南桂子 銅版画展 静かな王国
ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
浜口陽三のパートナー南桂子もまた銅版画家だった。
おとぎの世界を彷彿とさせるモチーフ。刺繍のステッチのようにちいさな紋様が埋め尽くすスペースは、鳥の羽根であったり、山肌であったり、太陽であったり。
素朴な愛らしさのあるモノたちはスッキリと粋な構成で画面に配置されていて、やけに気持ちがいい。
すこし錆びた配色も、すんなりと心に染み込んでくる。
連なる点と線を目で追いながら、内なる妄想の刺繍針がステッチを縫い上げていく興奮を味わった。
憧れ眺めるだけでなく、目で喰らって自分の中におさめられる出会いは快感だ。
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