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ゲームを作るとは思わなかったデザイナー1年目の今




はじめに

 株式会社CyberAgent ゲーム事業部の一社、株式会社QualiArtsのそのだです。現在、新規開発タイトルのゲームにてUIデザイナーとして参画しています。Xアカウント

 ゲーム事業部UIUX Labメンバーを中心に、デザイナー有志でアドベントカレンダーを実施しています!この記事を読んだ後に、他の記事も覗いてみてくださいね。

 今回は、デザイナー就活生に向けての記事を、当時のスキルセットを中心に綴っていきたいと思います。私自身、就活時悩みがあったので、ゲーム業界を少しでも考えている(考えていなくても...!)デザイナー就活生の背中を押すきっかけになれば幸いです!


学生時代を振り返って

" どんなデザインをやっていきたいんだろう "

 将来の理想像が曖昧な学生も多いと思います。専攻が特殊なら悩むことも少ないかと思いますが、私も悩んだ学生の内の一人で、ポートフォリオのスタンスもまとまらないし、どのインターンに参加すれば良いかもあやふやなまま就活に挑んでしまいました。

 大学/大学院ではコミュニケーションデザインを専攻しており、主に駅や会場の案内サインをテーマに論文を書きました。ややグラフィックが関わってくるものの、内容としてはユーザー動線や視線誘導、新しいサインのあり方などを研究していたため、UIとはかけ離れたデザインを制作していました。

大学で作ったデザインの一例

 スキルセットとしては、下記の画像の通り。プロダクトや空間系のデザインも学んでいたため、モデリングツールなども触れた経験はあります。ただ、当時を振り返ると全体の習熟度はとても低く、得意なツールだけ触って課題やインターンなど乗り切っていたように感じます。(そのため、ポートフォリオにスキルセットは記載しませんでした。笑)

学生時代のスキルセット

UIとの出会い

 UIデザインといつ出会ったかというと、修士1年生の8月、就活を始めて少し経った頃。主に参加していたのは空間系のデザインのインターンでしたが、社風が合いそう!という直感だけでCyberAgentのUIDAというインターンに参加しました。3日間の中でゲームUIを個人で作って競うという、今考えるとよく飛び込んだな〜と思える内容のインターンでしたが、自信のあった制作の速さとプレゼン力で運良く本選考を進み、現在に至ります。

UIDAでの作品

 当時は右も左も分からない状態でしたが、メンター社員の方々にゲームUIについてたくさん教えていただきながら、使えるツールを駆使して何とか喰らいついていました。ここで初めてデザインツールとしてFigmaを本格的に使い始めました。もちろん情報設計も初めてで、ゲームで提供できる価値って何だろう?遷移に違和感がないか?などなど、考えることばかりでした。

初めてのUI情報設計

 インターンを通して、UIデザインの基礎中の基礎を学ぶことができ、デザイナー就活としての視野の広がりや、今まで避けてきたツールの楽しさを感じられました。勢いがきっかけでも何か一歩踏み出してみると、それは意外と仲良くなれるものだったりしますよね。


内定者バイトを経て

 CyberAgentには、内定者のうちから色んな事業部を回って、実際に社員と同じ立場で働くことができる「内定者バイト」という制度があります。内定したは良いものの、ゲームには苦手意識が残ったまま、メディア事業とゲーム事業両方の内定者バイトを経験させていただき、それぞれに特色があることを実感できました。

・リリース後に改修を重ねて良いサービスを突き詰めるメディア事業
・リリースがピークで、そこに向けてサービスを突き詰めるゲーム事業

頭の中に出来上がったイメージグラフ

 個人の見解なので全てがそうというわけではないですが、そもそものサービスの作り方が全く異なることに驚きました。最高クオリティを初動で出すことにフォーカスしている点が自身に合っていると感じ、ゲーム事業部への配属を決めました。

