コスパ、タイパ、スペパ、あらパ
スーパーで子持ちししゃもが安かったので、迷わずカゴに。
ご馳走感は薄いけれど、プチプチの卵は歯応えいいし頭から尻尾まで全部食べられるし、食卓に上がるとちょっととうれしいししゃも。
今住んでいる古い戸建ての仮住まい、台所の設備も古くてガス台についている魚焼きグリルは中のトレーに水を張るタイプ。
この方式のは30年ぶりくらいに使うので、どのくらい水を張ればいいのかすっかり忘れていた。
少なすぎで空焼きになるのを恐れてちょっと多めに水を入れた。
ししゃも自体はおいしく焼けたのだが、やはりトレイの水が多すぎて引き出す時に床にこぼれ、さらにお腹の卵たちが破裂して四方八方に飛び散り、ガス台周辺大惨事。
繰り返しになるがししゃも、ご馳走感そんなにない…ですよね?
脂や卵が浸かった水びたしの床や飛び散った卵を拭いたり、グリルのフレームやトレイを外して洗ったりしながら、ただ焼いてむしゃむしゃ食べるだけの存在なのに、この調理後の後始末の徒労感ってナニ?と思ったわけです。
ミートローフとかスペアリブのグリルなんかもオーブン庫内や天板に油脂がついてきれいにするの大変だけれど、まぁそういうのはメインディッシュだからしょうがないと納得できる。
でもししゃもだよ?
ししゃもなのに、ここまでしなきゃいけないの?
とずっと文句たらたらでいると、片付けを手伝っていた夫が「ししゃもは洗い物仕事のパフォーマンスが悪いってことだ」と言った。
というわけで、我が家ではししゃもはあらパの悪い食べ物第一号に認定。
そう言えばポテトサラダ。
食卓では決してメインは張れない割に、ジャガイモや人参や卵ゆでたりキュウリ薄く切って塩揉みしたり、あ、ハムも細かく切って、ジャガイモちょっと足りなかったからマカロニ加えるか。じゃあマカロニ茹でなきゃだ…湯切りのざる出してと、作業行程けっこう多い。洗い物も同様。
なのにポテトサラダ。
あくまでも脇役。
ちょっと前にスーパーでポテトサラダを買う女性に年配の男性が「ポテトサラダくらい家庭で作れ」と意見したのに対し、「じゃあお前自分で作ったことあるのか?」と怒れる女性たちから非難の嵐だったという話があった。
ポテトサラダは、それをやったことがなくただ享受するだけの側から軽く見られたり過小評価される家事労働の象徴みたいだと思った。
ま、夫も今回の件で、おつまみ程度にしか思っていないししゃもが、実はあらパが悪く片付け担当者には重い食べ物だということがよくわかったであろう。
以後、心して食せよ。