不思議な癒しの物語 Vo.1黄色いカナリヤ
オリジナルの即興サウンド「エッセンシャルサウンド」を聴きながら
空間から届いたコトバの連なりたちを紡いだ作品シリーズです
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【黄色いカナリヤ】
遠い国の
小さな赤い屋根の端で
黄色いカナリヤが
どこか憂いた瞳で
はるかかなたの海のしぶきに
語りかけたとき
君はきっと
笑うんだ
白い綿あめみたいな
儚い夢を
きっと両手いっぱいに抱えて
シロツメクサを摘んで
花冠を作って
今来た道を
ゆっくりと振り返って
きっとまた
走り出すんだ
どこからともなく
あたたかな風が吹いて
それはまるで
どこかのおとぎ話みたいに
深緑の宝石で縁取られた
魔法の書物みたいに
明日を彩る
目印になるんだ
まだ薄暗い
皆が寝静まった村の屋根の上に
見たこともない
虹のかけらが
こぼれ落ちていて
僕はそれを
そっと
拾い上げる
いつかのカナリヤの
さりげない忘れ物の
その虹を
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BGM:「release~柔~」
企画制作:SONOCOSMO CREATION
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