 ただ、もちろん壁はたくさんあります。誰にでも言えることですが、新しいことに対する挑戦は非常に疲れますよね。私自身も、スキルセットが足りていない悩みに加え、「ゲームを遊んだ経験の少ない人が、楽しいゲームを作れるのか」という悩みがありました。インターンの中で情報設計が楽しいことはわかっても、実際に遊ぶユーザーは何を考えているのかという問には答えられません。答えに近づくには、ゲームを遊んできた経験がないと対処できないのです。

 ここで二つ決めたことがあります。

・ゲームを違う視点でたくさん遊んでみる
・今まで避けてきたツールを使って、外に出せるクリエイティブを作る

 意識を変えてゲームを触ってみると、デザインの意図が強く感じられます。階層や情報のわかりやすさ、遊びを最大限楽しくさせるUXなど、様々な観点で勉強ができます。極論、「ゲームUIは体験が面白ければ良い」ので、単に情報設計をするだけではない面白さもあり...!ゲームUIについてはまた他記事で深く語りたいですね。笑

 もう一つ、内定者バイト期間中に、苦手意識のあったPhotoshopを使って、世の中に出すクリエイティブを作り切るというのを目標にしました。当時は運用タイトルのイベントロゴやアセット類などを担当しましたが、挑戦してみると意外と通用するものだったことに驚きました。もちろん自分の力だけでは歯がたたないタスク内容でしたが、先輩にフィードバックをいただきながら進めることで、どんどん制作スピードやスキルの熟練度が高くなっていき、苦手意識は無くなりました。

" 指針を決めて行動するだけで世界は広がる "

 「指針」というのが、何か軸を決めるのか、理想像を明確にするのか、人それぞれですが、就活にも言えることだと思います。小さい世界で悩んでいても広がりません。避けてきたものに対して一歩踏み出すことで、仲間になる感覚を経験して欲しいです。


就活に対して

"  スキルセットで将来の理想像を決める必要はない!  "

 クリエイター・デザイナーとして最低限のクリエイティブ力がないといけないことは否めませんが、スキルセットに自信のなかった私でも、スキルアップに積極的になることができました。そこには「モチベーション」が必然的に結びついてきて、実務で通用するスキルは自ずと付いてきます。インターンで初めて触ったFigmaも、今ではすっかり相棒です。笑

現在のスキルセット

 私のモチベーションの軸は、「チームでものづくりをしている実感があること」でした。それが「ユーザーの声を聞けた瞬間」なのか、「売上で高い数字が確認できた」なのか、自分のモチベーションが何に向いているかはっきりしたら、挑戦は容易いと思います。就活に対しても、「会社に入った後のモチベーション」は意外と見落としがちなので、意識してみると良いかもしれないです。


さいごに

 実務ではアウトゲーム中心にUIを制作することに加え、ゲーム内演出やアニメーション、アセットのグラフィック制作まで担当させていただいていることを踏まえると、「1年目で裁量が持てるか不安!」という就活生に向けて言えばCyberAgentは最高な環境です。笑
 急な会社の紹介にはなってしまいましたが、どの会社・どんな環境に行こうとも、やりたいことを明確に、そして、それを発信することは挑戦の機会を作るきっかけになります。機会さえ作ってしまえば、次第に軸やモチベーション、何をやりたいかがはっきりしてくるのでおすすめです。

 最近は「自身のやりたい!」を軸に、ゲーム事業部にてAdobe Firefly(AI)を業務効率化に活かすためのチームにも参画し、UIデザイナーという枠組みを超えて幅広く業務をさせていただいています。Xアカウント

Adobe Fireflyがゲームに活かせるか試運中(Fireflyで生成&Photoshopでレタッチした画像)

 " 物は試し "

 この言葉が好きです。一旦やってみよう!と決断することは、デザイナーに限らず大切だと感じています。自身の専門分野ではなくても何か得意なことが見つかったり、楽しいと感じる部分があったり、「機会を作る」という意味で一歩踏み出すことは就活中の最強の武器になります。自分の世界が広がる瞬間が、この言葉には詰まってると信じています。

 少しでも絶賛悩み中のデザイナー就活生に届くと嬉しいです。

 では!


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