勢いで選んだんでしょ」って言われたこと。私は自分の中で葛藤して、考えに考えを重ねた結果、ラーメン屋に就職したいという決断をしたのにも関わらず。夜な夜な泣いたよ、この時は。

親を納得させる大きな施策

「内定先を全て数値化した資料を渡した」

数値化グラフ

--なるほど。

まりちゃん
でも、伝え方がダメだったっていうことに気がついたんだよね。前まで教員を目指していると思っていた娘が、いきなり「ラーメン屋に就職します」なんて絶対許してもらえるわけないなって。感情で伝えても、正論で返ってくるし、納得させるにはどういう方法が良いのだろうと模索したの。そこで論理的に「なぜ私がラーメン屋に就職したいのか」を伝えるために、内定先を全てを数値化させた資料を作成したの。親との関係性から何も用意せずに行くと、また感情的になってしまい封じ込められてしまうと思ったからね。それから、この資料を使って、説明すると納得してくれたんだ。この資料のおかげで「真剣さ」「長時間熟考したこと」「将来のビジョンまで見据えていること」が伝わり、私の気持ちを理解してもらうことに成功したの!

資料内容(各3点満点の計18点満点の観点別資料)
シゴト・・・事業内容・企業理念への共感度
ヒト・・・社風・社員の雰囲気があっているかどうか
オカネ・・・初任給+今後の年収等の満足度
キャリア・・・自己実現できるフィールドの充実度
ミライ・・・成長率・今後の展開も加味した将来性
タイグウ・・・福利厚生の充実度。

--おー、すごい施策!自分の頭も整理されるし、いいね!

まりちゃん
そうそう。それからのこと、内定後に一度仕事の雰囲気を体験するということで店舗スタッフとしてアルバイトをすることになったの。就職先の企業では、5-7割の学生はやはり親から止められることが多いらしく、その対策として親へお店の無料招待券を渡すという施策を用意していたの。それで、働いている姿、接客、店の雰囲気を見てもらうために両親をお店に招待したんだよね。すると、ラーメンのクオリティ、サービスの質、それから何より私が楽しんで働いている姿を絶賛して、就職先のラーメン屋のファンになってくれたんだ。これがきっかけで日々の健康のことを気遣ってくれたり、母親は自分の娘がラーメン屋に就職したことを講義でも自慢するようになったんの。大学教授の娘がラーメン屋なんて、普通は恥ずかしく思ってもおかしくないことだと思うんだけど、母は生き生きと語っているらしいんだよね。これに関しては予想外の反応だったねー。

現在の近況報告

「点と点が繋がり、大学生活での経験が仕事に」

おグルンラーメン

--すごいね。まりちゃんの作戦でそこまで両親が応援してくれるなんて...。今のお仕事について教えてもらっても良い?

まりちゃん
空港にある店舗で社員として働いて、お客さんの8割が外国人。一日800人以上も訪れる場所だからすごくやりがいもあるし、自分の大学で培った語学力が現場で活きていて、すごく楽しい。母親も海外に行くことが多いから、いつか空港を利用するときにお店でラーメンを食べてから出国して欲しいな、なんてことも考えている。なんか「回り道ってすごい大事なんだな」って思う。大学で学んだことも、教育実習での経験も会社に貢献する上ですごい活きているし。

--いや、本当に前の記事でも話に出ていたんだけど、スティーブ・ジョブズの「Connecting the dots」だよね。今後、まりちゃんがどんな人生を歩んでいくのか楽しみ。

まりちゃん
近々、会社の広報になりたいと思っているの。私は趣味でInstagramでラーメンの発信もしているし、現場で起きていることもわかる。それに人の気持ちも高校の経験から理解できるから、この長所を生かして社外により良さを発信して行きたいと思っているの。そのために今、いろんな記事を読んだり、本を読んだりして、勉強をしています。趣味に関しては、もっとラーメンを食べたいと思っているのね。2020年は1日一杯の365杯食べることを目標にしていたんだけど、コロナがあったので出来なくなってしまったんだよね(去年は300杯のラーメンを食べた)。でも、年を重ねるごとに体に響いてくると思うから、今のうちに食べておかないとって。だから、健康に気を使ってラーメンを食べるために毎日ヨガ・筋トレ・ストレッチをしているし、ラーメンを食べた日の朝と夜は自炊でよりヘルシーなものを作って食べてる。

見ている方へのメッセージ

「親に感謝する。自分に正直になる。」

まりちゃん

--ラーメンを食べるために生活が成り立っているのが面白いね。いや、本当に今回もインタビュー楽しかったです!最後に見ている方へ、まりちゃんからメッセージをお願いしてもいいかな?

まりちゃん
メッセージ!じゃあ私から二つ。まず、親に感謝をすること。親がいないと、この世に自分は生まれてきていないし、こんなに元気に育っていない。喧嘩とか価値観の違いから衝突することもあると思うけど、それも愛を持った上で親は向き合ってくれているということを忘れてはいけないんだと思う。これを自覚することによって、接し方が変わると思うの。親としても、そして一人の人間としても尊敬することが大事で、その上でしっかり向き合って欲しいなって思います。

もう一つが、自分に正直になること。誰しも人の目を気にすると思うし、就活生とかは特にそうなのかなと思うんだけど。自分の人生にとって、「世間体ってどれだけ大事なのっ」て今になって思うんだよね。自分が本気でしたいことは世間体など気にせずに突っ走れると思うし、本気かそうじゃないのかはここで決まるのかなって。他人の目を気にするのか、自分の人生を楽しむことを優先するのか。人生は時間が限られているから、自分に嘘をつかずに判断して欲しいなって思います。

まりちゃんからの学び

親に背中を向けるな
〜自分が思っていることをちゃんと伝える。親の意見もしっかり聞く〜
自分に背中を向けるな
〜他人の目を気にして生きるのか、自分の判断を信じて好きなことをやるのか〜


(執筆:立野凌央)


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