何でも小さなものってカワイイよね! by清少納言 - 「ちぃさい、ちっこい、ちっちゃ!」展
南青山の紅ミュージアムで「ちぃさい、ちっこい、ちっちゃ!」展。
江戸時代から昭和20年代までのままごと道具の展示。
清少納言も「なにもなにも、ちひさきものはみなうつくし」と言っているが、平安の世から現代のカプセルトイに至るまで、小さい物にぐっときてしまうDNAは日本人の中に受け継がれているのだろうか。
日本以外にも精巧なドールハウスやフィギュリン、フェーブ、ザイフェンのクリスマスオーナメントとかはあるけれど、雛人形のお輿入れ道具、根付けや盆栽から東武ワールドスクウェアまで多岐にわたるミニチュアのバリエーションは日本ならでは?
企画展の最初の方に、江戸時代のままごと道具は家庭内での女子教育、つまり女子としての慎みをもって料理・裁縫や礼儀作法を身につけるものとしての役割を担っていたとの解説があった。
そう言われると、かわいい酒器セットも、将来殿方にお酌をする時のためのお稽古用かぁ〜、とちょっと鼻白んでしまうところもあるが…。
ま、でも子どもは大人の真似が好き。そしてままごとは時代時代の世相を映す鏡だ。教育とか躾はおいといて、展示物を楽しみましょうとじっくり鑑賞。
とにかく何もかもがちっちゃくてかわいい!
って清少納言の言葉そのまんまなのだが、ほんとにそうとしか言いようがない。
写真に撮ると縮尺が伝わらないのだが、皿小鉢はどれも1cm未満から、大きくても3cmくらい。
収納型の台所フルセットも。
上の写真の右下にある魚籠が精巧。
踏み台型の屑入れには、ちゃんとくしゃっとした紙屑も入っている。
老眼にはなかなか辛く、眉間にシワを寄せピントが合うまでじーっと凝視。江戸時代の技術すごい。
時代を経て昭和に入ると、素材もブリキやアルマイト、セルロイドなどに変化していく。
紅ミュージアムは、江戸時代から続くお化粧の紅屋、伊勢半本店が運営している。
贅沢な造りの精巧なミニチュア鏡台も。
1階の常設展には紅花から紅を作るまでの製造過程や、日本のお化粧の歴史の解説。
既婚女性のお歯黒と眉剃りメイクは、幕末から明治初期に日本を訪れた欧米人にはかなりショッキングな風習だったそう。
前回noteに異文化に自国の価値観を押し付けて判断しないでもらいたいと書いたけど、う〜ん、お歯黒はさすがにどうなんでしょう。歯を黒く染める理由は女性に貞節を強いる意味があり、明らかな健康被害もあったそうだし。
口紅の他、日本で製造・販売されていた化粧品や広告の展示も。
紅のお試しづけコーナーもある。
色々と盛りだくさんで、メイク好きな人はもちろんメイクに興味のない人も楽しめる。
骨董通り沿いの、小さなきれいなミュージアム。