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また明日が約束できない子どもたちに手を届けたい
ベビーシッターをしながら週に一度、障害をもつ子どもたちが通う施設で働いています。
障害もいろんな種類があるけれど、私が見ている子どもたちは肢体不自由と知的障害を併せ持つ子(重症心身障害児)、日常的に医療ケアが必要な子(医療的ケア児)が通う場所。
「こんなニッチな世界に来てくれてありがとう!」
障害をもつ子のお母さんが代表をしている会社に入る時に言われた言葉。
どうやらこの世界を選ぶ保育士は訳ありらしい。
まぁ訳ありと言えば訳あり。
息子が手術で入院する度にナースステーションの側の部屋で過ごす子どもが気になっていた。
薄暗い照明の中でたくさんの管に繋がれて治療を頑張っている姿。
自分の意思で自由に動けない子、感情を伝えるのが難しい子が、ずっと天井を見て過ごしてる。
『この子は生まれてきて幸せかな』
『お母さんは生んだことを後悔してないかな』
息子がNICUで過ごしていた時に感じた気持ちを重ねながら、家族と離れた場所で治療を頑張る子どもたちに何かできることはないかな。
そう思う自分がいました。
生まれてきた大切な命、幸せになって欲しい。
今日も楽しかったと眠りについて欲しい。
また明日が約束できないから、1分1秒を大切に向き合っていきたい。
この思いは6年間ずっと変わらない。
息子を出産してから、こども病院に通院するのが日常になり、病気や障害のある子どもの多さに衝撃を受けて、なんて狭い世界で生きてきたんだろう。と自分が小さく見えました。
一緒にごはんを食べたりお風呂に入ったり、当たり前のことを当たり前にできず、悲しくても悔しくても、子どもの幸せを1番に願う家族に私ができることなんて、ほんの一握り。
だけど、こうして手を届けられるのは息子が繋いでくれたご縁であり、息子が繋いでくれた命です。
障害があってもなくても、子どもは遊びを通して成長する。
一緒に過ごす時間、楽しさで満たされますように。
そして、お母さんが5分でも心が休まる時間が作れますように。