デジタルトランスフォーメーション(DX)は社会の変革をもって終わる
世間で話題となっている「デジタルトランスフォーメーション」とはなんなのか?なぜ騒がれているのか?
ずっと不思議だったけど、先日参加したセミナーで少し腹おちした。
デジタルトランスフォーメーションは、デジタル化によって人の生活、文化を変えていく事だ。特に日本の様にリソースが分散している社会では、企業を超えて創り出す必要があるし、政府も社会も一緒になって作り出す必要がある。だから、関わってる人は世に問うているのだ。判ってもらうために。
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「デジタル化」は経営課題としてずいぶんと前からあげられる項目で、ずっとある。ただ、昔は自社内の話だったのが、今は社会の変化の話になっている。
世界での競争もあれば、個人と技術のつながりの変化もある。経営者は大変だし、対応する現場はもっと大変なのかもしれない。
そして「デジタル化」は手段なのに、目的になりやすい。測れるから。経営層から、数値目標を与えられてしまったら正常な組織ほど手段の目的化に走る。
結果として、「豊富な」データを使い道なく集めてしまう。結果として、自分のようなデータサイエンティストの仕事で大量の(バラバラな)データ処理が仕事として回ってくるのはなんとも皮肉だ。
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議論の要点は当日のグラコレがあるので譲る。文章よりも雄弁にポイントを語ってくれている。
中国のアリババや平安保険の事例を引き合いに出しながら語られたのは、「データ収集は、顧客体験の向上のため」にあること。そもそも中国なら、経済合理性がなければ個人情報を差し出さない。(ただし、利便性が認められれば躊躇なく情報を出す)
日本は、文化的に個人情報を出して当たり前になってしまう。よしんば拒否しようにも「サービス利用を止める」と言われてしまうのが通ってしまう。
例えば、先日の朝日新聞が報じた「経産省がクッキーの取得を制限」という記事の内容もなかを見てみると不必要なものと紐づけた情報収集に対しての懸念を示しただけで、サービスに必要ならなんの問題がない。
(ここ、セミナーで聞いたところで、あとで正確に調べます)
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例えば、収集しているデータを顧客のために活用するのはこんな形だ。顧客体験を向上して、行動と情報提供を自ら行ってもらえるように体験を作り込む。
見ていると、本当に上海に行って体験したくなる。夏にニューヨークに行った時も、体験して初めてUberがだんとつで使われる理由を感じることが出来た。
新しいデジタル体験は、人の生活の中に入り込む。中国なら中国で、もっと言えば上海ならでは。日本には日本の、東京には東京に特有の環境がある。体験も、日本独自に作り込まないといけない。
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また、日本のビジネス環境では冒頭に述べたように人の生活に関わって垂直統合された大きな独占企業はない。また、多くの会社はデジタル化によって収益を産むモデルをいくつも抱えているわけではない。
だから、大変革を遂げた平安保険の事例が良いと取り上げられていた。自分たちの本質である「保険」を顧客にとってどうやって改善していくかを考え、それを実行するために外部から人を(大量に)雇い入れて変革を成し遂げた。今では、中国の民間企業3位の時価総額だ。
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そして、見落としていけないのは社会の変化だ。自社だけが変革をするのではなく、すべての”今の”競合と、デジタル化された未来で業種を超えてぶつかる競合に対して、どうやって自分たちのビジネスを築き上げるかが焦点だ。
だからこそ、中国企業にも学び、デジタルトランスフォーメーションを本気でやろうとしている人たちは社会変革という名の「連帯」を呼びかける。それはリソースが不足していて、そして「データ分析」は本質的には競争の決め手にはならないから。
セミナーの中でとりあげた、天気予報の話はとても興味深い。まさに、色々な業界で同じことが起きる。
多くのビジネスマンは「お客さんの行動理解」とそこにデータをどう活用していくか、そのためには自社がどうあるべきで、社会環境はどうあるべきなのかを議論する時なのだ。
一方で「データ分析」業界で働く身としては、上記に対して「データ活用」コンサルを中心事業にシフトするとか、コンソーシアムの設立など構造に入るとか、そもそも特定のデータ分析をソフトウェアのような形で製品化してしまって広く社会で共通化するなど、考えることはある。
ただ、まずは社会の一員として、デジタルトランスフォーメーションの世界を体感して、未来の生活に思いをはせたい。
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とくに回し者ではないですけど、本も発売されるみたいです。新しい特集も今月からスタートするとも聞きますし、まだまだ目が離せない領域ですね!
おわり。
#毎日出す 20191102 DAY41
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