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やかん愛の人

身辺色々忙しく、noteもすっかりご無沙汰でした。
やっと時間に余裕ができたので、用のついでに松屋銀座に寄ってずっと気になっていた「粟辻早重とやかんたち」の展示。

7階のデザインギャラリー、小さなスペースだけれど「デザインの松屋」の真髄が詰まったような一角。ユニークな楽しい企画をよくやっている。

太っちょの人形やイラストなどの造形アーティストとして粟辻早重のことは認識していたが、10年くらい前にやかんコレクターだと知り、一度そのコレクションを見てみたいものだと思っていた。

夢かなってじっくり見られた!

所狭しと並べられた古今東西のやかん・やかん・やかん。
いくつかには入手の経緯や、そのやかんの解説が付いていて、壁にはやかんのイラストも。

解説の文章もすごく面白くて、できれば展示してあるやかん全部のエピソードを知りたいと思ってしまった。
とにかくやかん熱(やかんだけに)が半端なく、傾ける(やかんだけに)好奇心、注ぐ(やかんだけに)愛がほとばしっているのだった。
もはやモノを超えて人格化されている。
展示写真で紹介されている粟辻の自宅キッチンがこれまたとてもおしゃれ!
アーティストの生き生きとした楽しいお家。
ほんとにやかんがたくさん飾ってある。

ところで我が家で今使ってるのは、姑が長らく愛用してきた笛吹きケトル。
火にかけているのをすぐ忘れちゃうので、笛吹きは必須の機能。
昨年姑と同居するにあたり、それまで私が使っていたやかんは「二つは要らんだろ」と手放した。

手放したのと同じやかん
(画像は郵便局ネットショップより拝借)

柳宗理デザインのつや消しステンレス。
デザインは良かったのだが、沸騰した熱湯を注ごうとするとシューツ!と怒ったように飛沫が勢いよく飛び散るのがすごくイヤだったので、未練なくさよならできた。
だが、姑のやかんも柳宗理のほどではないが笛吹きの口の部分を開ける時に飛沫が飛ぶのがこわい。
あと、持ち手がかなり熱くなるし、蓋もすんなり閉まらない。
やかんとしてどうよ?なのだ。

展示のやかんにはデザイン良し機能良し、もあるにはあるが、そのほとんどはデザインはいいけど機能は二の次三の次、というかそもそもお湯を入れられない物も。
でも粟辻はそんなこと気にせずやかんというだけでやかんを愛している。

んー、でも毎日使う物だしヤケドするのは嫌なので、安心して使えていいデザインの笛吹きを私は探すつもり。

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