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クラシック音楽界の危機とは、結局のところ何なのでしょうか!?

昨今、よく耳にするクラシック音楽業界の危機。結局のところ、何が問題なのでしょうか。「テューリンゲン・バッハ週間」音楽祭2023年、アンサンブル・イン・レジデンスIIーオーケストラ・イン・トレッペンハウスがその課題に挑みます。以下は、音楽祭主催者クリストフ・ドレッシャー(C)とオーケストラ・イン・トレッペンハウスの創立者Thomas Posth(T)の対談抜粋です(原文ドイツ語の意訳&省略あり)。

「テューリンゲン・バッハ週間」音楽祭2023年パンフレットより

C:この業界は回避できない困難な状況にあるという共通認識が私たちにはあります。数年前からこのことについて話されてきました。クラシック音楽は危機にあると、、、。
T:このテーマについてたくさんの議論がなされてきましたが、興味深いことにその本質については不明確なままです。つまり、危機とは正確には一体何なのかということです。通常、聴衆の集まり具合のことを問題にしており、それはすなわち、高齢化している、聴衆が昔ほど集まらない、全てが埃っぽいということです。
でも本当にそうなのでしょうか。聴衆がある層(つまりここでは高齢層)に集中していること自体は、一見したところ問題というわけではありません。それにコロナ以前のコンサートでは満員のことが多かったですし、一度でも素晴らしいクラシック音楽のコンサートに出会ったことのある人なら、その体験を埃っぽいとは思わないでしょう。
実際のところは、(そのことから論理的に導かれる)、今後聴衆が減少していくのではないかという懸念が、その危機感を正当化しているものと思われます。
C:今、その状況はさらに変化しましたか?パンデミックでこの傾向が顕著になった部分はありますが、実際のところ、新しい問題というわけではないのではないでしょうか?
T:コロナがこの不安をさらに促進したのはありますが、聴衆が減っていくという憶測は依然としてあります。近年新しく見られる動きというと、文化に対する正当化への圧力です。。。社会のごく一部の層のみが対象ということになると、公的資金の支出を正当化するのがますます難しくなります
そのための唯一の対策として考えられるのが、聴衆層の幅を拡大することでしょう。そのためにクラシック業界は変わらなければなりません。しかしその解決策を見出すことが難しい。
C:以前に「博物館芸術」とおっしゃっていましたね。
T:クラシック音楽は、100年以上前のフォーマットで、あまりにも硬直した構造になっています。そして作品もほぼ100年以上前のものです。そのため「博物館芸術」。でも、それは決して否定的な意味ではありません。人類史に残る偉大な名作は、これからも素晴らしいホールで、熱狂的な観衆の前で、高いレベルで演奏されるべきです。と同時に、ほとんど過去の中で生きている芸術形式に、未来を割り当てるのは難しいことです。
C:しかし過去と未来について話すならば、現代音楽が特定の層にしか受け入れられていないことをまず認識しなければなりません。そこにも発展を促すためのテコ入れが必要なのは確かでしょう、、、。
T:現代音楽と同時代の聴衆が調和すること。これは確かに双方が歩み寄るべき一つの道でありますが、しかし、、、その方向性には私は懐疑的です、すみません!私たちはクラシック音楽を使って、その演出方法を新しくする方向性に取り組んでいます。
C:今回の音楽祭でアンサンブル・レジデンスとして、3つの異なるフォーマットの公演があります。それはクラシック音楽を新しく解釈するものとなりますか?
T:それが目標となります。まず一つはエアフルトのクラブで、踊ることのできる公演をします。そして、バウハウス博物館では「緊急コンサート」と題して、聴衆の個々のニーズに対応できる小規模形式の公演を開きます。最もエキサイティングなのが「君の音楽をデータ化する」で、これは最も新しい形の公演になります。第一部ではバロックから現代まで幅広い作品を聴いてもらい、スマホのアプリケーションで、どの曲が最も気に入ったか、知らせてもらうというものです。第二部は、アプリの結果より、お客様の個々の好みに応じて、8つの異なるコンサートに誘導します。

クラシック音楽業界の危機、その何が問題なのか、この対談から少しクリアになってきたように思います。
オーケストラ・イン・トレッペンハウスの創立者Thomas Posthが考える、現代に合ったクラシック音楽のあり方とは、聴衆参加型・対話型、いわゆるインターアクション型のフォーマットに変えるということのようですね。

最後に、ますます楽しみになってきましたOrchester im Treppenhausの公演情報ですが、以下からもご確認いただけます。

「君の音楽をデータ化する」の公演が取材されました。VTRはこちらより⇒ 


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