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34歳から保育士をはじめる

私が保育士の資格を取ったのは6年前の34歳、息子が4歳の時でした。

保育士資格を取った理由

出産前の管理入院中からうつ病になり、未熟児で生まれた息子の子育ては孤独と挫折の連続。

訪問看護師さん、病院の先生、地域の保健師さん。
いろんな人の手を借りながら這い上がり、息子のことを受け入れられるまで1年半かかりました。

『次は私が子育てに苦しむお母さんを助けたい』

その想い一つで保育の世界に踏み切ったけど、高齢者介護の業界にいた私が持っていた資格は介護福祉士とケアマネージャー。

同じ福祉の世界でも子どもの世界は別次元で、経験も資格もない、想いだけで願いが叶うほど甘い世界ではないことを思い知らされました。
職種は保育士でなくてもよかったけど、無資格では通用しない世界。

それでも門を叩き、想いを伝え続けて重度の障害を持つ子どもや医療ケアが必要な子が通う小さなデイサービスの事業所に非常勤で採用され、正社員を目指して独学で勉強をはじめました。

保育士試験に向けて猛勉強が始まる

保育士試験の受験資格は実務経験がなくても、学校に通わなくても大学、短大、学校法人の専門学校を卒業していれば受験資格があります。

保育士試験は年に2回、全9教科。
合格した教科は3年間有効だから、まずは半分、残りは次の試験に回すこともできるけど、合格するまで数年間試験に追われ続ける生活なんて耐えられそうにない私は『絶対一発で取る!』と決めて、試験までの4ヶ月間、息子を寝かしつけた後、毎日3〜4時間勉強しました。

昔から字がいっぱいの参考書が好みでユーキャンじゃ物足りないタイプ。
オススメは成美堂の参考書。
あとは試験対策のコツを書いている方のブログ記事も秀逸でした。

江戸時代に遡る歴史も〇〇条約とか、それ現場で使わないよね絶対!ってことも覚えなければいけない。
保育士不足なんだから、実務に使えそうな内容にならないのだろうか...と何度思ったことか。
だけど、学校にも通わず資格が取れるんだから文句を言わずやれって話で。

一つ救われたのは介護福祉士の資格を持っていると福祉系3教科が免除されること。
これがなかったら4ヶ月間の勉強では無謀だったかもしれない。

試験1週間前に動悸が止まらなくて、循環器内科に受診したら「あんまり思い詰めないでね。」と精神安定剤出されたこともあったなぁ。
合格しなければ解雇されるわけでもないのに、絶対受からなければという自分との戦い。

迎えた2日間に渡る試験はおにぎりが喉を通らず、飲み物ばかり飲んでいたらトイレに行きたい、おなかが痛い、椅子が固くて痛い...。
コンディションは最悪だったけど、一次試験は一発合格!

一次試験に合格そして二次試験へ

ペーパーで終わらず実技もあるのが保育士試験。

この中から2つ選ぶ

  • 音楽(ピアノorギターで課題曲を歌いながら弾く)

  • 造形(当日発表される保育の情景を色鉛筆で描く)

  • 言語(お題の絵本を時間内におさまるように絵本を見ず素語り)

どれも得意じゃないけど、ピアノは2ヶ月で間に合う訳がない。
消去法で選んだのは造形と言語。

読み聞かせはいけるけど、絵は関節が反対に曲がってるし、手の指の向きが逆で絵下手クソ芸人レベルだったけど、試験対策の本でコツを掴むとそれなりに座ってる人も、走ってる人も描けるようになって、当日の【夏野菜の収穫】のお題は手が震えながらも描き切りました。
夏なのに帽子を被せるのを忘れてアウトかと思ったけど無事に合格!

保育士として6年働いて思うこと。

国家資格は一生ものは紛れもない事実。
だけど、資格だけではできない仕事であり、お金のためだけには続かない仕事だと思っています。

試験勉強で学んだ内容で現場で生きることは一握り。現場での場数を踏むことが一番の成長です。

私はこの先、普通の保育園で働くことはないだろう。
というより、もう走るのはしんどい(笑)
障害や難病がある子ども、そしてベビーシッターとして子育てをバックアップしていきたい。

そして、時代と共に変わり続ける保育や子育て対応していくために学びをアップデートしなければフリーランスでは生き残れない。

家族にとって駆け込める場所。
そして、いつでも相談できる、苦しい時に思い出してもらえる身近な存在でありたいと思っています。

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