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いやよいやよも好きのうち〜きゅうりの香り成分

苦手だなぁと思っていたのに、なぜか存在が気になって、どこがいやなのかを考え出したり、ついつい探してしまったり、そして「無い」と寂しいことに気づいて、いつの間にか「好き」になってしまっていること。ありませんか?

わたしにとって”きゅうり”はそんな存在です。

嫌いな食べ物はほとんどなく、どちらかというと苦手なものも好きになってきたのですが、唯一克服できないのが ”きゅうり” です。

「いつか好きになるかも」と思いながら、おいしそうな新鮮なキュウリを見かけたら食べてみたりと何度かトライしてきたのですが、やはり青臭さが口の中で広がるのが苦手で失敗してきました。

しかし、そんなあるとき、きゅうりの中でも、ぬか漬けや浅漬け、ピクルスのきゅうりは「おいしい」と感じることに気づきました。ハンバーガーのピクルスも、ポテトサラダの薄切りきゅうりも、どちらかというと”無いと寂しい” 存在に。

今までは避けて食べていたのに。

「いつの間にかきゅうりを好きになったのかも…」、と思い、生のきゅうりを買って食べてみたのですが、やはりそのままの生のきゅうりは苦手な青くささと水っぽさが苦手でダメでした。

「サラダやぬか漬けのきゅうりと、そのままの生とでは何が違うんだろう。。?」

「気のせいなのかな。でもこれなら美味しいかもしれない」

と、嫌いと思っているのに、どうしても気になる存在になってきました。

嫌いなら避け続けたらいいのに、ついつい探して、見つけては気になって考えてしまう。

香りのお仕事されている方にご相談したところ、こんな論文を教えていただきました。

キュウリとニガウリの調理塩揉み工程における
香気の変化
日本家政学会誌 Vol. 60 No. 10 877~885 (2009)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej/60/10/60_877/_pdf

塩分で酵素反応が起き、別の香気成分が発生し、相対的にnonadienal等の含量が減りマイルドになるようです。

どうやら、塩があると青臭い匂いが抑えられ、わたしの苦手な風味がなくなって、嫌いが好きに変化していたのですね。科学的根拠に裏付けられた?のでしょうか。

自分自身の感覚でしか検証していないのですが、なんだか納得できた気がします。

これからは、自信を持って「生の素のきゅうりは苦手。でもきゅうりを使った料理は好き」と言おうと思います。

そんな私の最近のお気に入りレシピは「きゅうりの簡単浅漬け」。

●きゅうりの簡単浅漬け
[材料]
・きゅうり 1本
・塩 適量
・細切り昆布 適量
・白醤油 小さじ1〜2
・唐辛子 少量
[作り方]
1.キュウリを5mmほどの輪切りにする。
2.塩をまぶして全体を混ぜる。
3.水分が表面に出てきたら細切り昆布と唐辛子、白醤油と一緒にビニール袋に入れて空気を抜いて縛る。
4.30分ほどしたら完成
調味料の量は好みに合わせて変更

今では、きゅうりは嫌いだけど気になる存在として、大切にしています。

きらいなのに、なんだか気になってしまう。無いと寂しいし、それは好きなんじゃ無いかと思ってしまう。

そんなことを考えていると、きらいなものと向き合うのも楽しいもんですね。

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