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2025年 1月
東京都現代美術館にて
イケムラレイコ
国立近代美術館で初めて「樹の愛」と対面した時、
その数枚の暖色の絵をよく覚えている。
きっと、自分の中に同じように感じるものがあるのかもしれない
今度は彫刻、大きな色彩のある絵をほの暗い中で眺め、
空間へ、中から外へ広がる
目に映る景色に気持ちがひりつく
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透明なものは、
粘土を重ねたような跡に覆われ濁り
角は丸い輪郭になり、失われ
丸くなった耳、頭と思われるものがあり、
それが人のように見える
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Guernica of our time (background)
もう頭はありません
少し背をかがめ、
祈り続ける
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昔、雨の降る夜
ホテルの2階で寝ている時
遠く暗い密林から
砲音が響くのを
聞いていたことがある
朝早く起き
朝食のため外に行くと
疲れ切った兵隊が
ドロドロのトラックの荷台に乗って
空に向け
銃を撃っていた
野外の食堂に着き
食べていると
片手で銃を握りしめ
片手でご飯をほおばる
兵隊がいた
タイトル上写真
Ikemura Leiko
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