「Beの肩書き」というささやかな贈り物から、人の温かさを感じる。 ーそのまんまフォルケを振り返って
こんにちは。そのまんまフォルケ主催者のしんやです!
9月のプログラムが終了してはや1ヶ月半が経ちました。
10月半ばにZOOMで振り返り会を行ったり、ここ数日は「SNSの更新どうするか…」と考える中でときどき写真を見返して「そんなこともあったな〜〜」と懐かしい気持ちに浸っています。
いろんなことが、一瞬で過ぎ去っていった9月のプログラム。
数多くのできごとがあったなかで、今でも鮮明に覚えている感覚があります。
それは「贈り物を受け取る、嬉しさ」についてです。
今回受け取った贈り物は、「Beの肩書き」
そのまんまフォルケホイスコーレの2日目、旅もあと1日を切ったというタイミングで「beの肩書き」というワークを行いました。
「beの肩書きってなに?」という方もいらっしゃると思うので、簡単に説明したいと思います。(伝われば良いな!)
「beの肩書き」は、「私は実はこんな人」「こんな人でありたい」という自己表現をもとに作られる肩書きです。
対照となる存在は「Doの肩書き」。これは職種・会社・学校名など、社会的で日常的に用いている肩書きを指します。
今回のワークでは、まず各自で「こうありたい」という肩書きを一つ決めた上で、その理由や想いなどを他者と対話。
その上で自分自身が思ったことや感じたことをメッセージカードに書くことで、「その人から見たbe肩書き」をプレゼントしました。
振り返れば・・・自分自身の話を傾聴してくれて、肩書きを考えて、カードに書いてくれている「過程」そのものに、嬉しさがありました。
一枚の紙に書かれているものは、単なる文字情報ではありません。
対話というステップを踏むことで得た気持ちや想いを詰め込み、文字という形で表現してくれた「贈り物」であると感じています。
付与から贈与へ。肩書きの新しいスタイルを垣間見た。
自分が選んだBeの肩書きは「ライター」。
もともと文章を書くことは好きな方だったのですが、生業にしたいとは思っていませんでした。しかし、ある人との対話がきかっけとなり「文章を生業にしよう」と決意し、社会人向けのスクールに通いました。
ライターとしての仕事や活動が増える中で時々「しんやさんはライターですよね」と言ってくれる方もいる一方、まだ自分の中で「ライターだ」という実感がないということもあります。
ただ、本音をいうなら名乗りたい気持ちがある。だからまだ「Be」の段階かな。そういった理由から、Beの肩書きに選びました。
ワーク中の対話では、自分自身が文章を生業にしたいと思った理由や、これまでの経験から嬉しかったこと、やってみたいことなど色々とお喋りした記憶があります。ここで出し惜しみするのは違うと思い、今まで話したことがなかった事実や考えを全て話しました。
言葉に出すことで、今まで自分の中では気付けないことに徐々に気づいていきました。その気づきは、メッセージカードを受け取ることで最大化されます。
メッセージに書かれていた肩書きを見た瞬間、素直に嬉しかった。そして、「これだ!!!!」という感覚しかありませんでした。
その理由は、時間をかけて対話をすることでグループの人と肩書きを探究して創ったからだと思います。対話の中で「なぜ?」を一緒に考え、深掘りしていく過程は、とても面白く学びが多いもの。
メッセージカードに書かれてくれた内容は、なぜ?を深掘りした上で創られた「肩書き」であり、他者とともに探究して見つかった「道標」だったなと思います。
一緒に対話をし、考えてくれたお二人には感謝しかありません。
Doの肩書きが社会的に付与される存在だとしたら、Beの肩書きは人の手によって創造するもの。
今回のワークでは「ありたい自分」の姿に合わせて肩書きを決めて、納得がいくまで対話して、その上で他者が考えてくれました。ただ、その根源には「そのまんま」の自分でBeの肩書きを選んだからこそ、メッセージカードのメッセージにも納得感や満足感があったのだろうと思います。
ちなみに、翌日はBeの肩書きをコラージュで表現するワークをみんなでやって、ロングチェックアウトをした後解散の流れになりました!
贈る上で重要なことは?
大人になるにつれて、「贈り物」を渡したり受け取るという行為は「社交辞令」という大義名分のもと行われるようになっているなと実感しています。
お歳暮やご祝儀、進学退職祝いなど社会的に浸透している儀式が行われるタイミングで、何かプレゼントする…ということが増えているのではないでしょうか。
贈り物の選定に当たっては、受取主が好みのものが選ばれると思います。しかし、贈り主が選ぶ基準の中には「金額」や「定番品」といった数値化・指標化されている基準が含まれているとも感じています。すると、こんなことを思う人が出てくるかもしれません。
数値や指標といった客観的な基準に基づいて相手の反応を設計し、贈り物を選ぶ人が出てくるかもしれません。
今回のワークで実感したことは、上記のような考えも参考にはなりますが、一番重要なことは贈り物に含まれている「温かさ」だと感じました。
贈り物の値段が安かろうが、高かろうがさほど関係はありません。受取主が実感する「嬉しさ」の源は、送り主が時間をかけて贈り物を選んだという過程にあると思います。そう考えると、数値や指標は、時間を短縮するための手段として存在している気がします。
ただし、闇雲に時間や労力をかければかけるだけいいと言う話ではありません。贈られる相手のことを考える必要もあります。
そう思うと、「サプライズ」のように奇を衒う予想はせず、純粋におしゃべりしていく中で相手が欲しいと思っている物を、探すのがいいのかなとも思います。
いろいろ考えていくと贈り物に含まれる「温かさ」は、時間と、相手のことを考えた気持ちにあるのではないでしょうか。
そのまんまフォルケでも、そうした機会を作りたい。
フォルケホイスコーレに参加するということは、新しい自分に出会えたり、少しでも豊かな生き方をみつける上での過程だと思います。
「ホイスコーレに参加して終わり」ではありません。
むしろその先も道は続きます。その過程において少しでも後押ししてくれるものを作れるよう、考えていきたいなといち主催者は思っています。
それが「Beの肩書き」のワークで作ったメッセージカードなのか、プログラムのしおりなのか、オウンドメディアのようなデジタルツールなのか。
いろいろと模索していきたいです。
ホイスコーレのプログラムにおいて、贈り物は1人では作ることができません。
ともに学ぶ仲間がいてこそ、できる物です。
素敵な贈り物を、贈り合う機会を
ミライの参加者の皆さんと一緒に、また創りたいなと思っています!!
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